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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第四章 猛者
130/201

#129 カフ教官、爆誕

少し間があきました、すいません

百二十九話です!よろしくお願いします!

学校が始まって4日。

後3日で夏休みに入ろうと言う時期。

騎士団の訓練所では自分の獲物……霊印丸(れいいんまる)を地面に突き刺し、じろりと騎士達を睨んでいた。

そして疲れているらしき騎士を発見するとゆっくり近付いていく。


「はぁっ……!はぁっ……!はぁっ………!」


「おいおい、もう限界か?」


「はぁっ………!はぁっ………!」


「ダメだなこりゃ、おめぇは一度寝てろ」


カフはふらふら歩く騎士の首筋に手刀を入れ、気絶させる。


それを見た騎士達は汗をダラダラと流し、気合いを入れ直す。


そう、カフはいま騎士団の訓練の指導をする教官だ。

レイン組でも最初期はカフが訓練指導を行っていたので随分と慣れた様子だ。


レイン組は元々基礎体力をハードなトレーニングで上げ、そして連携の練習や実戦練習をしていた。

しかしレイン組は上級生もいるものの一年生も多く、武器の技術や戦略論を逐一指示出来る人間はいなかった。

一応リオンも手伝っていたが、彼女も彼女でその戦略方面の才能により学園行事の企画立案等にも呼ばれることが多いので基本的に訓練に長いこと付き合うことはできない。


カフが失踪した後、古びた小屋で家主が残した日記をリオンが書き起こしてからは各々で自分の弱点を洗い出せたり、仲間同士で指摘しあえるようになったので段々訓練を纏める者は必要なくなり、カフも自分の研鑽に集中していたのだ。


一度運動部を経験したことのある諸兄ならもうお分かりかもしれないが、『自分達で訓練を行って改善していく』というのは案外難しいものだ。

それが出来るレイン組は組織としてはレベルが高い。

互いに遠慮なく意見を言い、素直に受け入れる。

そして試し、改善し、より良くする。

これは同じ戦場を味わった同胞同士にこそ出来ることかもしれない。


今の騎士団にそのようなチームワークがあるか?と、問われれば答えはノーだ。

何故なら最近再編成されたばかりでほとんど交流もできてないらしい彼らは休憩中もあまり空気は良くない。


カフは正直やりにくくて仕方ないがそれは騎士団内部の問題、自分がでしゃばるものではないと思っていた。


「ほらそこォ!!しっかり走れェ!!!」


「「「は、はい!!」」」


(はぁ………帰って特訓してぇ………)


カフのやる気は随分と失われていた。


───────


「今日の分の訓練はこれで終わりだ、明日に向けてしっかり休息を取るように」


「「「ありがとうございました!」」」


カフが訓練の終わりの合図をすると騎士達は敬礼をし、感謝を述べる。

そしてゾロゾロと帰っていった。


「…………はぁ………」


カフは深いため息をつくと、地面に刺していた霊印丸(れいいんまる)を地面から抜いて肩に担ぎ、騎士団本部から出ていく。


疲労した体の凝りをほぐしながら騎士団本部の門を出ると、幼なじみのリファが待っていた。


「んぁ?リファじゃねぇか、どした?」


「大方保護者への対応を終えたからお疲れであろう貴方を労ってあげようと思ってね」


「お、なんだ?なんか奢ってくれんのか?」


「ふん!!」


カフがいじるように言うとリファの拳が彼の脳天に突き刺さる。


「いってぇぇぇ!おま、何も殴るこたァねぇだろ!」


「折角この超絶美少女幼なじみのリファちゃんがお迎えに来てあげたのにその反応すれば当たり前よ」


「自分で超絶美少女言っちまうのか」


「ふん!!」


「いってぇぇぇぇぇ!!」


「ホント貴方はデリカシーないわね、呆れてものも言えないわ」


「な、なんだよ!!確かに」


そうかもしれないけど……とカフが言おうとしたとき、彼の口にリファが何かを突っ込む。


「ほむっ!?」


カフはいきなりの事に驚くも取り敢えず噛んでみる。


「ふぉ!?なんだコレ!ものすっげぇ甘いぞ!」


カフが目を輝かせて言うとリファは勝ち誇ったような顔をする。


「ふっふっふ……それは最近街で流行っているマシュマロよ………」


「マシュマロ?こんなに味が深いモンだったか?」


カフがそう聞くとリファが一つの雑誌を取り出す。


「あ、それ今日買おうと………んんんッ!!なんだ?そのスイーツが沢山乗った表紙の雑誌は」


「貴方が甘党なのは知ってるから隠さなくて良いわよ」


「い、言うなよ……恥ずかしい年頃なんだからよ」


「はぁ……思春期自覚しながら恥ずかしがるってどんな状態よ………まぁ良いわ、これを見てみなさいよ」


「えぇ~っとなになに……『新星のパティシエ レイン考案、深いマシュマロ………』ォ!?」


カフは目を大きく開いて驚くと雑誌をぶんどる様にして記事を見ていく。


「あ、アニキ………料理が上手いとは聞いていたけどま、まさかここまでとは……」


「砂糖の配分を変えるだけであれだけ甘くなるらしいわ」


「す、すげぇ……」


リファがマシュマロを頬張りながら記事に釘付けになるカフを見る。

少し呆れたようにため息をつきながらも、元気の出た幼なじみを見て、嬉しそうに微笑む。


「なぁ、リファ!!どこでコレ買えたんだ!?」


「今度教えてあげるわ……テリアも誘って三人で行きましょ?」


「ば、バカ野郎!!テリアには甘党なの内緒にしてるんだよ!!」


「いや多分かなり前にバレてるわよ」


とても先日血を流しながら戦っていたとは思えない会話をしながら、彼らは寮に帰っていった。

コメント、評価などいただけると幸いです

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