#42格の差
二十八話らへんから一つ話数がプラスされているのに気付き修正しました…………
隠し話があるとか、そんなんじゃないです、すいません…………
四十二話です、よろしくお願いします!
特殊能力…………それはある条件を達したものだけが扱える人智を越えた能力。
例をあげるとするならばアレックスの特殊能力、『勇者の魂』は勇者の血を濃く受け継いだ者が得られるものである。
似たようなものに技能というものもある。
何故このような能力が発現するのか?
理由は魔力にある。
様々なものには魔力が宿っている。
一定ではなく個々の差があるが、物体には魔力が宿る事が多い。
そして、魔法や特殊能力、技能等の超常現象には魔力が関連する。
例えば魔法を使う場合は空中に浮遊している魔力と己の体内にある魔力を混ぜ合わせて発火や水の生成等を行う。
そして発散した魔力は空中に溶け、それをまた吸収することによって魔力を溜められる。
特殊能力や技能は身体が危機的状況に陥ったときに体の防衛機構が働き、これらの能力を発現させる。
この際にも魔力が使用され、能力を獲得する。
能力の質が高ければアレックスのように子孫に引き継がれることもある。
特殊能力の下位互換が技能であり、あくまでもこの力は人生や血統に左右される上、必ず使いこなせる訳でもないので戦闘力としてはオマケに過ぎないと世間では認識されている。
とは言ってもその力は強大だ。
使いこなせれば強力な武器となる。
そして今、テリアはその特殊能力を手に入れた。
『不屈の闘志』、諦めずに立ち向かおうとした者が手に入れる特殊能力だ。
「シッ!!」
テリアが一気に駆け出す。
先程よりも四倍も運動性能が上がっている。
「速くなっただと!?」
ラディは驚きつつも冷静にタガーを掴む。
「しかし、速いだけだな。残念だぜ!!」
テリアはタガーを掴まれたまま振り回され、壁に激突する。
喉の血管が切れ、血が吹き出るが、お構い無しにタガーを構える。
「なんだコイツ…………気味悪ぃな」
あまりの不気味さにラディが不快感を示す。
「シッッ!!」
テリアはまた一気に駆け出す。
先程よりも速い。
テリアのタガーはラディの頬を捉え、傷を付ける。
「(コイツ………段々能力を使いこなしてきているのか)」
ラディの顔に一瞬焦りが見えたが、それも束の間あっという間にテリアは動きを捉えられ、投げ飛ばされる。
ラディは追撃とばかりに投げてテリアの真上まで高速移動すると上から踏みつけて地面に叩きつける。
轟音が鳴り響き、地面にクレーターが出来る。
「が…………は…………」
とうとうテリアは動かなくなった。
「ハァッハァッ…………すこし動き過ぎたな」
ラディの額には汗が溜まっていた。
しかし、テリアが付けられた傷は頬の切り傷のみ。
明らかな格の差がそこにはあった。
「こんなところで道草を食っていられないな、作戦まであと少ししかない」
ラディはそう呟くと黒い羽を羽ばたかせて飛んでいった。
テリアの奮闘のお陰で誰も死にはしなかったが、その場にいたもの達は全員、血を流して倒れていた。
「ま…………て……………」
テリアは朧気な意識の中、手を伸ばすが力が入らずだらりと腕を下ろす。
テリア達はたった一体の悪魔に完敗した。
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