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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第二章学園祭
30/201

#30誰の為に

胸くそパートかも?


三十話です、よろしくお願いします!

「逃げずに来たか」


大勢の観客の声援が鳴り響く中、おいらは闘技場の中心へ向かう。

向こう側から入ってきたアレックス君が挑発的な声色で言ってくる。


「逃げないよ、おいらは」


おいらがそう言うとアレックス君はつまらなさそうな顔をして舌打ちをした。


「僕は君みたいなフワフワした奴は嫌いなんだ」


アレックス君はそう言いながら背中のロングソードを抜き、構える。

姿勢を低くして構える、独特な構えだ。


「……負けないよぉ」


おいらも腰からショートソードを抜いて構える。

いつもと同じ、拳法のような構えだ。


「ルールは一本勝負、降参するか、気絶した方の敗けだ!尚、命に関わる時は一度中断する!」


審判がそう言う。


おいら達は互いに睨み合い、開始の合図を待つ。


「始めッ!!」


審判の声と共にアレックス君が飛び出す。


「シッ!!」


速い!

おいらはすぐさまロングソードを二本のショートソードで受け止め、横へ流すと、今度はおいらが攻撃を仕掛ける。


しかし、アレックス君は速く、攻撃が全て躱される。


「甘い!攻撃が甘いぞッ!!」


全て避けきったアレックス君がラッシュを仕掛けてくる。


「────っ!!」


迫りくる数々の斬撃においらは声が詰まる。

一つ一つが重く、速く、そして合理的。

計算しつくされ、体に染み付いているであろうそのラッシュは避けるだけで精一杯だ。


アレックス君はおいらがギリギリ避けているのを見抜いたのか、先程よりもラッシュの勢いが増す。


「僕はずっと君の事が嫌いだった!」


唐突な言葉においらは思わず動揺してしまい、攻撃を受けてしまう。


「ガハッ!!」


剣の重みはかなりのもので、ショートソードを挟んでも、威力は衰えずおいらは吹き飛ばされた。


「いつもいつも馬鹿にされているのにヘラヘラ笑っている君を見ていて僕はずっと不愉快だった!!」


アレックス君はそう叫びながら魔方陣を4つ作り、炎の球を飛ばしてくる。

おいらはそれを横に走って避ける。


「プライドの欠片もないような君が僕は大嫌いだ!!」


アレックス君は己の内をされけだしながら攻撃を続ける。

もしかして彼は………


「クレア先輩やリオンさんはおいらと戦うきっかけだったのかぁ!?」


「ああそうさ!僕は()()()()()()君と歩くあの二人を見てチャンスだと思った!!気に入らない奴を潰せると!!」


アレックス君のラッシュは更に激しくなる。


「でも、あの化け物が突然現れて、僕は腰を抜かした!でも君は何故か逃げずに僕の知らない力を使って戦っていた!!」


アレックス君はなんとおいらの戦いを見ていたらしい。

目の端で見たときは気絶しているように見えたけんど、意識が残っていたようだ。


「だから僕は君が気に入らない!あれだけの力を持っていて蔑まれてもヘラヘラ笑う君の態度が!!」


おいらは思わずアレックス君の覇気に気圧されてしまう。

アレックス君が一気に詰め寄ってきて、おいらのショートソードと彼のロングソードが鍔迫り合いになる。


直近まで迫ってきた彼の瞳は赤く燃えるように強い意思を持っていた。


「だから僕は君を打ち負かす!カランコエ・レイン!!」


「ッ!?」


覚悟が違う。

彼は本気だ、殺気さえ感じられる。

刺し違えてでもおいらには勝つといった気迫が感じられる。


「だから君を絶対に倒す!倒して、君の力を否定してみせる!!」


自分の存在をアピールしたい。

彼の意思は言ってしまえばそれだけだ。

でも彼は本気で、それに見合う覚悟があった。


おいらはどうだ?

さっきの言葉の数々でおいらは今までの自分を振り返った。


確かになんとも思っていなかった。

殴られても、蹴られても、暴言を吐かれても、問題を起こしてしまうくらいなら我慢出来た。

でも、今それを指摘されておいらの心は崩れかかっていた。


「お、おいらは」


おいらは『ファントムサモナー』を手に入れてからなんの為に戦っていた?


皆の為?誰も評価しないのに?


ヴァイスの為?自分は5年の命になったのに?


自分の為?自分を肯定出来ないのに?


おいらの心の中で段々疑問が湧いてくる。

そして、涙が溢れてくる。

脳裏によぎるのは村の皆と両親の表情。

皆はこんな事をされて欲しいから村から逃がした?

皆は命をはっておいらを守ったのに、こんな扱いをされて喜ぶのか?


目頭が熱い、心が苦しい、呼吸が乱れて、おいらの傷はどんどん増えていく。


そして気がつけば。


おいらの目の前は真っ暗になっていた。


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