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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人を殺しました

作者: 凪紗わお

被害者、神崎紗千(かんざきさち)。彼女は私、掛布美菜(かけふみな)と友人関係にありました


何故殺したと問われれば困ります。何も考えず、呼吸をするように自然に人を殺したからです。特に喧嘩をしていた事実もありません


いいえ、殺した時のことははっきり覚えています。


料理をしていた時のことです。テレビ……確か5人組の男性アイドルが無人島を開拓する番組でした。それを見ながらポテトチップスを貪っていた彼女。キュウリを切っていた手を止め背後から近付き、その包丁で首を切り落としました。自分は頑張っているのに紗千は何故手伝う気もないのだ、といった類の恨みもありませんでした


もちろん抵抗はされました。見てください、肘から手先に向けて何本か線が入っているでしょう?これがその証拠です。うっ血しかけている所ですか?特に痛みません


包丁が真ん中を通過する辺りで抵抗がなくなりました。そこからは柔らかかったですね。まるで霜降り肉を切るような感じでした


切ったのは首だけです。他に外傷があるならばそれは私ではありません。恐らく彼女の彼氏による性的虐待か何かでしょう。一度取り調べてみてはいかがでしょうか


嫉妬?なぜ?私は同性ですし、結婚して子供もいますよ。料理をしていたのは頼まれたからです


そうですね。夫や息子には申し訳ないと思っています。彼らの将来を奪ってしまったのですから


ええ、被害者の御家族にも同様の気持ちは抱いています。顔を合わせることがあれば恐らく「紗千の命を返せ」といった内容の事を仰ると思いますが私にはどうすることも出来ないとお伝えしたいです


もういいですか。私から申し上げることはこれで全てなのです。早く牢屋なり何なりにぶち込んでください


誰かを庇う必要がどこにあるんですか。私に友人は極めて少ないですし、その友人は紗千とは無縁です


はい。これまでの証言に一切の嘘偽りがないことを宣誓します


終わりですか?ああ、そうだ、最後に一つだけお伺いしてもよろしいでしょうか


私は殺人は法律違反であるということをしっかり認識しています。人を殺してはいけないということもちゃんと理解しているつもりです


それでは、なぜ私は人を殺したのでしょうか


お答え頂けると大変嬉しく思います


それでは、失礼いたしました

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。 被害者の名前ですが、一行目と最後らへんで反対になっているようですが……。
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