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始祖の竜神と平凡の僕。  作者: 秋色空
四章:翠竜討伐編
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37.アルグランテ

一度、書き溜めてた内容が全部消えました……

お陰で書き直すハメに。大変だった……。

本日も二話投稿するかもしれません。

 僕達は宿場町を出て、漸く大街道へと繰り出した。六年前の旅でも小街道は通ったが、大街道は通ったことがない。僕一人の旅としてはあったが。そのために、ルカは小街道の数倍広い横幅でどこまでも続くような大街道に目を輝かせていた。


『アデル、すごい!』


 別に僕に対して言った訳では無い。勿論、大街道が、だ。僕はそのルカの言葉に頷く。確かに僕もそれは思う。小街道と大街道は全く違うのだ。大街道というだけあって、小街道とは比べ物にならないくらいの通行人がいる。東西の国を繋ぐ、この国で二番目に大きなこの街道。様々な人種の様々な国籍の人々がここを通る。


 さらに大街道には定期的に騎士達が滞在する駐屯所があり、大街道を見張っている。これは罪人や魔物を見張るという目的がある。


 大街道には宿が定期的に存在する。これは騎士や旅人が滞在するためにある。これは旅人が野宿にすることによって、騎士の監視の目を逃れることを防ぐためである。また、旅人同士の喧嘩沙汰を治めやすくするための対策である。


 お陰で僕達は野宿せずに住んだわけだ。僕達は数日、この大街道を歩いた。途中には僕達が六年前に通った、あの街道も横切った。水の女神の泉への入口があった、あの街道だ。懐かしい気持ちになりながら、過ぎて行った。


『アデル、ミシェルいるかな。』


 もう少しでアルグランデに辿り着く。ルカは念話で僕に言った。その気持ちは僕にも分かる。僕もミシェルには会いたい。そして……謝りたい。迷惑を掛けてしまったことを。両親を探すことを手伝えなかったことを。


 アルグランテにはミシェルの片親がいたようだが、ミシェルが果たして両親を助けたのか、それともまだ悩んでいるのかは分からない。全てはミシェルのみが知っている。


 その前に僕達には大切な目標がある。それは翠竜の討伐。これは簡単に辞めて良いものではない。既に被害者は沢山いるのだ。一刻も早く討伐しなくてはならない。そして、その翠竜を操っている者を止めなくてはならない。そして、ルカの声を元に戻す。


『アデル……?』


「あ、ごめん。」


『どうしたの?』


「少し考え事をしていただけだよ。それ良いとして、見えてきたよ。」


 僕は前方を指さす。ルカがそちらを見ると、そこには巨大な壁が見えていた。これはアルグランデを囲むようにして建てられている、巨大な外壁である。これは東の大都市であるアルグランデを外部からの攻撃に耐えるために建てられたものだ。


 僕達は門の前に並ぶ列の最後尾に並んだ。どうやら前で何かがあったらしい。前には数十人が並んでいた。列が前へ進み始めるのは時間が掛かったが、三十分経たない頃には前には一人しかいなかった。


「次の方どうぞ。」


「はい。」


 僕達は門番の声で前に進む。何があるのかは分からなかったが、門番は僕達の顔を見た。それも何かがあるとしか思えない程にじっくりと。


「すみません、良いですか……?」


「少しお待ち下さい。」


 そう言うと門番は何かの資料を持ち出してきた。それを捲り、内容を確認していた。その様子を不思議そうにルカが見ていた。


「……若い二人に、喋らない女。間違いない。」


「……あ、あのー。」


「すみませんが、ついてきて頂けますか?」


 僕達はその何かであったらしい。門番に連れられて、何かの施設に入る。アルグランテに入れたことは良かったが、この状況がイマイチ理解できていない。


『アデル、どうしたの?』


『僕も分からない。』


 一人で話していては怪しまれるので、僕も念話で返事した。門番に止められたという事は、何かの要件があるのだろう。それも上からの指示で。疑われた事でもあっただろうか。翠竜の事だろうか。だが、聞かれていないのを確認した筈だ。魔法の反応もなかった。誰にも聞かれていない。魔物にだって聞かれていない。会話でもルカが話す事は有り得ないので、誰も聞いていない筈だ。で、あれば別の事だろうか。


「こちらでお待ち下さい。」


 何かの応接室で僕達は待たされた。席に座って待つ。旅人をしているとこのような待遇はあまり無い。豪華な椅子だ。部屋に置かれている小物などを見ても、それが見受けられる。僕達は誰に目をつけられたんだ?


 暫く待っていると誰かが中に入ってきた。僕達は振り向いて、入ってきた人物を見る。その人物は女性だった。綺麗な女性だ。二十歳とちょっと……といったところだろう。若い。


「すみませんが……僕達に何か用ですか?」


 僕は前置きを挟まずに単刀直入に質問した。僕達は一応時間が無い。一刻でも早く王都に着きたいのだ。ここはあくまでも中継地点でしかない。ここに長居する事は出来ないのだ。


「えっ……。」


 その女性は驚いていた。その様子に僕は首を傾げる。身に覚えはない……はず。


「覚えていませんか?私ですよ、私。」


 気づいて欲しいとでも言うように自分の顔を指差している。そう言われても見覚えは……あれ?


『ルカ、もしかして。』


『多分、そうだと思う。』


 僕達は同じ結論に辿り着いていた。まさかこんな事が有り得るとは。世界は意外と狭いのかもしれない。僕は勇気を出して予想を言う。


「君は……ミシェル?」


 女性は途端に顔を輝かせた。この表情には見覚えがある。当たっていたようだ。そして、女性は泣きそうな顔をした。


「はい、そうです。────久しぶりです。アデルさん。」


 アルグランデ。僕達は旅仲間(ミシェル)と再会したのだった。

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