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労働を減らせ!自由を得よ

作者: 安孫子太郎

まともに労働をしなくなってから少し時間が経過した。

いや、普通にサラリーマンとして自分の生き血を売り払い、その対価としてわずかな銭を受け取りながら生活をしている。

少しでも優雅な日々を過ごそうと思うならば、すぐさまに破綻し、首の回らぬ生活が待っているほどの収入である。

その程度の金で、なぜ全力で労働せねばならぬのだと、全力で働かないことを貫いている。

だが、1人であればそれで済むのだが、パートナーを得、結婚、子を持つという人生を選んだのだから、そうこうも多少は言えなくなってくる。

自分ほどにカネを使わなくとも幸せを感じられる人間は実のところ、奇異な存在である。

一般的には、金と幸せはイコールと見なされ、多く遣えば遣うほどに、喜びに繋がっていくと信じられている。

そんなことはない。

カネを遣わない喜びと向かい合った際に、多くの労働を必要としない事実にも気が付ける。

それよりも自由な時間を少しでも確保し、自己を育てることに目を向けていきたい。

などと、のたまわってみた結果、ほとんど働かずに有給をばんばん取得し続けて、ほぼ休みの日々を満喫している。

で、その時間でなにをやっているかと言えば大したことはしていない。

本を読み、日記を書き、ネットで面白い情報を眺めて、セクシーな女性の動画を観て寝転んでいるだけのことである。怠慢、怠慢。

だが、それが大切であり、自己を育てているのだと、誠に勝手な見方をしている。


働き過ぎたところで心は腐敗してくるは、ストレスで頭皮にもよくない。

生きていける最低限の糧を得ることができたならば、それ以上なにを望もうか。

将来の不安に向けて貯蓄を増やすことに精を出して何になろうか。

いまを踊らなければならない。今、せっせと冬籠りの為に食料を蓄えるアリになるのでなく、ただ歌い狂い踊り明かすキリギリスのように自由であるべきだ。

それで果ててしまうのならばそれまでのことであり、冬が来ればアリを襲って食料を奪うか、夏の間に練習に練習を重ねたバイオリンの演奏を披露し、アリからお捻りをもらうだけのことだ。どうだ、いい感じであろう。


というわけで、私は労働を極力避ける代わりに、職場の仲間たちに珍妙な情報や知恵や、奇書を紹介している。なんですかそれは。といって貰い、笑ってもらえればそれでよい。

いやいや、こんな生き方なんてどうでしょうかね?なんて言ってうまい具合に、仲を深めている。


あとはひたすらに低姿勢に生きるに徹するしかない。

教えを請い、立ち回る。

歳上の者たちとの付き合いには、笑顔での対応と素直な謝罪の心である。

どんなに上手く生きようとしようとも、必ず厄介ごとに巻き込まれるわ、派手な失敗をおかすこともある。


その際には、全力で謝る。

それで逃げ切るしかない。

あとは、上からの助言には反発するのでなく、従うべし。

最初、めちゃめちゃに反抗していたのだが、それが仇となり、ひどい目にあった。

そこから学習した。

素直になるしかないんだ。とにかく言われたことに従ってみたり、実践していくのみなのだ。

それが一番楽であり、角も立たない。

何年か労働を重ねた中で気が付いた唯一の事実だ。


そしてあとは、ひたすらに自分の時間を持つために、労働を避けること。

余計に働かないためには支出を極力減らすべし。

お金を遣うから働かねばならない。

遣わなければ働かなくてよい。これはすごい。



あとはもう少し、自分の好きなことがお金に繋がれば、余裕がより産まれてくるのであるがな。


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