#17先輩だから
十七話です、よろしくお願いします
おいら達が思っていた以上にガルガンチュアは恐ろしい程の防御力を有していた。
表皮が露出しているのであまり防御力は高くなさそうだと踏んだが、そう甘くはなかった。
かれこれ20分程休みなく攻撃を続けているが、一向に傷がつかない。
「ヴァイス!もう『ファントムサモナー』を使うしか!」
「駄目よ、今使ってしまえばアイツを倒す前にアンタが倒れるわよ!それじゃあもう切り札がなくなるの!」
「くっ…………」
おいら達は完全に受け身になってしまっていた。
カフ君達やクレア先輩がいつまでも耐えられるわけじゃない。
おいら達は一刻も早くガルガンチュアの討伐の鍵を見つけないといけないけんど、その糸口さえ見えない。
「どうすれば…………」
その時だった。
「ゼェェェアァァァァァァ!!」
カフ君が何とガルガンチュアの足にタックルし、ガルガンチュアをぐらつかせた。
そして、取り巻きが大盾を構えたまま、ガルガンチュアを押さえつける。
「シャルルルフフフフフッ!!!」
ガルガンチュアは抵抗しようとするが、大きな体が故にそのまま後ろに倒れてしまう。
砂ぼこりが立ち、ガルガンチュアに隙が生まれた。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
そこにすかさずクレア先輩が攻撃を仕掛け、剣の切っ先をガルガンチュアの土手っ腹に差し込んだ。
そして、その傷を起点に十字の傷をいれる。
「!!今よ!」
「うん!装着、<上級悪魔>エーデルヴァイス!!召喚!」
『召喚!エーデルヴァイス!DEVILWARNING!!』
おいらの回りに黒い嵐が吹き、無機質な男の声が響く
「ブレード!」
おいらの声で手首の甲冑が声を感知して手首からブレードが出てくる。
おいらは丁度リオンさんの体じゃない所の傷口にブレードを差し込む。
「てぇええええええいっ!!」
おいらはブレードを押し込み、その押し込んだ所を両手でつかむ。
「ぐぐぐぐ……………」
『頑張って引っ張るのよ!引き剥がせれば後はこっちのもんよ!』
「ぐぐぐぐ………う、うん!」
おいらはさらに腕の力を強め、ガルガンチュアの肉を引き剥がしていく。
「アニキ!援護しやすぜ!」
そして、カフ達はまた起き上がったときの為に、足に攻撃を始めた。
「ぐ、ぐ、ぐっ!」
しかし中々剥がれない。
まだまだ出力を上げるしか…………
「ヴァイス!出力を上げよう!」
『りょーかい!』
甲冑の両腕から噴射口が出てきて、点火する。
ジェット推進により、徐々に表皮が剥がれていく。
「ふんぬぅぅぅぅう!!!」
すると、衝撃や音で気がついたのか、コアになっていたリオンさんが目を覚ました。
「もうやめてレイン君!!あたしの事は放っておいて!!あたしはもうこの化け物に吸収される、このままだと貴方達が………」
普段の様な緩い口調じゃないのは余裕がないからだろう。
リオンさんは涙を溜めながらそう主張する。
確かにガルガンチュアは強いし、今でも逃げ出したいくらい怖い…………でも!
「嫌だ!!」
おいらの声にリオンさんは目を見開く。
「おいらはリオンさんを助けたい!おいらは助けるって決めた!だから絶対に、絶対に助ける!!」
「だっておいらは」
おいらはさらにジェットの出力を上げ、全力で表皮を引き剥がす。
「リオンさんの先輩だから!!」
おいらは年齢では年下かもしれないけんど、それ以上に料理店で一緒に働いた期間の方が長い。
ならリオンさんはおいらの後輩で、先輩が守るべきなんだ!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」
おいらはリオンさんの体を抱え、張り付いたガルガンチュアの肉をブレードで削ぎ落とし、脱出する。
すると、ガルガンチュアの体が少しずつハリを無くしていく。
「皆!一気に仕掛けるよぉ!」
「了解だぜ!」
「分かったわ!」
おいらの掛け声に皆が動く。
「食らいやがれ!『バスターソード』!!」
「雷魔法、<サンデスター>!!!」
カフ君がさらに斬りつけ、そこにクレア先輩が魔法を打ち込む。
『終わらせるわよ!』
「うん!」
おいらはリオンさんを下ろしてハイジャンプすると空中で拳を構える
「『お·わ·り·だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』」
ヴァイスとおいらの声が重なると同時に拳が空中から振り下ろされ、ガルガンチュアに突き刺さる。
そして、ガルガンチュアの行動が停止した。
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