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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第一章 ファントムサモナー
18/201

#18疾風の再登場

十八話です!よろしくお願いします

「た、倒した!」


おいらがそう言って喜ぼうとすると、途端に甲冑が震え出す。


「レイン君!大丈夫!?」


「アニキ!」


「お、おいらも何がなんだか…………」


おいらがそうあたふたしていると、甲冑の一部が溶けてスライム状になり、倒したガルガンチュアを飲み込む。


完全にガルガンチュアを飲み込み、溶かし、吸収したスライム状の甲冑はおいらの元へ戻ってきて、甲冑に戻った。


「ヴァイス、これは?」


『………そ、それは………』


ヴァイスの声が震えている。

まるで嘘を見抜かれた子供のように。

おいらが詮索しようとすると、いきなり中庭で土煙が起こる。


「な、なんだぁ?!」


「カフ君、敵襲かもしれないわ。リオンさんを連れて逃げて!」


「り、了解でさぁ!行くぞ!お前達!」


クレア先輩の咄嗟の判断で皆が動く、流石のリーダーシップだ。


「その運命に縛られし悪魔が問答出来ぬのはそやつの心に真実があるからだ」


聞いたことのある声、特徴的な言い回し。

これってもしかしてぇ……


「『ファントムナノダナー』の使い手の人!!」


「『ファントムガバナー』だ!!」


あり、また間違えちったぁ。

青年は咳払いをすると、おいらに剣を向けてくる。

両刃で黒と白の混ざり合った綺麗な剣だ。


「貴様は世界の根幹に関わる物を知りすぎた。ここで抹殺させてもらう」


「な!おいら、何も悪いことしてないよぉ!?」


なんて理不尽な人なんだ!

おいらは構えを取り、応戦する意思を見せる。


「おいらはまだ死にたくないよぉ、だから負けないよぉ!」


「ほう?面白い事を言う鼠だ」


その言葉を皮切りに青年が一気に距離を詰めてくる。

おいらは剣をブレードで受け止め、ギリギリと鍔迫り合いをする。


「一応礼として名乗っておこう!俺は地獄の使者、ハヤテ!貴様の首を頂戴する!」


「おいらはレイン!絶対に負けないよぉ!」


おいらは無理やり剣を押し返し、ハヤテを2メートルほど吹き飛ばすと、今度はこっちから距離を詰め、正拳突きをお見舞いする。

が、避けられ今度は相手の斬撃のラッシュが始まる。


「ハッハッハ!!素晴らしいぞ、貴様!!流石は『ファントムシリーズ』の中でも性能の高い悪魔の小手を使ってるだけある!」


「悪魔の小手?確かにおいらは悪魔の力を借りてるけんど………」


よほど楽しいのか人間がギリギリ見えるか見えないかの速さで斬りかかってくるハヤテ。


けんど、おいらの方もパワーアップしているから避け続けられる…………はずだった。


「グァッ!!!」


おいらは右肩から腰に掛けて斬撃を食らう。

何故か認識速度が低下したのだ。


「がはっ!!」


武装が解け、中庭の木に生身で激突する。

ヴァイスも外に出るが、何処か顔が浮かない。


「ヴ、ヴァイス?どうしたの?さっきからなんだかつらそうだけんど」


「………」


ますます顔を暗くするヴァイス。

どうしたんだろうと思っていると、ハヤテが剣を構えておいらに斬りかかってくる。


「終わりだ、楽しかったぞ?」


剣がおいらの首に目掛けて振り下ろされる。


「させない!!」


そこにクレア先輩が割って入ってハヤテの剣を受け止めると、全力の攻撃でハヤテを押し返す。


「ちぃ、邪魔な女だ。時間切れか…………また会おう、レイン。次は殺す」


ハヤテはそう言うと空高く飛び上がって消えた。


誰もいなくなった学園の中庭には、焦りの表情を見せるヴァイスとおいら達だけだった。


いつもは柔らかく感じる風が、何故かチクチクと痛かった。

コメント、評価を頂けると作者が嬉しさでロンドンを作ります

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