#38水面下の動き
暗躍回です。
三十八話です!よろしくお願いします!
暗闇の中をカツカツ音を立てながら歩く黒服の男、ラディはとある廃墟の中を歩いていた。
廃墟は古いが、中々に堅牢で作り手の技術力と、投入された資産を物語っている。
人々から忘れ去られた伝説の要塞─ワスリオン─。
その昔、当時ネリック王国と対立していた帝国に侵攻された際に弓矢、剣、爆弾、丸太、魔法などのあらゆる攻撃を全て跳ね返し、小国を半年に渡って護った伝説の要塞である。
最も百年ほど前の話なので、今は誰にも知られていない。
当時の帝国はここを占領したが、逃げてきた市民を受け入れた王国は大義名文を得て帝国を追い返した。
しかし、もう壊れていたこの要塞は歴史の闇に葬られ、今は当時の威厳のみる影もなかった。
「………」
ラディは無言で歩く。
それもそのはず、彼の放ったモストロはあまり動けないようで、情報収集に時間が掛かっていた。
なので、上手くレインの情報が入らずイライラしているのだ。
今わかっているのは名前と生年月日のみ。
正直に言ってほとんど無意味だ。
ラディは高さ4メートルはゆうに越える重厚な扉を前に息を吐く。
決心したような顔をすると、フードを取り、扉を開けて中に入っていく。
「ただいま戻りました。マイ・ロード」
彼が跪いて頭を垂れた先には大きな心臓のようなモノが動いていた。
かなり大きく、全長7、8メートルはあるだろう。
❬ラディ………貴様、失敗したらしいな?❭
心臓のようなものからテレパシーが発せられる。
「はっ!申し訳ありません。どうにも『ファントムサモナー』の性能が高く……………」
❬我の開発した『モストロシステム』の性能が低いとでも言うのか!!❭
恐ろしい覇気が飛ばされる。
ラディは震えながらも声を出す。
「い、いえ!そのようなことはありません!次こそ証明して見せます。『モストロシステム』の方が優秀であると、絶対であると!」
❬ふん、まぁ期待せずに待っておこう。下がれ❭
「し、失礼します!」
ラディは走って逃げたい衝動を押さえつつもゆっくり歩いて退出する。
「(お、恐ろしい………なんて威圧感なんだ。俺のメンタルが一瞬にして折れた…………)」
ラディは袖から種を出すと魔法を掛け、大量のゴブリン型のモストロを召喚する。
「貴様ら、仲間を増やせ、三日以内に増やして俺のところに戻ってこい」
ゴブリン型のモストロは一斉に散っていく。
「次こそアイツを消さねば…………首を洗って待っていろ、レイン……………!!」
夜はまだ明けない。
全てを知るのは月の光のみ………
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