#100 天地の一室で
ようやく時間が出来ました…………
この原稿の80パーセント位は二週間前に書けてたんですが、色々重なってなかなか時間が取れませんでした(言い訳)
また間が空くと思いますがゆるりとお待ちください。
百話突破!これからもよろしくお願いします!
カチャカチャと食事を進める音が、部屋の中に重苦しく響く。
ラディ達6人が集まって食事をするときは決まって前菜が食べ終えるまで口を開かない。
そう、集まったのは6人である。
この晩餐会は『六仙』が一同に会する唯一の機会だ。
しかし、先の襲撃で現れたオニオが居ない。
そして、オニオを含めると6人ではなく7人になってしまう。
これには理由があるのだが、それはおいおい分かるだろう。
前菜をいち早く食べ終えたハザックは静かにナイフを下ろすとラディを一睨みする。
「ラディよ、お前はこの間の作戦で随分とやられたと聞いたが、相手はそんなに強かったのか?」
ラディはそう問われると、急いで前菜を頬張り、飲み込む。
「んぐ…………チッ、あれは元より奴らを足止めするために戦ってたんだ。同時に通信魔法の妨害もしていたし、仕方ないだろ」
「だが、足止めするだけの価値があったということだろう……?」
「…………チッ」
ラディは舌打ちすると、頬を手のひらに乗せてふて腐れる。
「まぁまぁ、いいじゃありませんか、彼も頑張っているのです。そこは認めてもよろしいのではないですか?」
オズキが綺麗な所作で口を拭きながらハザックを宥める。
「なんだか嫌悪な感じー?どうするレカムー」
「踊る踊る?ダンシングなコミュニケーションしちゃうー?アングー」
双子もおどけたようにひらひらと舞う。
「そう言えばオニオがいないね、彼はどうしたんだい?」
「オニオさんなら遅れるようですが……おっと、いらっしゃったようです」
扉が静かに開き、オニオが入ってくる。
「失礼しました。少し用事があって、遅刻してしまいました」
「お気になさらず、では席へどうぞ」
オニオは促されるままに席に座る。
席は6席だが、レカムとアングが一緒に座っているためこれで丁度だ。
「さて、改めまして。悪魔会議を始めましょうか。」
最上階の部屋を暗く覆っていたカーテンが一斉に開き、明るい月明かりが差し入る部屋で悪魔達の会議が開かれた。
様々な言葉が飛び交い、夜が更けていく。
朝日が昇り始める頃に、彼らの会議は終了し、各々が元の居場所に帰っていく。
一人残ったオズキが纏まった資料の端を揃える。
「いやはや、これはこれは楽しい戦いになりそうですねぇ………」
オズキの持つ資料の一番上には『王都大襲撃作戦』と書かれていた。
オズキはその上から承認の印を押すと、ニヤリと笑いながら暗闇に消えた。
王都の騎士団本部地下、超危険人物収容所にたった一人入れられたレインは、ぼうっと牢屋の天井を見ていた。
今日の正午、レインの命運をかけた裁判の第一幕が行われる。
今のレインは何も持っておらず、唯一手から離れなかった『ファントムサモナー』のみが怪しく光るだけだ。
レインの心はぐちゃぐちゃになっていた。
いきなり決まった己の裁判。
戦いで何も成せない虚無感。
改めて感じた敵の脅威。
そして、謎の力による暴走。
まだ年端もいかない少年の心を抉るには十分な出来事が、ここ数日で連続して起こってしまった。
今のレインにはあの勇者アレックスと戦ったような覇気はない。
道端にいれば誰も気に止めず過ぎ去るような無力な少年になってしまっていた。
牢屋の脇を通る直径1センチもない水路から流れ出る下水の音だけが虚しく響いていた。
アコン・アスター(アコン教官)
種族:人間
年齢:35歳
性別:男
階級:教官(王国公認指導教官)
推定戦力:A-
適性:拳士
主な職業:教官、臨時兵士長
主な能力:特殊能力『神威』
主な使用武器:拳、メリケンサック
特技:コサックダンス
趣味:息子とのキャッチボール
※臨時兵士長………王国の存亡が掛かっているような状況(例:騎士団壊滅、王都炎上、王国崩壊)に必要があれば兵士、騎士を率いることが出来る役職。
主に軍隊や騎士団で大将もしくは団長クラスになった者に与えられる。




