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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第四章 猛者
127/201

#126 決闘の後 上

少し間が空いてしまいました。

百二十六話です!よろしくお願いします!

「ん………」


おいらの意識が覚醒する。

いつもみたく保健室の天井ではないことに違和感を感じたおいらは辺りを見渡そうと体を起こすけんど…


「うっ……いちちち……」


体中が痛い……ちょっと無理をしすぎたみたい…。


あれ…この台所……というかあのフライパンは確実においらのお手製だなぁ……。

じゃあここはおいらの部屋かぁ…


だとするとこんなにベッドって柔らかかったっけ……?

安いベッドだからもっと固いハズなんだけんど……


そう思考を張り巡らしていると部屋の扉からノック音が聞こえる。


『レンです、失礼しますね』


レンさん?

取りあえず拒む理由もないからおいらはどうぞと返事をする。


「おはようございます、アニキ」


「うん、おはよう。」


ふと気になって時計を見る。

短針は8時を指していた。

さっきレンさんが入ってきたとき外は暗かったから多分夜の8時なんだろう。


「アニキは2日眠っていらしたんですよ」


レンさんがおいらの考えを察してそあう答えてくれる。


そうか、2日かぁ……


「2日ァ!?」


「はい、2日です」


え、おいらそんなに寝てたの!?


「ヴァイス様曰く『動体視力が上がって戦っていたから普段行わないような激しい動きを無理矢理身体が行ってかなり負担がかかっていた』……と」


「え~っとそれじゃあ結構迷惑掛けちゃった感じかなぁ…?」


「いえ、確かにここまでレイン組で運びましたが…」


レンさんはおいらの寝ているベッドをチラリと見る。


「今回の騒動で王宮が壊滅状態とはなりましたが国王陛下、王妃様、そして王女様を守護したとして国から贈呈されたものです」


「え!!そ、そんな悪いよぉ!」


確かにフカフカで気持ちよかったけどこれ……いくらするんだろぉ……考えただけで恐ろしいや…


「大丈夫です。これを受け取ったところで誰も文句は言いません」


「そう……かなぁ………?で、でも守ったなら騎士の人達だってそうだし……」


おいらがそう聞くとレンさんは苦笑する。


「アニキ、良く考えてください。散々貴族達が紛糾していたもののアニキは犯罪行為なんてしてませんしそれどころか王族の方々を悪魔から死守したんです」


???

え~っとつまり…?


「要はアニキが国の盾となり矛になると分かったのにあれだけの仕打ちをしてしまっていたんです。面子を立たせるためにこれくらいのものは贈呈すると思いますよ」


「あぁ~なるほどぉ。つまり口封じってことかぁ!」


「アニキは意外とストレートに言うんですね…」


あ、そうだ。聞きそびれてた。


「ところでレンさんはどうしておいらの部屋に?」


「2日ほど眠っていらした間、私がお世話をさせて頂いてたので」


あちゃぁ…それは悪いことをしちゃったなぁ


「ごめんねぇ、大変だったよね?」


おいらがそう言うとレンさんは首を勢い良く左右に振る。


「そんなことないです!!とても!とても!役と………やりがいがありました!!」


でもなぁ…やっぱり何かお礼を……あ、そうだ。


「ねぇレンさん。もう晩御飯は食べたぁ?」


「え、い、いえ。まだですが…」


「良かったらご飯食べていく?」


「……………え?」


────────────────


今私、レンは物凄く緊張している。


『良かったらご飯食べていく?』


というセリフを聞いた途端に私の頭は思考を止めた。

そしてなんとも素っ頓狂な返事をしてしまった。


さっきから心臓の音がうるさくて堪らない。

多分(バン)にこのことを話せば一日中睨まれるかもしれない。

なにせアニキの手料理を食べることになったのだから。


さっきアニキは『じゃあ買い物いってくるね!』と行って私が止める暇もなく部屋を出ていってしまった。

じ、自分の晩御飯のついでだとは思うけど少し申し訳なかった。


つまり今私はアニキの部屋に一人だ。

私は男の部屋に入るのが初めて~なんて純情なヒロインなんかでは無い。

リーダー……カフ総長の部屋に訓練の細かい指示を聞きに行ったり、それこそ兄の部屋で遊んだり、組員の中でも特に性別なんて気にせず遊ぶ。


私なんて特に緊張しない方だ。

昔からなにかとガサツな私は組員の中でもかなり男勝りな方だ。

レイン組はモストロに対抗するため“自主的に”厳しい訓練を課す。

その中で共に高めあった組員達は異性であっても互いに意識する者はほとんどいない。


しかし今私はかなり緊張している。

マジで緊張している。


普段は遠目から見れないアニキ。

3日前に介助をしていた時やアニキが暴走したあの大規模な戦闘の時以外にアニキと接点なんてほとんどない。

言ってしまえば憧れの人だ。

あの子分入りをリーダー達と決めた時から私はずっと焦がれていた。


既に力のある私は『イケメン』だとか『優しい』だとか『強くて護ってくれる』というのはあまり興味ない。


いや、本当はそういった興味も出てくる年頃なんだろうがその前にアニキと出会った。


私はあの『誰かの為に自分を律して立ち向かう』という姿勢が大好きだ。

例えそれを非難されても貫き通す姿がカッコイイと思う。


いろんな組員や友達が『告白したら?』というがそれはしない。

多分、私のこの想いはまだそういった類いのものではない。

だって私はいつかあの人を……


「ただいまぁ」


「あ、アニキ!お帰りなさいませ!」


「あはは、丁寧だねぇ。もう少しだけ待っててねぇ、今作るから」


「お、お構い無く………」


「アレルギーとかない?」


「大丈夫です!なんでも食べられます!」


「元気だねぇ……じゃあ好きなように作るね」


サクサクと包丁で材料を切る音が台所から響いてくる。

私はどうせなら緊張するよりもこの時間を楽しもうと調理の音に耳を傾けた。




ちなみに出てきた肉料理が恐ろしいほど美味しく、私はしばらく余所の肉料理で満足できなくなった。

コメント、評価など頂けると幸いです

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