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矛盾の魔法使い  作者: 龍夜
第4章『予兆』
29/31

第29話 うごめきし者

大変お待たせしました。

第29話になります。

待たせた割には……な内容ですが楽しんでいただければ幸いです。

次話の投稿もまたいつになるのやら……

それは闇のごとく動き続ける。

そこはとある場所にある部屋。

様々な機械が動いており、その作動音が響き渡る一室に一人の人物の姿があった。

一つしかない椅子にもたれかかるその人物は、突如響いたアラームにすかさず反応をする。


「私だ」

『ご報告します』


威圧感を纏うその声に、一人しかいないはずのその一室に別の人物の声が響き渡る。

それは、特殊回線を利用した通信であった。


『ボスに依頼された二人の少年少女への襲撃ですが、失敗しました』

「失敗だと?」


相手からの報告に、ボスと呼ばれた人物は目を細め声の高さを落とす。


「てめえら、何をやっているんだ! あの無人戦闘機”OES”を大量に投入しておいて何が失敗だ!」

『申し訳ありません! ですが、途中で小僧の邪魔が入りまして全機撃墜に――』

「言い訳はいい!」


怯えた様子の通信の相手の言葉を、ボスは一刀両断で切り捨てた。


「あの無人戦闘機”OES”一機に、どれほどの金がかかってると思ってる!てめえらの給料の50年分だ! それが失敗してしかも撃墜だと?」


ボスの怒りは収まらない。


「これは大赤字だ。一体どうやって埋める?」

『つ、次こそは必ずとらえて見せます!』


上ずった声で答える通信相手に、ボスは舌打ちをする。


「よし、チャンスをくれてやる。だが、次しくじったらてめえらの命で赤字を相殺するからな。覚悟しておけ」


そう告げて、ボスは通信を一方的に切断した。


「役立たずの忌々しい者ども」


けがらわしいといった声色で口を開くボスは、正面にあるモニターにある人物の画像を表示させる。


「まあいい。私の偉大なこの計画、必ずや成功させて見せよう。待っているといい、尾崎 圭一君。くはははは!」


一室に、ボスの笑い声が響き渡る。

ボスの見ていたモニターには、圭一の写真が表示されていた。











一方、同日同時刻。

神谷家本家にて。


「失礼します。敦子です」

「うむ、入れ」


ふすま越しにかけられた少女の声に、男性……神谷秀三は部屋に入るように促した。


「失礼します」


促された少女はふすまを開けて中に入ると、正座をしてふすまを閉じて秀三へと向き直る。


「それで、ご用件とは?」

「ついこの間に発生した、魔法の使用不能現象の件だ」


少女の問いかけに、秀三は真剣な面持ちで話題を切り出す


「あの一件は原因不明と聞き及んでおりますが?」

「実は、原因はわかっておる」


秀三は申し訳なさそうに、告げた。


「……原因はなんなんですか?」

「お主の、兄にあたる人物の仕業だ」

「ッ!?」


秀三の答えに、少女は息をのむ。


「無論、彼も意図してやったのではない。我が家系に存在する最終奥義を行

使したのだ」

「まさか、最終奥義でもある”クリスティル・ウイング”をですか!? で

すが、兄様は」


少女は秀三の述べた”最終奥義”の言葉に驚きながら、尋ねる。

その問いに、秀三は頷くことで答えた。


「私のミスだ。まさか開花が遅れておっただけとは」

「では、すぐに本家に呼び戻されないと」


頭に手を当てて悔いるように言葉を漏らす。


「そうしようとしたのだが、断られた。おそらくは、捨てるも同然で追い出

した私のことを恨んでいるはずだ」

「……………」


秀三の言葉に、少女は何も口にしなかった。

否定することも肯定することもできなかったのだ。


「そこで、敦子。お前に頼みがある」

「はい。何なりと」


敦子と呼ばれた少女はお辞儀をすることで、それに応える。


「鳴神学園に向かい、あ奴に戻るように説得するのだ。もうすでに編入の手

続きは済ましている」

「分かりました。必ずやこちらに一緒に戻ってまいります」

敦子の言葉に”任せたぞ”と秀三は声をかけると、敦子は一礼して部屋を後にした。


(やっと、会えるのですね、お兄様)


渡り廊下を歩いている敦子は、月明かりに浮かび上がる銀色の髪をなびかせながら、外を見る。


(待っていてください。お兄様)


そして、敦子はこの場にはいない人物に声をかけて、その場を後にする。


――かくして、彼女たちは動き出すのであった。

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