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おちるおもい  作者: 一筆
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 私はできれば、(私の将来の夢は、)誰かのために生きるということができればいいと思っています。

 世のため人のためなんて、大業なことが私にできるとは思えません。だけれど、誰かひとりのためだとか、ごくごくわずかな人たちのためならば、私にもなにか役にたつことができるのだと思います。

 そのためには、その、ごくごくわずかな人たちを得なければなりません。もうすでにいるのかもしれないし、これからさき、どこかでめぐり会うのかもしれません。いろいろな可能性があると思います。また、そんな可能性はないという可能性もあると思われます。

 だけれど、可能ならば、そういった人と出会えたらいいな、なんていうことを考えてしまいます。

 自分にとって大切な人と出会うということは、広大な海をひとりちいさな舟で旅するようなものです。航海術を心得ていない私には、どうやって嵐を避ければいいのか、はたまた大波小波をやりすごせばいいのかもわかりません。もしかしたら、途中で転覆して、重くて冷たい海に放りこまれてしまうかもしれません。そんなときは、必死にひっくり返った舟にしがみついて、ちぎれそうになるぐらいに手で水を掻いていくしかありません。

 とてもとても、つらく悲しいアドベンチャーです。

 だけれど、気づけば遠くとおくにちいさな舟の姿を認めることができるようになるかもしれません。舟を漕いで、全身全霊で前進して、その舟を目指します。やがて、私に気づいたその舟も、私へむかってきてくれます。そしてそばまできたとき、その舟に乗る人は言うのです。

「大丈夫ですか?」と。

 きっと、出会いとは、それも大切な人との出会いとは、そうした奇跡なのだと思います。

 だから、私はどこまでも舟を漕いで行きます。

 いつかきっと、私を見つけてくれる人を見つけるために。

 それが、「私の将来の夢」です。

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