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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第四章 猛者
132/201

#131 芽吹きの唄

お待たせいたしました!

少し他の作業が忙しかったので遅れてしまいました、申し訳ないです!

百三十一話!よろしくお願いします!

夏休みに入ってもう2日。

おいらは復興が完了した町にようやく活気が戻ってきたのもあって、バイトを次々に入れようとしたところレイン組の皆やバイト先の人に「来週まで休んでいてくれ」となぜか頼まれてしまった。

しかも働いてないのにお給料貰っちゃったし……。


理由は単純だった。

今回の騒動でかなりの失業者が出たらしくて今色んなところに新人のバイト申し込みが殺到しているらしいんだ。

もう一々教育していられるほどの人数を越しているからぶっつけ本番でやらせて仕事を覚えさせよう!という考えに至ったらしく、長年バイトをしている人達は仕事を取らないように休みを取らされているらしいんだぁ。


ちなみにレイン組が止めたのは単に体が心配だかららしい。


クレアさんやリオンさんにもたまにはしっかり休憩をた取るように言われたからおいらは渋々バイトを諦めたわけだけんど……。


「暇だぁ……」


「暇なら町に行きましょうよ~!」


おいらの肩でヴァイスがごねる。

やっぱりヴァイスの威厳無くなってきてない?


「う~ん町かぁ……ぶらぶらしたいのぉ?」


「そう!ぶらぶらして~それでスイーツ食べて~」


「うん、それが目的なんだねぇ…」


でも確かに最近は忙しくて町をお散歩することもないなぁ…


「よぉし、じゃあ町をお散歩しようか」


「やったー!」


ヴァイスが嬉しそうに飛び回るのを尻目においらは身支度を軽く済ませて町に向かった。



外を歩いていると商店街や娯楽施設の近くはもう活気を取り戻していていた。

今までの静けさを塗り潰すような町の賑やかさにおいらは安心した。


それからしばらく町を散策して途中途中にヴァイスが欲しがったスイーツを買いながら劇場、雑貨屋、武器屋…色んな所を訪れていく。


「う~ん♪中々良いじゃないこのクレープ!」


「迷い無く一番高いのを頼んだね…ヴァイス…」


「だってクレアに今日散策したい!って言ったら笑顔でお金くれたのよ?私がこっそり入れたから財布のお金、少し増えてたでしょ?ありがたく使わなくてどうするって言うのよ!」


「た、確かに増えてたような……後でお礼言わないとぉ…」


「ほらご主人!もっと色々探すわよ!戦い続きの毎日でストレス溜まってたのよ!ここで一気に発散するわよ!」


「分かったよぉ、分かったから服引っ張らないで?」


そうおいら達が騒いでいると川原の方から何かが聞こえてきた。


「…ヴァイス、何か聞こえない?」


「え?う~ん…」


おいら達は一旦会話を止めて耳を澄ます


「……♪……♪」


するとやはり何かが聞こえてきた


「歌…かしら?」


「あ、向こうの方で何か持った男の人が歌ってるよぉ」


「行ってみましょう!」


ヴァイスの誘いを頷きで返すと歌っている男の人へ近寄っていく。


「こんにちはぁ」


「おや、こんにちは。僕に何か用事かな?」


おいらが声をかけると爽やかな返事が帰ってきた。

見た目も清潔感があって好青年という印象を受けた。


「何を歌っているんですかぁ?」


おいらが質問すると男の人はニコリと笑った。


「これは芽吹きの唄と言ってね、このジョルって言う弦楽器の音色に乗せて歌うんだ。聞いてみるかい?」


「うん!聞いてみたいです!」


おいらが頷くとまた男の人はニコリと笑いジョルという楽器に張っている弦に弦を張ったステッキのようなものを擦り合わせると綺麗な音色を奏で始める。


前奏らしきものが終わり、唄に入った。



地に伏す者は~(みな)。想い全て溶~けて。

大地に根を張~れば骸は沈みゆく~。


空を泳ぐ魂。回る魔を喰ら~えば。

全てを生む王よ、目覚めの報せ


嗚呼全ての神よ、我に恵み与え。

呪い纏いこの身が全て朽ちるまで~。


闇に濡れた者よ、絶望を受け入れ。

永劫の命を嘆くも虚しく。



唄が終わり、男の人はお辞儀をする。


「どうだったかな?」


「音色は綺麗だったけんど…なんか寂しい唄だったよぉ……です」


「ふふふ、この唄はきっと君の運命を導いてくれるよ」


男の人は意味深な発言をする。


「ちょっとアンタ何も」


そしてヴァイスが何者?と聞こうとしたとき。


「君達の未来に幸がありますように」


強い風が吹いた。

何故かおいらもヴァイスも目を瞑ってしまい、目を開けたときには男の人はいなかった。


「な、なんだったのかしら……」


「おいら達の事を知っているような感じだったねぇ」


「兎に角戻って報告しましょ!さっきの唄も何か仕掛けがあるかもしれないわ!」


「うん」


ヴァイスに先導され、おいらは学園の方に戻っていく。


~~♪~~♪……!~~♪


ふとさっきの唄の歌詞が頭をよぎる。


「うん?」


「ご主人?どうしたの?」


「いや…何でもないよぉ」


おいらはヴァイスにそう言うとまた走り出す。


駆け抜けたときの風からは、柔らかな歌声が聞こえた気がした。

コメント、評価などいただけると幸いです

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