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始祖の竜神と平凡の僕。  作者: 秋色空
三章:遺跡編
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22.長い階段

「今から僕はそこに行く。」


 地下牢の入口を確認して、一旦テントに戻った。そしてルカやミシェルが起きるのを確認すると、僕も起きた。そして朝食の時に二人に説明した。


「地下牢にそんな所が……。」


 やはり知らなかったようだ。〈女神の祝福者〉のみに反応する魔法か。地下牢は後付けで作ったようだからね。まさか地下牢に仕掛けがあるなんて僕も考えていなかったけど。蒼き竜が親切にも教えてくれたから良かったよ。


「私も行く。」


 ルカはそう言った。ミシェルも頷いているので付いていきたいのだろう。


「僕もそれについて話をしようと思っていた。二人には僕からも付いてきてほしいと思っている。恐らく地下牢に閉じ込められることは無いと思うから、付いてこれる筈だよ。二人には探索を手伝ってほしいんだ。」


「分かりました。」


 即答だった。旅仲間はやはり良い人ばかりだ。僕の経験がそう語る。


「そうとなったら準備を急いでしよう。片付けをしてくれる?」


 三人は泉の周辺に広げていた野宿のための道具を片付けた。テントなどもテキパキと慣れた動きで片付ける。ミシェルも慣れたようだ。


 全ての道具を〈アイテムボックス〉に仕舞い、早速石版に手を触れた。三人は転移する。転移先は最奥の間だった。薄々勘づいていたのだが、最奥の間に一度でも到達すると転移先がそこになるようだ。そして、連れ添った人は地下牢に送られなくなる。また地下牢に送られていたら、どうしようかと思ったよ。


 三人は階段を降りて、地下牢に入る。地下牢に開いた地下への入口は、閉じられておらず、開ききっている。そこを降りる。


 階段を降り始めた三人だが、どうにも違和感が拭えずにいた。先程から薄い魔力反応があるのだ。それは三人とは違う。そして、沢山あるのだ。魔力の量も様々。正体が分からない。〈魔物探査(モンスターサーチ)〉にも反応がない。魔物ではないのか。それ以外の予想としては、魔法による罠だ。この線が濃いだろう。これだけ沢山の魔法が仕掛けられている遺跡だ。魔法による罠が仕掛けられていても何らおかしいことは無い。


「多分、(トラップ)がある。気を付けて。」


 この結論には二人も達していたらしい。疑問を唱えずに従う。常に魔力反応を探知しつつ、歩くため階段を降りるスピードはとても遅い。そのお陰か、今は罠に引っ掛かっていない。


「そこに何か(・・)があるよ。気を付けて。」


 僕が魔力探知で反応した所を指さす。危うくミシェルが踏みそうであったが、どうにか踏み止まった。そこを避けて通る。


「一応、これが(トラップ)か確認するから少し離れてて。」


 二人に離れるように指示して、僕は魔力反応があった場所に足を載せる。反応は正しかったようだ。その部分が凹んだ。瞬間、高速で近付く魔力反応に気付き、後ろに下がる。壁から矢が射られる。それも何十本も。明らかに罠に引っ掛かった者を殺そうとしている。これは〈女神の祝福者〉を試しているのだろうか。何かがおかしい……。


 そんな疑問を抱えながらも蒼き竜が言った事だからと信じる事にした。


「……危なかったです。」「大丈夫だった?」


「まだまだ階段はあるから気を付けてね。ルカも心配してくれてありがとう。大丈夫だよ。」


 二人に返答して、また進み始める。すぐに次の罠があった。


「ルカ危ない!!」


 魔力が反応しなかったが、嫌な予感がした。少し乱暴だったが、ルカのマントを引っ張ってその場から引く。


「ミシェルも離れろ!」


 慌ててミシェルも離れる。これで大丈夫だ。魔力反応すら無かったぞ……。これは何だ?あくまでも嫌な予感だったが、ルカが何かを押してその部分が凹んだのだ。何も無いとは言い切れない。暫くその場で成り行きを見守る。


 数分経った。しかし何も起こらない。もう大丈夫だろうかと一歩踏み出した時、失敗したと気付いた。


「二人とも動くなっ!!」


 またも急いで言う。薄すぎる魔力反応の為にルカやミシェルで隠れていたのだ。今まで僕が踏んでいた場所とルカやミシェルが立っている場所以外の階段が薄く薄くスライムが張っている。


「アデルさん!足が!」


 これはアシッドスライム。普通にいる魔物だ。それを罠として使ったということか。これでは足先から溶けていく……。今も靴にまとわりついている。


 火で炙る。その選択肢が咄嗟に浮かんだ。ルカやミシェルに飛び火しないように注意しつつ、靴に【防火】を付与して燃やした。するとアシッドスライムが姿を現し、再び階段と同化した。


「多分、すぐにアシッドスライムが僕達に襲い掛かる筈だ。その前に全て倒す。一、二、三でジャンプしてくれ!」


 口調が崩れつつも急いで言う。時は金なり、なのだ。この状況は一刻も争う。流石に酸に生身の人間は勝てない。【防酸】の魔法などこの世に無いから。


「三、二、一、ジャンプ!」


 僕を含めて三人はジャンプをする。それと同時に無詠唱で魔法を発動。火魔法が一つ【炎上】の魔法。中級魔法。広範囲に使えてそこそこの威力がある為に使った。どうにか成功したようだ。僕達が階段に着地する頃にはアシッドスライムは全て倒れていた。


「……良かった。」


 ここまでとは思わなかった。今気づいた事だが、この階段には【防酸】の魔法が発動されているのだ。だからアシッドスライムによって溶けない。この世界には無い魔法。まさにそれを思い知らされたのだった。

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