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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第二章学園祭
37/201

#37焼き加減にご用心

三十七話です、よろしくお願いします!

おいらが必殺技の特訓を始めてから少し経ち、学園祭は4日後に控えていた。


おいらは料理長と言う役柄上、結構な数の仕事をこなす必要がある。


例えば


「れ、レイン!これどうやって切るんだ!?」


「あー、その羊肉はここに刃を入れたらスーってここまで切ってぇ……………そうそうそんな感じだよぉ」


「な、なるほど」


同じ料理担当の生徒の指導をしたり。


「ねぇ、これもう少し可愛くならないかな?」


「そうだねぇ…………花形の苺でも載せてみようか」


デコレーションの考案をしたり。


「レイン君、このクラスの決算書を描きたいんだけれど」


「あぁ、材料費だねぇ。リスト、リスト…………はい、これ。追加は多分無くても大丈夫だと思うけんど、一応余裕を取らせて貰ってるよぉ」


「えぇ、ありがとう」


材料費や在庫の管理なんかもする。


さすがに学園祭の間ずっと店番することはないけんど、それまでは大忙しだ。


「ねぇアンタ、この前の決闘でわだかまりが和らいでて良かったわね。」


「そうだねぇ、皆ちゃんとおいらをクラスメイトとして見てくれてるのは嬉しいねぇ」


おいらが試作品を作りながらヴァイスと会話していると、袖を少し引っ張られる。


「…………?あ、カガリさん!どうしたんだぁ?」


「………わたし、作ったから見てほしい…………」


「うん、わかった」


おいらはカガリさんに連れられて端の調理台へ向かう。


そこにあったのは可愛らしいミニシュークリームだった。


「すごい!よく作れたねぇ!小さいのにしっかり作られている!」


小さいモノほど焦がしたり、破けたりしやすいのに、カガリさんのシュークリームはとても綺麗に出来ていた。


「外はさくっ、中はとろ~。を目指した。一つ食べて…………」


「いいの?あんがと!」


おいらはありがたく思いながら一つ口の中に入れる。


これは…………


「カカオを混ぜてある…………?」


「ちょこれーとって言う。…………どう?おいしくなかった?」


まさか


「いや、すごくおいしいよぉ。これは本当にすごい!まさか、カカオを甘くして使うなんて、おいらは思い付かなかったよぉ!」


おいらがそう誉めるとカガリさんは小さくガッツポーズをする。


「しょーくりーむは…………無限大…………!!」


なんて深いシュークリーム愛…………シュー愛なんだ……


カガリさんはそのままとてとて歩いてシュークリームを冷蔵庫にしまった。


あ、冷蔵庫で思い出した


「ねぇ、カガリさん。少しお手伝いをお願いしても良い?」


「……………いいよ」


おいらはカガリさんを連れてクラスを出た。


ちなみにヴァイスはおいらの試作品を食べていた。




おいら達は巨大な倉の前に来ていた。


「…………ここは?」


「冷蔵庫に使う氷を保存する倉だよぉ。本当は冷蔵庫に冷却魔法を掛けられれば良いんだけんど、高いからねぇ」


所謂、魔導冷蔵庫と呼ばれる冷蔵庫はあるのだが、高い。

おいらの5年分のバイト代をつぎ込んでようやく買えるかどうか。

常に温度を調節する冷却魔法はかける対象の大きさに依存したりはしないが、そもそもが圧倒的に難しい超上級魔法なのだ。


ヴァイスでも他の悪魔と一緒じゃないと出来ないらしい。



「くしゅん!風邪かしら…………あ、このショートケーキおいしい♪」



なので、学校は従来の氷を入れて冷やす冷蔵庫しか無い。

その代わり、この大きな倉に冷却魔法を一つ掛け、冷蔵庫専用の氷を保管しているんだ。


「で、ここから氷を持っていくのを手伝ってもらっても良い?」


「…………うん、手伝う」


「あんがと!」


おいら達は氷を切り出すと、近くに置いてあった台車に載せて日除け用のカバーを被せるとクラスに向けて歩き始める。

すると、突然カガリさんが口を開いた。


「あ、の………もし」


「ん?」


「もし、誰かがあなたの命を狙っていたら…………どう思う?」


急な質問だなぁ。


けんど、質問には答えないと…………


「………おいらは一度話してみたいな」


「!!」


「おいら、あんまり争いとか得意じゃないからねぇ」


「おいら、お客さんが美味しいって、元気が出るって言ってくれるのが嬉しくて料理店のバイトやってんだ」


「元気…………?」


「うん、おいらは所詮ただの学生だけんど、もしおいらの命を狙うような人がいるなら、おいらはその人を説得したいな」


「……!」



「一緒にご飯食べようってね!」



おいらはそう言うとまた台車を押し始めた。


そして、カガリだけが残った。


「元気…………。」


「…………彼のお料理はおいしい、ポカポカする。」


「…………彼は戦いを望んでいない」


「わたしも………………!!」


カガリはクラスに少し遅れて戻った。


皆がカガリの事を気にしていられない位忙しそうだった。


しかし、ただ1人だけ、彼女を注視するものがいた。


「カガリさん、どうしたんだろ」


それはレインだ。

この瞬間が後に大きなターニングポイントになると彼はまだ、予想していなかった。

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