#29緊張の高まり
五分は誤差だと信じたい
二十九話です!よろしくお願いします!
おいらが特訓を始めてから4日経ち、とうとう決闘の日になった。
流石に素手で戦っても勝ち目はないので、獲物を初めて買った。
買った武器はショートソードを二本。
刃渡りが10cm程の小さな剣だ。
何故ショートソードなのかと言うと、いつもモストロと対峙するときに使うブレードが丁度これくらいの長さで、変に長い剣を扱うよりかは間合いを多少理解しているショートソードの方が都合が良かったからだ。
学園内での決闘はかなり現実に近い。
これは闘技場に張られた結界のお陰だ。
まずは剣などでの命に関わる攻撃を無効化する『攻撃自動防御結界』、魔法などでの攻撃力を制限する『魔法妨害結界』、終了後直ぐに選手を回復する『聖結界』が張られている。
よって、武器や魔法はより実戦に近いものを扱えることから、闘技場は生徒の成長に貢献している。
そんなこんなで、おいらのショートソードは特訓の時のような木刀ではなく本物の刃だ。
もちろん斬られれば痛い。
「緊張してる?」
ヴァイスが不意にそんなことを聞いてくる。
おいらはその言葉で肩に力が入っている事に気づいた。
「アンタがあんまり戦いが好きじゃないのは分かっているけれど、今回の決闘はきっとアンタの為になるわ」
「うん、ありがとうね。ヴァイス」
そうだ、おいらはもう逃げないって決めたんだ。
優等生の一人や二人、倒してみせる。
選手入場用のトンネルを歩いていって、光の差し込む闘技場への入り口へ向かう。
こつこつと鳴るおいらの足音が妙に反響する。
以前、カフ君と戦った時は急に決まったし、まだまだおいらの気持ちが固まっていなかった。
でも今回は違う。
アレックス君は今回の戦いでとんでもない要求をしてきた。
それは『アレックス君が勝てばおいらが退学する』。
どうしてもおいらが邪魔なのか、アレックス君の目は本気だった。
でも、おいらはこれまで特訓に付き合ってくれた人に応えるためにも勝たないといけない。
鼓動が速い。
こんなに緊張したのは初めてだ。
「大丈夫よ、アンタなら」
ヴァイスがそう言っておいらの手をその小さな手で握る。
「うんっ、ありがと!」
おいらは息をはいて心を落ち着けると選手入場門をくぐった。
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