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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第三章 白の陰謀と黒の愚策
102/201

#101 裁きのはじまり

送れました、受験が忙しいんです(言い訳って良いわk)


空いていた間も見てくださったかた、ありがとうございます!百一話です!

ネリック王国というのは周辺の国々の中でも歴史が深い国であり、国名が変更される前を含めれば世界で二番目に古い国だ。


故に国内での権力争いには陰謀や政治的戦略が飛び交う。当然のことだ。


しかし、その権力闘争は一般人にはあまりにも醜く、あまりにも強烈だ。


3000年前、ネリック王国のもととなったクローズ共和国が建国されてから今に至るまで多数の政治的弱者が権力者たちによって潰された。


これに対して王国の顔を担う王家はネリック王国に4つある特別な血統が流れる家系の1つで、特色としてリーダーシップがずば抜けていて常に国の安泰を目指す。

そんな一家であるから、彼らは代々、この醜い権力争いを国の大きな課題の1つとして取り組んできた。


そんな王家に先日、電撃のように次の報せが走った。


『カランコエ·レイン、国家反逆の疑いで逮捕』






「うむ………どうしたものか………」


少し薄暗い部屋の中で頭を悩ませる一人の老人がいた。

左手に1枚の報告書を持ち、顎を右手でなでながら険しい表情をしている。


老人が灯火のもとでしばらく悩んでいると部屋の扉がキイと音を立てて開く。


「少し、無理をしすぎではありませんか?もう部屋に籠って4時間ですよ」


老人よりも少し年下の女性が入室し、机に水の入ったコップを置く。


「うぅむ、すまないな。裁判のことで少し………のう」


「カランコエ・レインですか」


「あぁ」


老人はかけていた眼鏡を外し、手に持っていた報告書を机の上に置く。


「ワシとしては“あの村の者”が意図的に破壊行動をしたとは思えん。報告にあった彼のつけていた『ファントムサモナー』と呼ばれる魔道具。」


「それはやはり………」


「うむ、伝承から見ても……近づいておるのだ。この王都を震撼させる脅威が。」



「ならばその脅威を退けるためにも彼のような力がいると言うことですか」


「そうだ、8年前のあの事件の時。騎士団は一度完全解散し、再編成を行ったがそれ以降幸いにも戦争が起きなかった為か我が国の戦力は著しく低下した。」


老人は椅子にかけてあった重厚な上着を羽織い、腰を上げる。


「この前から国立学園を頻繁に襲っている謎の怪物、彼らは『モストロ』と呼んでいたらしいが、あれがいつ王都に侵攻するか分からない。」


「そうですね、仰る通りです」


頷く女性を見た老人は、うむと一言相づちを打って扉を開く。


「では行くか」


「ええ」


二人が扉を開き、広い廊下を歩いて大きい両開きの扉をそばに侍っていた騎士に開けさせる。


開かれた先には赤い絨毯が敷かれており、その両サイドに武官らしき者と文官らしき者そしてその後方に大人数の騎士が立っていた。


絨毯の先には大きく立派な固定式の椅子が二つおいてある。


その椅子の前には6段の階段があり、4段目のところに小太りの男が立っていた。


「入場、入場、総員頭を垂れよ!」


小太りの男がそう言うと、絨毯の両サイドにいた者達が全員跪く。


老人と女性はその絨毯をゆっくりと歩き、階段を上り、椅子に座る。


そして老人が厳かな声で頭を上げろと言うと全員が一斉に立ち上がり老人の方にへそごと体を向けた。


そして小太りの男が高らかに宣言する。


「国王陛下、王妃殿下がご入場されたことにより、ただいまから罪人カランコエ・レインの裁判を開始する!」


老人は国王で女性は王妃だったようだ。


その宣言と同時にすぐさま裁判所の設置が開始され、ものの10分程で完成した。


そして、扉の奥から手枷を付けられたレインが騎士と共に歩いてくる。

レインは雑に地面に放り投げられ、手枷が床と鎖で繋がれる。


その後からぞろぞろと裁判官らしき者が入場し、ネック王国国立学園の生徒会やレイン組のリーダー格、ほかにも学園の関係者らしき者達も入場する。


そして最後に身なりの良い青年と青年より少し年下の少女、そしてまだ8歳ほどの少女が入場し、玉座の付近に立つ。


そして国王が厳かに宣言した。


「国王、ネリック・クロム・キングプロテアの名において宣言する。これより王前裁判を行う」

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