#121 プロローグ4
さぁ4章スタート!
百二十一話です!よろしくお願いします!
1人の男子が倒壊した王都の町並みを悲しそうに眺めながら歩いていく。
両手にグローブ………『ファントムサモナー』を嵌めるのはカランコエ・レインだ。
普段はのほほんとした雰囲気を醸し出す彼でも今の町を見てニコニコしていられるほど常識なしではない。
王都の町はそれはそれは酷い始末だった。
ほぼ全ての建物にどこかしら損壊が生じ、あまり災害などを想定していなかった建物に至っては全壊していた。
積み上がった瓦礫に散乱する家具。
そして……人の血
そう、今回の大規模な襲撃では民間人に被害が出ていた。
残念ながら息を引き取ったものもかなりいる。
それほどモストロとは強烈な存在なのだ。
モストロ…………それはレイン達が敵と見定めている化け物だ。
彼らは魔物のような体をなすものが多いが、全モストロに共通して体の硬度が半端ではなく戦えない市民はおろか騎士団でさえ敗走を余儀なくされた。
そして今回。そのモストロに関して進展があった。
レインがカフに聞いたところなんでも下級悪魔を生け捕りにしたらしく口を割らせたところ、モストロを『六仙』が生み出すところを見たらしい。
種のようなものを地面に撒いていたのだとか。
するとモストロは植物…?とレイン組は考えたが中々答えは出ず、この件は保留となった。
レイン組の面々に脳筋が多いから考えるのを諦めた……というのも否定はできないがそもそも『六仙』が所属する『エレボス』の拠点すら割り出せてない、考えるだけ無駄だと判断したのだ。
レインはそんな脅威から人々を守れなかった事に少しだけ悔いていた。
が、考えても仕方ない。
レインが出たところで守りきれた確証はない……というか守りきれなかっただろう。
彼は『ファントムサモナー』という[人間としては]規格外の力を持っているが制約も多く、レインが飛び抜けて強いかというとそうでもない。
これ以上もしこうだったら……という幻想を抱くのは死んだ人達に失礼だろう。
そう考えたレインは歩くスピードを少し早める。
もう昼の12時になる町は閑散としていた。
───────
「店長~お久しぶりですぅ~」
おいらは間延びした挨拶をしながら料理店『ハシツル』を訪れた。
「ん?おう!レインじゃあねぇか!!」
すると厨房の奥から筋骨隆々の漢が出てきた。
この人がこの店の店長なんだぁ。
昔は騎士団団長をしていたらしくてその言葉は嘘ではないよぉ、今回の襲撃で唯一パワーでモストロを押し潰してたすごい人なんだぁ。
前にもおいらの特訓を手伝ってもらったし、本当に強い人なんだ。
「なんか良く分からんがお前も大変だったらしいな!はっはっは!!」
店長さんはいっつもこんな調子だ。
道端にいた孤児のおいらを拾ったときも「おいおい腹減らしてちゃつれぇだろ?飯でも食っていけよ!はっはっは!!」なんて言ってたくらいには遠慮がないんだぁ。
もう何年もここで働いてるから慣れたけど相変わらずの店長を見ておいらはホッとする。
「んで、俺になんか用か?まだ王都の復興にはもう少しかかるしばらくは仕事ないぜ?」
店長さんがそう聞いてくる。
「実はねぇ…不謹慎と思われるかもしれないから復興した後で良いんだけど……ゴニョゴニョ」
「……!ほう……おめぇさんもいつの間にか成長してたんだな!」
「わわっ!」
店長さんがおいらの頭を乱暴に撫でる。
痛いけどその感覚が懐かしくて、日常を感じて、おいらは素直に受け入れていた。
この時、おいらはもう既になんとなく察していた。
おいらは確実にこの騒動に巻き込まれて……いや首を突っ込んじゃってる。
料理店『ハシツル』から帰る道中、おいらは心の帯を絞めなおした。
コメント、評価などいただけると幸いです
今回のステータス紹介はレインですが、頭に入れておくと物語を読みやすくなる補足説明をいくつか載せておきます。
ぜひ見てみてください。
カランコエ・レイン
種族:人間
年齢:12歳
性別:男
階級:平民
推定戦力:D+
適性:悪魔使い
主な職業:学生、料理人、配達系etc……
主な能力:なんでも料理できる、悪魔召喚
主な使用武器:ショートソード、悪魔の小手
特技:道具を手作りすること
趣味:菓子作り
補足説明
現在悪魔の小手を連続で行使できる回数は二回だが、二回目の発動以降は著しく能力が低下する。
彼自身の体力はほんの少しずつ上がっているが、これだけ戦闘をしてもまだ二連続が限界。
尚、仮にクレアが悪魔の小手を行使するならぱ三回は使用出来る。が、とある理由によりそもそもクレアに適正がない。
ヴァイスはこの成長に涙していて今回の騒動の後、レインに隠れてひたすら自慢をしている。
(レインには速攻でバレているが皆が微笑ましく見守っているため本人は気づいてない)




