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この世の果て  作者: にしのかなで
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妹分⁉︎(改)

翌朝も相変わらず早起きをしたカタリナは、洗濯の準備と掃除にといつもの様に、いやいつも以上に張り切って働いた。昨日、帰ってからカタリナに買った洋服がおかしくないかアスワドが公爵夫人に吟味してもらおうと言い出したのだ。結局四着共に試着をして見せたところ全て、公爵夫人も気に入った様子であった。こうして、殆ど空っぽだったカタリナのクローゼットが少し賑やかになった。だからカタリナは今日は機嫌がいい。服をあんなに買って貰ったのには恐縮するがこれからは休みの日も出掛けられるのだ、恐縮以上に感謝でいっぱいだった。


アスワドは明日寄宿舎に帰る。カタリナは彼のシャツやズボンを洗ったりと今朝は早くから忙しい。次はいつお帰りになるのかしら?その間、粗相のない様に頑張らなくちゃ。そこへ本邸から朝食が届く。流石に10歳のカタリナに調理は荷が重いという事である一定の歳まで今まで通り本邸から運ぶスタイルになっている。


「君さ、手紙書ける?」


アスワドが唐突に問いかける。


「はい、一応」


「じゃあさ、僕が学校に帰ったら手紙書いてよ。」


「私が⁉︎アスワド様にですか⁉︎」


「うん、なんでもいいんだ。僕はこの離れを任されているけれど、身分は君と同じだよ。僕は君を妹分としてどこに出しても苦労しない様にしたいんだ。だから間違いがあったら添削して返すしさ。」


妹分?そりゃ落ち着いて考えれば身分は同じ平民っちゃー、平民だけどもそれでもやっぱりお使えするご主人様。軽々しくそんな事言っていいのかしら?


「あの、光栄ですが昨日も申し上げましたがその・・・妹分だなんて冗談でも軽々しく仰ってはいけないと思います。公爵様ご夫妻のお耳に入ったら叱られますよ。」


「心配ないよ、離れの中での事だし。僕が責任取るから安心して。」


「でも、ルッツィさんの手前も・・・」


「それも大丈夫、先に言ってあるから。」


そう言われると反論の余地がない。この日からカタリナはアスワドの侍女兼妹分としてこの離れに身を置くという複雑な身の上になってしまった。


「はは、カタリナ複雑そうだね。まあ気負わずにヒイラギ様の言う事を聞いて差し上げて。あれで今まで結構苦労なさってるんだ。奥様もお怒りになるどころか喜ばれると思うよ。」


ルッツィにまで後押しされては断れない。洗濯物を干しながら渋々アスワドの妹分を承知したカタリナだった。



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