第二十七話 かあちゃんは魔法の力に畏怖する
少し長めです。
家へ戻ると、荷車に積まれた麦を見て、みんなも大いに喜びはしゃぎ回った。
ただしこれは種麦になるので、今は食べられないことを告げた時にはがっくりと落ち込んでいたが、種麦が無いと来年困るということは小さい子たちまで理解していてすぐに納得してくれた。
今まで苦労かけてきたせいだね。ごめんね。
「ねえ、バズ。大麦はいっぱいあるから少しなら食べられない?」
期待させるといけないので、小声でバズに聞いてみる。
「うーん。小麦に比べたら倍以上あるし、少しなら。でも、ここには道具が無いから、脱穀とか大変だよ。どうする? 皮の手袋とかが無いと手で摺るには棘が刺さるし、叩いてもいいけど」
「そうか。畑をやるならいろいろ道具も揃えなきゃいけないよね。魔法では知らないものはイメージが出来ないから作れないんだよ。皮の手袋か……。材料が無いと一発で魔力枯渇起こしちゃうし」
「まあ、農業は来年からだから、冬の間に教えるよ。それで考えよう。狩りが出来るようになれば皮も手に入るしね」
バズが前向きな意見で慰めてくれる。
「うん、そうだね。ありがとう。道具は作れないけど、今日食べる分は魔法で脱穀も籾摺りもしちゃおう」
「え? どういうこと?」
木を木材やオガクズに変えるように、麦を藁と実と籾殻の状態へ作り変えればいけそうな気がする。
そんな説明をするとバズはすごくびっくりしていた。
「魔法ってすっごいんだな……」
バズからこれだけ使っていいよ、と分けてもらった分を今晩の夕食にする。
他の麦は急いで干さないといけないらしい。乾燥させておかないと、来年芽が出なかったり、虫に食われたり、傷んだりするそうだ。
家の前に物干し台のような物を土魔法で作る。その竿にあたる部分に、さっき束にした麦を割って掛けておけばいいということで、そちらはみんなに任せて私は脱穀をやってみる。
上手くいくかわからないので、まず一束を手に取り、この部分は藁になる、この部分は麦と殻に分かれる、と麦を見ながらイメージする。
乾いた麦わら、皮が剥けてツルッとした麦の粒、風に舞うような剥けた籾殻、個々のイメージも固めたところで、
「創造・脱穀」
と唱えると、目の前の地面にそれぞれに分かれた麦が置かれていた。
取り敢えず成功。
MPの消費は、作りたいものの数、この場合、藁、麦、籾殻で三個なので、八十二の三倍の二百四十六かかるみたい。
麦一粒につき八十二だったらどうしようもなかったから、まあ良かった。塩やオガクズだって一粒あたりじゃないもんね。
そこで鍋を二つ持ってきて、一つに麦、一つに籾殻を入れる。藁は地面でいいや。
バズにもらった残りの麦を全て脱穀する。
さっきと同じようにきちんとイメージして魔法を発動すると、それぞれがちゃんと分かれて収まっていた。
麦わらは川で作った大きな袋に入れておいた。籾殻はもう少し小さい袋を倉庫の葦で作って入れた。
そして麦。お鍋三つに分けて水に浸しておく。
後は土魔法ですり鉢、すりこ木を三つずつとおろしを作った。
今日はルーシーが見つけてくれた山芋があるんだ。麦を炊いてトロロにして食べようと思う。米が無いのが本当に残念だけど。
ドングリ茸と白菜モドキで出汁もとっておこうと鍋とかまどをもう一つ作った。
干しドングリ茸をきれいにして、水を張った鍋に入れておく。
取り敢えず下準備はこれくらいかな? あ、薬味にアサツキを……と思い、この間作ったアサツキ畑(折り紙大)へ行くと、わっさーと生い茂っていた。
あれから料理をユニとルーに任せっきりだったから気が付かなかったけど、二日でこんなに育つっておかしくない? ちょっとバズに相談してみようと思った時、
「あ、おサルさんがまたいるお」
ピノの言葉にみんなが沸き立つ。
マリーが近付いてきて、
「あの辺りから近付いては来ないんです」
と教えてくれる。
近付いては来ないけど、こちらが気になるようでジッと見ているらしい。
やっぱり結界の中に入れないんだな。
ギリギリまで近付いて読心を使ってみる。
『こいつら、ずっとここで暮らすのかな? 今日も美味いもの食ってんのかな? あ、今日はこの間のちっちゃい奴がいる』
そこへルーがお皿に果物をのせて持ってきた。梨だね。食べやすいように切ってあげてる。
そして、おサルから少し離れた広場の外にお皿を置いて戻ってきた。
「このくらい離れていれば食べに来るかな?」
『あれ? なんかくれるのか? もらっていいのか?』
おサルがこちらを気にしてるので、ニコッと笑って頷く。
「来ると思うよ。静かに見てよう」
みんな息を飲んで見つめている。おサルはそっと近付いてきて、梨を食べ出した。
『うわ、美味いなあ。この辺には無い実だ。あいつら、いつも美味いもの食ってていいなあ』
パクパクと食べ進んで、あっという間に空になった。
『……これ、オイラ?』
お皿の絵に気付きジッと見てる。
キティが、
「おサルさんのお皿だよ。また明日も来てね。おいしいものわけてあげるから」
と声をかける。優しい声と笑顔で言葉はわからなくてもなんとなく気持ちが通じたようだ。
「キキッ」『ありがと、また来るよ』
そう言っておサルは帰っていった。
「昨日もあんな感じで、食べ終わるといなくなっちゃうんですよ」
と言うアンに、
「ありがとう、また来るよって言ってたよ」
と伝えると、子供たちから歓声が上がった。
「へえ、頭の良いサルなんだな」
「私たちにイタズラした時と大違いだね」
「やったー、明日も来るって!」
「やったー!」
麦干しも終わったと言うので、ジェフにかまどに火を入れてもらった。
それから、今日採ってきたものをしまっておいてもらうように頼んだ。
ドングリ茸の鍋には白菜モドキも入れて火にかける。麦の鍋は水加減を見て、火加減にも注意して蓋をして炊く。
山芋は皮を剥いてすり鉢にすりおろしていく。大きな山芋なので、三つの鉢にたっぷりとある。
濡らした手拭いの上にすり鉢を置いてゴリゴリと摺り始めると、ユニとルーがやって来て手伝ってくれる。三人並んでゴリゴリゴリと山芋を摺る。
「しんどくない? 腕が疲れるでしょ?」
「ううん……まだ……だいじょぶ」
「うう……うん。まだ……やれる」
かなり大丈夫じゃなさそうなんだけど。
出汁が煮立つ前に塩で濃いめに味を整え、火から下ろさなきゃ。麦もグツグツして噴いている。そろそろ火から下ろす頃合いかな? 山芋も大分摺れてきたのでそろそろ解放してあげよう。
「先に果物を用意しよう。今日はトロロと果物でいいかな? 二人みたいに手が込んでないけど」
「いいよ、いいよ。山芋は栄養たっぷりだもんね」
「うんうん。果物美味しいもんね」
よほど山芋摺りがしんどかったのか、パアッと笑顔になった。
鍋の方をやってしまってから、梨やアケビ、リンゴを食べやすく切っていく。
「果物や野菜も干さなきゃね。栗と落花生も火通ししたいし。このアケビの皮も実を食べたら洗って干しておこうね。煮物とかに出来るから」
「モモは食べ物に詳しいね。山芋を摺るなんて知らなかった」
「この果物は見たことないよ」
アケビは初めてらしい。
「うん。食べ物の勉強もいっぱいしたよ(前世でだけど)。皮を剥いたり切ったりして干すのも一仕事だけど、一緒にやってくれる?」
「もちろん!」
「うん! いろいろ教えて!」
ああ、かわいい。娘と立つ台所楽しい。
「じゃあ、山芋、もうひと頑張り摺るよ」
と言ったらあからさまにがっかりした。
「ユニは鉢を押さえて、ルーはお玉で少しずつ出汁を入れてくれる?」
私がゴリゴリ摺ってるところに少しずつ出汁が足されていく。
「交代でやろうよ」
ユニとルーが言ってくれた。あんなに大変そうだったのに優しいね。
そうして三鉢分、交代で頑張ってゴリゴリしてトロロが出来上がった。
残ったお出汁は水で薄めて、もう一度火にかけ刻んだ野草を入れる。
一つ様子を見るために麦の鍋の蓋を開けてみると、ちょうど良く蒸らされていた。ムワッと湯気が立ち、麦の匂いが香る。
「あっ麦だ! 麦炊いたの?」
「すごい!」
ユニとルーの喜ぶ声にみんなも集まってきた。
「さあ、ご飯だよ。準備手伝って」
「はーい!!」
トロロ用とスープ用にボウルがもう一つずつ欲しいな。しゃもじも作らなきゃ。
「ちょっと食器を作ってくるから、薬味にアサツキを刻んでおいてくれる?」
ユニとルーにお願いして気付く。
あ、畑! 忘れてた! まあ、今は食事が先だ。昼抜きでお腹すいてるし、待望の麦だし。
大急ぎで倉庫に行き、木のボウル十四個と木のお皿三枚、しゃもじを三つ作り出す。
トロロと麦の土鍋は下に濡れふきんを敷いてそのままテーブルへ。他にも濡れふきんを人数分用意しておく。果物は皿にのせて、スプーン、フォーク、水も並べてもらい、スープを配る。アサツキも三つのお皿に分けて取りやすいところに置く。後でのお茶用に熾火に土瓶もかけておく。
よし、準備完了! 私もテーブルに着いて全員揃っているのを確認した。
「みんな、今日も頑張ってくれてありがとう。今日は麦を見つけられたよ。あれを種にして来年は畑仕事が出来るようになる。嬉しいね。大事な種だけど、少しだけ今日のご飯に使わせてもらいました。大麦だけど久々の麦でしょ? ルーシーが林で見つけてくれて、バズが魔法で採ってくれた山芋と一緒にいただきましょう。明日からも元気いっぱい頑張れるよ。では、いただきます!」
「うわーい、いただきます!!!」
みんなの前で土鍋の蓋を開けると、ムワッと湯気が立ち、キャーッと喜びの声が上がる。
しゃもじで起こし、ボウルに盛り付け、トロロをかけてアサツキをパラパラと散らす。
「山芋は口のまわりに付くと痒くなるから、付いちゃったらすぐ濡れふきんで拭いてね」
と注意しながらみんなへ配っていく。
大麦の量は一人分にしたら、ボウルに半分程しかないけど、トロロがかさ増ししてくれる。
「うわあ、美味しい」
「こんな食べ方初めて」
ドロッとしたトロロを嫌がる子がいなくて良かった。みんな喜んでくれてる。
私も食べてみると、採れたての山芋は甘くて、大麦は噛むとプチプチした食感がとても楽しい。
ふっくら炊き上がったので、量は少なめでも腹持ちよさそうだし。
この粒々感を出汁のきいたトロロでズズッと食べるのは格別に美味しい。
早くパンも食べさせてあげたいけど、今はこれで我慢してね。
フルーツもアケビはとろっと甘くて、梨は瑞々しく、リンゴは甘酸っぱくていい香り。
残りのお出汁で作ったスープも白菜モドキとドングリ茸の合わせ出汁がきいてるところに野草のちょっと苦いのがアクセントになってていい。
みんなも美味しい、美味しいと言ってくれて、あっという間にお皿は空っぽになった。
今日もアンとマリーがお茶を淹れてくれて、食後ののんびりとした時間を楽しむ。
今日はみんな何をしてたか、麦を見つける時どんな風だったか、お互いに話し続ける。
「明日はまた早起きして森に出掛けちゃうけど、みんな大丈夫かな?」
「はーい!!!」
お留守番組のみんなも三日間何事もなく過ごせたので自信がついたようだ。
「ジェフたちも連日だけど大丈夫?」
「ああ、今日はさすがに疲れたけど、家に帰ってきたらなんか元気になったし」
「うん。私も」
「僕もだ」
と探索組も元気そうだ。
「でも、今日は早めに寝ようね。と言うわけでお片付けして魔法の練習しようか?」
みんなが、わーいっ! と喜ぶ。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした!!」
そうして夕食の片付けをして、干し野菜をしまい、かまどの火を確認してと、いつもの夕方が過ぎていく。
アケビの皮は、明日ルーたちが干しておいてくれる。
寝る準備を済ませた子供たちが居間に集まってきた。
ステータスを確認して、みんながお互いの成長を実感しあう。全員MPが三十を超えているので、そろそろ魔力の扱いもやりやすくなっているはずだ。
訓練もみんな一生懸命頑張っているので上達が早い。
「では、今日も頑張りましょう!」
と昨日と同じように訓練を始める。
マリーには身体強化の練習を教えた。手に集めることは充分上手くなっていたので、足に纏わせる練習だ。
「マークとバズも手に集めるのが安定して出来るようになったらこっちの練習にするからね」
と言うと、俄然やる気を出していた。
他の子たちも魔力が増えてきたことで、昨日よりも格段に上手く扱えるようになっている。
最初にユニとルーが光を発することに成功し、ルーシーも出来るようになった。
「風の流れを感じたら、魔力の流れも掴めた気がするんだ」
とルーシーが嬉しそうだ。
コリーも負けじと、
「オレは火属性なんだから、パワーが集まって燃え上がるイメージをしてみよう」
と自分なりに考えて頑張っている。
小さい子たちも純粋な気持ちで自分と向き合っているので、魔力の流れがとてもスムーズになってる。
その時、マリーがピョンッと高くジャンプすることに成功した。
「モモ! モモちゃん! 出来ました!」
「うん! すごいよマリー! 上手く纏えてる。今度は体中に纏ってみて。今日は新しい魔法にも挑戦してみよう」
マリーは本当に嬉しそうに、
「はいっ! はいっ!」
と頷いていた。
運動が苦手だと言ってたから、余計に嬉しいのかもしれない。
その後、コリーも光らせることが出来たところで、今日の訓練は終わりにした。明日も早いからね。
まず、ユニとルーシーの二人は風属性なので二人まとめてレクチャーする。
「風の魔法、微風だよ。春の風のような、そよそよと気持ちいい風が頬を撫でるようなイメージで魔力を集めて呪文を言ってみよう。ルーシーから」
ルーシーが落ち着いて集中し魔力を溜める。
「微風」
気持ちの良い柔らかな風が居間を流れていく。
「うわあ、上手だよ。そのまま続けて」
ルーシーはしばらく風を吹かせ続けて、電池が切れるかのように力が抜けた。
「おめでとう、ルーシー。また明日ね。おやすみ」
「良かった。出来たよ、モモ。おやすみ」
続いてユニもルーシーの良いお手本があったので、上手く魔法を発動させた。
ちょっと力んだのかルーシーより短めで魔力が尽き、
「モモ、ありがとう。おやすみなさい」
と眠りについた。
ルーは水属性なので、いつもお留守番でアンが水を出しているところを見ている。
「任せて! 水よ」
と水瓶に半分程も水を出すことに成功した。
「すごいね! ルー! 良く頑張ったね」
「アンのこと、いっつも見てたから……。アンのおかげだよ……」
そう言ってアンににっこり微笑んで眠ってしまった。
コリーは火属性なので、ジェフが先に見本を見せると買って出てくれた。
「いいか? 手の平に魔力を集めたら、少し上に火の玉が現れるイメージだ。呪文は、火よ」
ポッと火の玉が現れて明るく燃えている。
「うん、わかったよ。魔力を集めて、手の平の上に……火よ」
ジェフより大分小さいが、ちゃんと火の玉が出た。
「コリー! おめでとう、出来たね!」
「モモ、出来たよ。ジェフ、ありがとう……」
火がだんだん小さくなっていきコリーが倒れる。
続いてジェフが火の玉に籠める魔力を大きくして、
「大分上手くなった気がする。また明日も頑張るぞ……。おやすみ、モモ……」
と力が抜けて眠った。
マリーには清浄の魔法を教えると、居間をきれいに清浄してくれて、
「モモ、私、どんどん魔法が使えるようになって……毎日、嬉しくて楽しいの……明日も頑張るね……」
そう言って眠ってしまった。
アンには新しく大きな水瓶を用意して渡すと、水瓶いっぱいに水を出すことが出来た。
「ああ、私も成長出来てる。嬉しいです……」
バズとマークも昨日と同じく灯と泥の魔法を使って眠りにつく。
小さい子たちも、きっともうすぐ魔法が使えるんだと嬉しそうにしながら魔力を放出し、眠りについた。
みんなの寝顔を見つつ、肌掛けを掛けて回った。
私もMPを消費して眠らなければいけない。今日はまだ六千近いMPが残っている。これだけあるなら、畑の魔法を試してみたい。
オガクズと籾殻を持って外に出て、消し炭穴にそれらを入れた。
「大地よ、その慈しみをもって、我らにお恵みをお与え下さい」
今回は肥料をきちんとイメージして、植物たちに栄養を……と、地の精霊に祈っている。
穴が光り輝き、五百程のMPと引き換えに土くれに見える肥料がたっぷり出来た。
次は一m×一mのサイズを目標に畑を作ってみる。
「大地よ、その慈しみをもって、癒しをお与え下さい」
ボウッと癒しの光りが地面に降り注ぎ、一m四方の畑が出来た。
さっき作った肥料を土に混ぜる。
大豆を持ってきてその畑に蒔き、軽く土をかぶせて、
「大地よ、その慈しみをもって、子らをお導き下さい」
みるみるうちに大豆から芽が出て、茎を葉を伸ばしていき、花が咲いた。MPは五百ずつくらい減っていた。
――魔法って、魔法みたいだな……。
あまりの奇跡のような光景に、考えが支離滅裂になっていく。
今度は三m×三mくらいのサイズで畑を作ってみると千くらいMPを消費した。
そこに肥料を混ぜ、サツマイモを持ってきて埋めていく。この手作業の部分が結構しんどいな。
また千くらいMPを使って成長促進の魔法を使うと、蔓が葉がぐんぐん畑を這っていき、白い朝顔のような花が咲いた。
なんかどうしよう……。
もう一つ一m×一mの畑を作り、肥料を混ぜ、トマトを持ってきて中の種を取り出す。乾燥もさせてないけど、それを蒔いてみた。魔法を使うと、それでもきちんと成長し、黄色い星のような花を咲かせた。
なんかもう、訳が分からなくなってきた。ふらふらと倉庫に行き、木材で立て札を三つ作り、それぞれに大豆、サツマイモ、トマトと転写し、畑に刺す。
あまりにも上手く行き過ぎな事態に頭がついていかないのと、魔力枯渇寸前で頭が回らないのとが混ざりあい、夢現な頭は考えることをやめた。
入り口を塞ぎ、居間に行く。
こんな時でも一応は気配感知をして周囲の安全は確認した。
横になり、眠ろうとすると、ふいに思考が戻ってきてブルッと震えた。
自分のやらかしたことが、大き過ぎる力が怖くなって。自然の摂理をねじ曲げる、魔法という力を軽い気持ちでも使えてしまう自分が恐ろしく感じて。肌掛けを頭からかぶり思考から逃げだそうとする。
ダメだ。考えちゃダメ。食料が増えるんだから良いことじゃないか。
うん。それでいいことにしよう。
なんだか疲れたよ。眠ってしまおう。
「ここは聖域なりて……」
私は魔力枯渇の力を借りて、無理やり気絶することで眠りについた。
今週は二話更新できなかった……
無理せず更新していきます。
応援よろしくお願いいたします。
(≡ε≡)




