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矛盾の魔法使い  作者: 龍夜
第3章 『クラス対抗魔法戦』
17/31

第17話 練習開始

ご無沙汰しています。


最新話になります。

勘坂の宣戦布告の翌日……クラス対抗魔法戦まで10日をきった。

そんな中、俺と中井さんは放課後に職員室に呼び出されていた。


「ごめんなさいね、わざわざ来てもらって」

「いえ、別にかまいませんけど、何ですか?」


俺が声をかけるなり、立ち上がりながら申し訳なさそうに口を開く田土先生に、俺は用件を尋ねることにした。


「今日から魔法戦に向けての練習が可能になるけど、くれぐれも他クラスとのトラブルは起こさないでね」

「勿論。分かっています」

「私もです」


田土先生の念を押すように告げられた言葉に、俺と中井さんは即座に頷いて答えた。

俺達としても、無用なトラブルだけは避けたいというのが本心だ。

尤も、そう思わない者も多いだろうが。


「そう。だったらちょっとは安心かな。それじゃ、練習頑張ってね」

「失礼します」

「失礼します」


最後に田土先生のエールをもらい、俺と中井さんは職員室を後にした。



矛盾の魔法使い   第17話「練習開始」



一旦魔法服に着替えた俺達は、見晴らしのいいグラウンドに来ていた。

中井さんの魔法服は青色のジャケットのようなものの下に白地のシャツを着ておりピンク色のスカートと言った服装だ。


「あ、あのあんまり見ないでくれると、嬉しいな」

「あ、ご、ごめんッ!」


知らないうちに舐るように見ていたのか、中井さんは頬を赤く染めて俺から視線を外しながら言ってきた。


(何やってんだよ俺はっ!)


「えっと、とりあえず練習を始めよう」


自分自身に叱咤していると、中井さんが提案した。

俺はその提案に乗ることにした。











「よし……このくらいでいいだろ」

「うん………アップにはちょうどいかも……ね」


あの後、アップにとグラウンドを3週(一周250m)走った。

さすがに息が上がったが、体はいい感じに温まった。


「中井さ、大丈夫?」

「ううん、大丈夫だよ。このくらいでばててたら、機動力勝負の私にいいところが無くなっちゃうからね」


息が切れかけている中井さんに声をかけると、息を整えたのか笑顔でそう答えた。


「そうか………それじゃ、練習を始めるか」


その様子に少しばかり違和感を覚えながら、俺はそう告げるのであった。

俺達代表者は、学園内であればどこで練習をしてもかまわないのだ。

ただし常識的な範囲内でというのが前提だが。

田土先生から聞いた話では、過去に教室の中やトイレの中で練習をしていた者がいたらしい。

何でもばれるのが嫌だったからという理由らしいが、そこまでやるかというのが俺の感想だった。


「それにしても、ここを選んだのはどうして?」


辺りを見回しながら中井さんが尋ねてきた。


「こんな見晴らしのいい場所だったら、私たちの練習の内容が丸見えじゃない」

「そこが狙いさ」


中井さんの心配そうな声に、俺は陽気に答えた。


「堂々としていれば『何か隠し玉を持っているのではないか』と相手が勝手に考えるからね。そこを利用するのさ」

「なるほど。尾崎君って、見かけによらず策士だね~」


俺の狙いを聞いた中井さんは、にやにやと笑みを浮かべながら俺に言ってきた。


(まあそれだけじゃないんだけどね)


俺にはもう一つの狙いがあった。

ここならば襲撃をされてもすぐに対応が出来る。

見晴らしが良いからこそ、人の姿を見る事も出来れば回避スペースも十分にある。

変に入り組んだ場所にして狙われやすくするよりはましだ。

そう思ったからこその選択だった。

これが後にとんでもない目に合うことになろうとは知る由もなく。


「まずは、中井さんの攻撃魔法を見たいから、いつものようにやってくれ」

「え? 本気で攻撃してもいいの?」


俺の指示に、中井さんが一瞬驚いた様子を浮かべて俺に聞いてきた。

それに俺は無言で頷いた。


「分かった。それじゃ行くねッ!」


そう言って中井さんは背中に装着していた杖を掲げた。

その杖の先端は三日月のような形をしており、鎌を連想させるものだった。


「ラム・ルストス・ナテリアル・メルサス………」


中井さんが基礎フレームの詠唱を始めた。

それに呼応して彼女の足元に黄色の魔法陣が展開される。

どうやら構築段階は突破したようだ。


「ルミナス・エスタティア!!」


詠唱が完了したのと同時に、彼女の体を足元にある魔法陣から発せられた光で覆う。

これが身体強化魔法だろう。

属性は雷から見るに、素早さが格段に上がっているはずだ。


「ッふ!」


中井さんが地面を蹴った。

次の瞬間には俺の背後に回っていた。


カキンッ! カキンッ! カキンッ!


「ッく!」


彼女かの持つ杖による殴打攻撃が俺を襲う。

それを俺は手にしている剣で弾くことで防ぐ。

だが、恐ろしいのはまるで雨のように目にもとまらぬ凄まじい速さの攻撃をする彼女だ。

一体あの小柄な体のどこにそんな力が残っているのかと、本気で疑問に思ったりしてしまうが、同時に彼女の欠点を理解した。


「尾崎武術、圧!」

「きゃ!?」


俺の武術で、中井さんは思いっきり後方に吹き飛ばされた。


「取りあえず分かったよ」

「う、うん。どう?」


俺の言葉に、中井さんは不安そうに聞いてきた。

魔法に関しては俺の方がまだまだなのに不思議な光景だった。


「攻撃自体はいいけど、攻撃に夢中になりすぎていて、反撃を受けやすいことかな」

「うーん、やっぱりそこか~」


俺の指摘に、分かってたのか中井さんは肩を落していた。


「攻撃の方法を変えればいいと思う。例えば、2,3撃ダメージを与えたら別の場所に移動して2,3撃加えるとか」

「そう言えばそうだよね。でも、それってかなり難しいんだけど……」

「その為の練習だろ。俺も精一杯協力するから頑張ろう!」


俺の提案に、難色を示す中井さんに俺は元気づけるように言った。

中井さんは渋々といった様子だが、頷いてくれた。

こうして、俺と中井さんとの練習は幕を開けるのであった。

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