#11新たな一面
十一話ですよろしくお願いします
「学園祭?」
おいらは昼休み、カフくん達を撒いた後、クレア先輩のところへ行っていた。
「そうよ、1ヶ月後に開催されるこの学園の一大イベント。先生から知らされて無かったの?」
おいらはそう言われて少し記憶を掘り起こす。
あれ、今日の記憶があんまりないや
「アンタ、ほとんど寝てたじゃない。授業は何とかアタシが起こしてたけど」
「あ、そうだった。バイト疲れが酷かったかんねぇ」
「レイン君………」
心なしかクレア先輩の目が痛い。
だから成績良くないのではと思われてそうだ。
「ま、まぁそんなことよりも。おいら、その学園祭ってやつはどんなんか分からねぇんだけんど、どんな感じなんですかぁ?」
「模擬店とか、ステージとか、アトラクションとかを自分達で用意して国の人や他の生徒に楽しんで貰うイベントよ。」
「小さい祭りみたいなもんなんだねぇ」
おいらはそう関心しながら狸をあやしていた。
クレア先輩に撫でさせてあげるためだ。
「きゅぅぅう……………♡」
うん、すっかり腑抜けたね。
おいらはクレア先輩に狸を渡す。
「きゃわっ………きゃわわわ!!」
クレア先輩は謎の鳴き声を出しながら狸を撫でまわす。
狸の方は既に気絶のような状態らしく、何も感じないようだ。
「もふもふー!!もふもふー!!」
普段長い黒髪の容姿端麗、博学秀才、運動神経抜群の完璧超人なクレア先輩も動物と戯れているときは子供でも倒せそうなほど無防備だ。
だから気付かなかった。この後の展開に。
「あっれぇー☆後輩クンとクレアちゃん?!」
テンションの高い声においらが振り向くと、予想通りリオンさんが立っていた。
「り、リオンさん…………」
クレア先輩が固まってる。
リオンさん曰く、この二人はクラスメイトで生徒会役員とギャルと言う相対しそうな二人だが意外と仲が良いらしい。
「クレアちゃんって動物好きだったんだねぇー☆」
「く、くぅぅぅう!!穴があったら入りたい……………」
リオンさんが来たことによりクレア先輩は恥ずかしさで大人しくなってしまった。
狸は今おいらの膝の上にいる。
「にしても意外ねぇ、アンタ達が同級生で仲が良いなんて」
「あれれ~☆もしかして、あたしぃ達が仲良くてヴァイスちゃん嫉妬しちゃってる~?」
「ええっ!?そ、そんな………私はヴァイスちゃんのことも大好きよ?」
「違うわよ!勝手に勘違いするんじゃないわよ!!」
なるほど、ヴァイスも二人と仲良くしたいんだねぇ、うんうん。
「ねぇヴァイス?」
「ん?ご主人?何よ」
「もし二人とお友達になりたいなら、おいらも協力するよ!」
おいらはビシッとサムズアップを決める。
すると、ヴァイスの顔がどんどん赤くなり、体から魔力が溢れはじめる。
「だから勘違いするんじゃないわよー!!!!!!」
ヴァイスの声が轟いた。
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