#6反りの合わない不良と悪魔
六話です、よろしくお願いします。
前回ぶんが短かったので二話投稿です
「おはよぉございます~」
ガラガラと扉を開けて教室に入る。
おいらはいつものように誰にも挨拶を返されず、落ち込んで席につく。
「ちょ、アンタ。どれだけ毛嫌いされてんのよ!」
ヴァイスが小声で聞いてくる。
少しクラスの雰囲気に戸惑ったみたいだ。
「おいらはねぇ?この訛りと成績の悪さでよく怒られるからねぇ、皆あんまり関わりたくないんだとおもうよぉ?」
おいらの答えにヴァイスが眉間を押さえて溜め息をついている。
あれぇ?おいら何か間違えたかなぁ?
「アンタねぇ………まぁ良いわ。取り敢えずアンタの状況は分かったし、きっと皆がちゃんと挨拶を返してくれるような男にしてあげるわ」
ヴァイスがすごく頼もしい!!
やっぱり良い悪魔だなぁ、ヴァイスは
「な、なによ。そんなに目を輝かせて」
「いやぁ、ヴァイスは頼もしいなぁってねぇ」
おいらの言葉にヴァイスは一瞬キョトンとするが、すぐに胸を張る。
「そうよ、ワタシは頼もしいの。だからしっかり付いてくるのよ?」
おいら達がそう談笑していると一人の生徒が近づいてきた。
「おうおう何だ?落第者がなんか連れていやがるぜ!!」
ピアスを付けた厳つい顔の生徒がおいら達の前でそう嗤う。
それにぞろぞろとガラの悪い生徒が集まってくる。
「ホントだ、悪魔使いがちいせぇ悪魔を連れていやがる!」
「ロクな悪魔を呼び出せなかったんじゃね?」
「大方先公の手でもかりたんだろ?」
わぁ、絡まれちゃった。
おいらは最早見慣れた光景なので落ち着いているが、ヴァイスは違ったみたいだ。
「何ですって?このワタシがロクな悪魔じゃない?アンタ、舐め腐ってるわね」
不味いブチギレているねぇ
「ヴァイス、ここで争っても良いことないよ?一旦落ち着こう?」
「うるさいわね!アタシは今、物凄く腹が立っているのよ!!」
おいらが抑えようとしても中々矛を納めてくれない。
ど、どうしようかなぁ
「はんっ!こんなにちっこい悪魔にも勝てねぇのか、落第者はよぉ!!」
厳つい生徒がそう言うとおいらを蹴飛ばす。
「痛ッ!!」
つい声が漏れちゃう。
けんども、朝の特訓のお陰でダメージは少ない。
な、なんか成長を感じているよぉ!!
「へへっ、いつまで経とうと何を呼び出そうとお前は所詮、俺達戦士の下僕なんだよ!!」
ドカドカと殴られ、蹴られる。
クラスの皆は目を反らしている。注意したら自分が殴られるからね。
おいら、痛みにはそこそこ強いからまだマシだけんど、他の人はキツイもんなぁ。
「ち、ちょっとアンタ達!ワタシのご主人に何をしてんのよ!!」
あ、ヴァイスがいたんだった。
ダメだよヴァイス、君も痛い目に合っちゃうよ?
「アァン?何だテメェ」
やっぱり噛みつかれたよぉ………
ヴァイス、もうその辺にしないと…………
「ワタシは悪魔のエーデルヴァイス。アンタごとき、ワタシとご主人の足元にも及ばないわ!」
ちょ、何を言って
「ほぉ?面白いじゃねぇか。なら決闘だ、放課後闘技場に来い。ぶちのめしてやるよ」
厳つい生徒がおいらを睨み付ける
ひ、ひぇぇぇ
「乗った。アンタこそ首を洗って待ってなさい。」
ヴァイスと厳つい生徒はバチバチと火花を散らしていた。
おいら、今日生きて帰れるかなぁ………
おいら達はその後授業を受けた。
おいらはまた答えを間違えて怒られたけんど、それよりも決闘の方が気になってあまり怒られた気がしなかった。
そして、放課後。
「おうおう、どうやら逃げ出さなかったようだな?」
学園の闘技場は円形に展開されていて、中心に戦うスペースがあって、それを囲むように観客席がある。
観客は百人程が来ていた。
厳つい生徒が20人程の手下を連れていた。
え、決闘は一対一じゃないのぉ?!
「何人手下を連れててもワタシ達には敵わないって所、証明してあげるわ!!」
ヴァイスも煽らないで……………
「ご主人、ホラ!アイツをぶちのめすわよ!!」
「な、何でこんなことにぃ~!!」
おいらは仕方なく戦う準備をし始めたその時
「ギルギルギルシャァォォォァォ!!!」
「おわっ!!何だ?!魔物か!?」
「ヴァイス、これは………」
「モストロね、決闘は一旦止めておくわよ。準備して!!」
熊のようなモストロが闘技場に乱入してきた。
コメント、評価を頂けると作者が嬉しさで地中海に爆誕します