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自分の小説の世界に転移した

中一の素人が書いたものなので、期待せずに読んでください。


カタカタカタ…


キーボードを叩く音だけが部屋に響く。

「はあ…。」

思わずため息をつく。

「いつまでこんなことしてんのかなあ…俺…。」

俺は後藤柚希ごとうゆずき。十七歳。学校には行ってないが、高校生だ。

だが、仕事はしている。小説家だ。

と言っても、金はもらえない。当たり前だ。面白くないのだから。

webサイトで小説を書いている小説家は、面白い小説を書けば、ちょっとした賞をもらい、そういう感じのきっかけでデビューしたりする。

しかし、面白くない小説を書けば、誰にも評価されず、挙句の果てには叩かれる。俺の場合は、後者だ。

「何が駄目なんだろうなあ…。」

今までに五十回は言ったであろう台詞を口に出す。

自分ではなかなかの出来だと思うが、世間から見ると面白くないらしい。

ちなみに、俺が書いている小説は異世界モノ。ステータスが底辺な、最弱勇者の主人公が魔王を倒す物語だ。

タイトルは、「劣等勇者の下剋上」。

…。我ながらよくありそうだなと思う。

「いっそ、作品の世界に行けば、何が悪いのか分かるんだろうけど…。」

学校に行ってない俺が言っていい台詞ではないが、俺は馬鹿じゃない。そんなことはあり得ない。

「さて、トイレにでも行くか。」

そう言って、椅子から立ち上がった瞬間、

   カッ!

「!?」

パソコンが急に光ったのだ。

「何何何!?」

逃げなければ、そう思いドアへと急ぐ。

なのに、なのに、何で、

「何で前に進まないんだよ!?」

そう、いくら走ろうとしても、体が全然前に行かないのだ。それどころか、後ろに下がっているような気もする。

「ちょちょちょ!ちょっと待って!」

その叫びむなしく、俺の体はどんどんパソコンに近付いていく。

「いやだああああああ死にたくないいいいいい!!!」


スポッ


ん?

おかしいな、なんか俺の足がパソコンに埋まってるように見えるんだが。

ははは、おいおい後藤柚希、そんなわけないだろ。見間違いに決まってる。

ゴシゴシ (/ω・\)チラッ


ズズズ…


「うわああああああ見間違いじゃなかったあああああ吸い込まれてるううううう!!!」

ああ…母さん…親孝行できなくてごめんよ…。父さん…これからも仕事頑張ってね…。

さようなら…友よ…。(いるとは言っていない)

やり残したこと色々あるなあなんて思っている間にも、どんどん飲み込まれていく。

死因がパソコンって…まあ俺にしては言い死に方なんだろうな。

ついにに頭まで飲み込まれ始めた。

いよいよ終わりか…。


じゃあな、現世。


                      ***

さわやかな風。

青い空。

どこまでも広がる草原。

そこに、少年はいた。

「ん…。」

目を開ける。

「…まぶしい…」

目を開けての第一声がそれか、と心の中で自分にツッコミを入れる。

「そうだ…パソコンに吸い込まれて…って、ここどこだ?」

見た感じ、近所ではないよな。

だったら天国かなんかかなーなんて思っていたら、


(聞こえますか…。)



(聞こえますか…。)


??

声が聞こえる。だが、周りには人はいない。ならどこから声がするのだろう。


(いま、あなたの脳内に直接語りかけています…。)


ファ●チキ下さい。などと言ってる場合ではない。

とりあえず、俺は今起きたことを整理することにした。もしかしたら声が聞こえる理由が見つかるかもしれない。


・パソコンに吸い込まれた。

・知らない場所に(おそらく)飛ばされた。

・ファ●チキ下さい。


………?


(落ち着いて聞いてください…。)


いや、お前のせいで落ち着けないんだが。まあいい。ただでさえ訳わかんないことになってるからな、この際、もう何でも信じよう。 


(あなたがいるこの世界は…、)


うんうん。


(あなたが書いた小説の世界です…。)


うん?


(ですから、「劣等勇者の下剋上」の世界です…。)


…。


(これからあなたには、この世界を救って頂きます…。)


…もう…やだ…帰りたい…。

何か感じたら、評価の方お願いします。

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