#10朝のルーティーン
お、遅れた
日常パートその2です。
次回からは物語が進むはずです。
十話です、よろしくお願いします
料理店のバイトには遅刻した次の日。
おいらは郵便のバイトをしていた。
当然、ヴァイスはおいらの肩に乗っている…………が、そろそろ降りてほしい。何故かと言うとおいらは今全力で走っているからだ。
「ね、ねぇ?ヴァイス。後何軒?」
「あと………20軒ね、後少しよ!」
ヴァイスの特訓の一貫でおいらは走って郵便配達をしていた。
いつもは大きめの犬『ハシットルン犬』を郵便側が貸してくれるのだが、ヴァイスが体力付けの為に走って届けろと命じたのだ。
「はぁ、はぁ、き、きつい…………!!」
「帰ったら正拳突きの素振りね」
「ひ、ひぇぇええええ!!」
朝の街においらの声が木霊した
「よっ!ほっ!」
「………」
「てっ!やっ!」
「………」
「せい!やぁ!」
く、空気が重いよぉ。
ヴァイスはおいらを真剣に見て、ダメなところを探してくれている。それはありがたいんだけんど、中々に空気が重いなぁ。
「てぃ!!」
「少し重心がズレてるわ、もっと踏み込みなさい」
「う、うん」
なるほど、もう少し踏み込むのか
「せぃっ!!たぁっ!!」
「もっと踏み込んで」
「えいっ!!でぁっ!!」
「もっと!」
「でぇい!!でりゃぁっ!!」
「もっと!!!!!」
いつもよりも多く素振りをしたおいらであった。
素振りを終えて支度をし、学園に行く。
特にこれといったものもなくクラスに辿り着く。
「アニキ!舎弟にしてくだせぇ!!」
…………どうしよぉ、助けてヴァイス!
「頑張りなさい」
肩のヴァイスは小声でサムズアップを決める。
違うんだ、おいらが欲しいのは送り出す言葉じゃ無いんだよぉ
「えーっと………舎弟を取るとかはあんまりおいらのキャラじゃな──」
「いえ!俺達は一生アニキに着いていくと決めたんです!!」
「えぇー………」
おいらが彼らに手を焼いていると勢いよく教室の引き戸が開いた。
「あっれぇー☆後輩くん困っちゃってるかんじぃー?」
「その声は、リオンさん?!」
なんと!バイト先の後輩のリオンが入るではないですか!
「学園ではあたしぃの方が先輩なんだぁ~☆よろしく~☆」
し、知らなかった。年上なのは分かってたけど同じ学園にいるとは………!
「ちなみに後輩くん☆何に困ってたの~?」
「この子達が舎弟にしてください、って言うんだけんど、おいら、そういうのはあんまり得意じゃなくてねぇ」
「なるほど☆あたしぃにおまかせ~☆」
お、おぉ!頼もしい!
その後おいらはその言葉を聞いたことを後悔した。
何故なら
「はは~☆これ以上後輩くんに手を出さないでね~☆」
しつこい彼らをリオンさんはフルボッコにしたんだぁ。
ちなみにフルボッコにされた彼らは更にアプローチが強くなった
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