#28浅い覚悟
二十八話です、よろしくお願いします
「決闘は明後日だ」
昼休みに入って早々にアレックス君からそう伝えられた。
アレックス君はそのまま不敵な笑みを浮かべ、口を開く
「そして賭けをしよう、落第生」
「賭け?」
「僕が勝てば君は退学しろ」
クラス内がざわつく。
それもそのはず、学園の生徒が退学するのは犯罪を犯すか、1年間学園に来ないか、自主退学の3つだ。
学園は入学も授業もかなりの資金がいるので自主退学した生徒はこの学校が始まってから一人もいない。
つまり、退学とはほとんど犯罪を犯した時の処罰と同義。
自主退学をすればその先受けるはずだった授業料はおろか、退学手数料を取られる。
若干やり過ぎな程取られるが、これがこの学園のやり方だ。
「認められないわ!!」
教室のドアが開き、クレア先輩がそう言うとツカツカとアレックス君に近寄る。
クレア先輩の後ろにはリオンさんも付いていた。
「決闘の賭けで退学だなんて許可出来ません!今すぐ取り消しなさい!!」
「おっと、それは無理な質問ですよクレア先輩?」
アレックス君はクレア先輩の右手を取る。
「僕は貴女が欲しい。これだけは譲れない…………そして、そのためにはそこの落第生が邪魔だ」
アレックス君はおいらに向き直るともう一度口を開いた。
「さぁどうする?受けるか?受けないか?」
「…………」
おいらはアレックス君の顔を見る。
その整った顔から発せられる覇気に脚が震えた。
相手は優等生。それも逸材と呼ばれるおいらには遠く及ばない存在。
でもおいらは
「わかった受けるよ」
「レイン君!考え直して!」
クレア先輩とリオンさんがが引き留めようとするが、おいらは答えを変えなかった。
二人がおいらを心配する光景を見たアレックス君は少し顔を歪ませる。
「ふん!首を洗って待っていろ、カランコエ・レイン………!!」
アレックス君はそう言うと教室から出ていった。
おいらはクレア先輩とリオンさんをなだめ、教室に帰した。
「あんな無茶苦茶な条件、受けていいの?」
ヴァイスが片眉を下げて聞いてくる。
「………おいら、ここで勝たないといけない気がするんだ」
「………そう」
ヴァイスはおいらの顔を見ると納得したように呟いた。
「本当は怖いんだ、退学になるのは。だけんど」
おいらの脳裏に特訓の日々がよぎる。
「もしここで諦めたらおいらと特訓してくれた人に申し訳ないと思うんだぁ」
おいらのその言葉にヴァイスは『お人好しって次元じゃないわよ、この馬鹿』と言うと呆れたようにため息をついた。
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