#120 エピローグ3
ようやく3章も終了です!
長かった……主に更新が遅いせいでボソッ
さて次からは4章となります、どんな展開になるのかお楽しみに!!
百十二話です!よろしくおねがいします!
「クソっ……!あんなに強いとは……ラディのやつめ…聞いてないぞ!!」
暗い廊下をボロボロになったオニオがよろめきながら歩く。
当然ながら『六仙』の中にも強い弱いは存在し、オニオはあまり戦闘───特に接近戦闘は苦手の部類だった。
それでもオニオはカフを相手取れるほど強いのだが、あまりにもハヤテが圧倒的過ぎたのだ。
「おやおやヒッヒッヒ……やけに荒れているじゃあないか……オニオ君」
オニオがハヤテに対する不満をボソボソ呟いていると廊下の更に奥から白衣を着た男が歩いてきた。
「Dr.チェアか………」
「なんでもラディ君を殺したらしいじゃあないか?困るよぉあの子はカガリを運用するために有効活用していたのに」
Dr.チェアはカラカラ笑う。
彼は口先では惜しそうに話しているが実情はそうではない。
「何を抜かしますか。やつを葬れと指示したのは貴方です。私はその引き換えの条件に乗り、実行したに過ぎません」
「ヒッヒッヒ……許せよ。ほんの冗談だ」
白衣の男は不気味にカラカラと笑い続ける。
「あぁ…そうだ……ラディ君亡き今、君にカガリとフェンリルを預けようと思うんだがどうだい?」
「ほぅ……報酬とは別に……ということだな?」
「あぁ……当たり前さぁ。この鍵を持っていきなさいな。彼女ら………いやあの化け物どもを収監している部屋の鍵だ」
Dr.チェアはポケットからカードを取り出すとオニオに渡した。
「ふん…十分です。では失礼」
「ヒッヒッヒ……」
オニオは再び歩きだし、やがて暗闇の中に消えていった。
「さて……私の計画に乗ってくれてありがとうなぁ……オニオ……」
Dr.チェアは誰もいない廊下で不気味にクツクツと笑った。
───────────
「────っ……!」
バサリと布団をひっぺ返しておいらの意識は覚醒した。
なんだか悪い夢を見ていた気がして背中から染み出る汗の量が尋常じゃない。
おいらはその嫌な感覚を振り払うように体をねじるとようやくベッドに寝かされていることを確認する。
「おいら………は………」
汗を拭いながら窓の外を見る。
すっかり日は落ちていて部屋の中は明かりが最小限ともされているので薄暗い。
「そっかぁ…おいらあの後倒れちゃったんだ」
全身を倦怠感が襲い、まぶたが少し重い。
間違いない。このしんどさは『ファントムサモナー』が解除された時の感覚だ。
ふと足元を見るとベッドに頭だけを乗せて寝息を立てている第2王女さん……ダーナさんがいた。
「……???」
なんでここにダーナさんがぁ?
思い当たる節があるような ないような ないような あるような……
かなり深く眠っている様なのでおいらはゆっくり足を抜いてベッドから降り、ダーナさんを寝かせて毛布をかけると周囲を確認するために部屋から出た。
部屋から出ると部屋の扉に保健室と書かれていた。
どうやらおいらが倒れた後に皆が王宮から学園の保健室に運んでくれたらしい。優しいなぁ。
「うっ……喉カラカラだぁ…」
随分長い間寝ていたのか喉の渇きが酷い。
おいらはまだフワフワした感覚のする頭を覚ましながら水がある水回りの方に向かおうと足を向ける。
しかしそこでおいらは気がつく。
「あ、保健室って水飲めたっけぇ……?」
保健室にとんぼ返りしたおいらは水分を補給してさっきまで寝ていたベッドの近くにあった椅子に腰かける。
窓から差し込む月光に照らされたダーナさんを見ると彼女の首に絞められかけた痕がまだくっきり残っていた。
「うっ……うぅぅ……」
するとダーナさんが苦しそうに唸る。
「………大変だったねぇ」
おいらは複雑な気持ちになる。
けんど、苦しそうな姿をずっと見ていられるわけもないからダーナさんの頭を優しく撫でる。
するとうなされていたダーナさんは安心したのか再び静かに寝息を立て始めた。
「………キミにも色々あったんだねぇ」
正直おいらは彼女に裁判で吐かれた暴言の数々を許したわけじゃない。
あの時はほぼ放心状態で聞いていたのもあってすっごく傷付いたとかそう言うわけじゃないけどこういうのはしっかり謝ってもらってから許した方が良いって料理店『ハシツル』の店長さんに教えてもらっている。
だけど……おいらや第3王女ちゃんを逃がそうとしたあの時のダーナさんの目は本当に助かってほしいという意思が見えた。
彼女が何故おいらを糾弾したのかどうかは分からない。
だけど今はそんな前置き無しにしておいら達を守ろうとしてくれたダーナさんをちゃんと休ませてあげたいと思った。
よくよく周りを見るとおいらの傷の手当てをしたらしき跡が沢山あった。
多分全部終わって疲れた状態でおいらを看病している途中に寝ちゃったんだなぁ。
おいらは少し散らかった包帯などの用具を片付けようと腰をあげたとき。
「いか……ない……で……」
ふいにダーナさんがおいらの手を握る。
振り替えると目を閉じ、こちらを見ていないからどうやら起きているわけじゃないみたい。
「………誰も………失いたくは…」
さらに続けてうなされるダーナさんを見たおいらが離れるハズもなく、おいらは朝日が昇るまで彼女の手を握っていた。
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