表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

勇者が足りない!!

作者: みやけ
掲載日:2026/03/11

 厄災が国に迫っている……。

 これに対抗すべく、王は各地から選りすぐりの8人の勇者を城へ呼び寄せた。


 ――控えの間――


 王の側近「勇者の皆様、本日はお集まり頂きありがとうございます」


 1人目の勇者「うむ! 国の危機に勇者が来るのは当然だ! しかし、ここには7人しかいないようだが?」


 王の側近「8人目の勇者様は遅れておられるようです」


 1人目の勇者「そうか! それでは先に今いる者たちで自己紹介でもしておきたいのだがいいだろうか!」


 王の側近「構いません」


 1人目の勇者「うむ! それでは私から時計回りに回して行くことにしよう!」


 1人目の勇者「私は『(つるぎ)の勇者』だ!」

 


 ――1人目 剣の勇者――


 剣の勇者「邪竜を討伐した功績が認められ、この度王の勅命を受けて参った! 皆よろしく頼む!」


 剣の勇者「それでは次の勇者!」


 2人目の勇者「ああ、次は俺の番だなあ」


 2人目の勇者「俺は『村の勇者』だ!」


 ――2人目 村の勇者――

 

 剣の勇者「そうか! それでは君の戦歴を聞かせてもらえるか!」


 村の勇者「ああ、もちろんいいぜえ。 聞いて驚くなよ! 俺はな! スライムを10匹! ゴブリンを5匹! そして……ゴーレムを1体倒したことがある!」


 村の勇者「村に遊びに来てた王様がよお、この話を聞いてどうしてもっていうから仕方なく来てやったんだ」


 剣の勇者「うむ! 厄災相手にはともかく、その他の敵相手には期待できそうだな!」


 剣の勇者「それでは次の勇者!」


 3人目の勇者「わ、わたしですか……えっと、わたしは『薬草の勇者』……です」


 ――3人目 薬草の勇者――


 剣の勇者「そうか! つまり君は回復役(ヒーラー)か! とても貴重な人材だ!」


 薬草の勇者「あ、いえ、わたしのはただの食用の薬草です……」


 剣の勇者「……そうか! 食料も大切だからな!」


 薬草の勇者「あ、でもでも体にはすごく良いんですよ! 王様も私の薬草を食べ始めてから健康診断に引っかからなくなったって喜んでくれましたから!」


 剣の勇者「そうか! 勇者も健康あってこそだからな!」


 剣の勇者「それでは次の勇者!」


 4人目の勇者「……あら、次は私? いいわ、私は『美声の勇者』よ」


 ――4人目 美声の勇者――


 美声の勇者「いつもの通り酒場で歌っていたらね、王様がナン……。いえ、誘ってくれたのよ。お城に来ない?って」


 剣の勇者「そうか! それでは君の戦歴を聞かせてもらえるか?」


 美声の勇者「私の戦歴? ふふ……それはちょっと刺激が強すぎるんじゃないかしら」


 剣の勇者「そうか! それでは厄災相手に語ってもらおう!」


 剣の勇者「それでは次の勇者!」


 5人目の勇者「ハッ!! (わたくし)は『元気の勇者』であります!!」


 ――5人目 元気の勇者――


 剣の勇者「そうか! それでは君の戦歴を聞かせてもらえるか?」


 元気の勇者「ハッ!! 私は先日!! 声の大きさを評価され城の衛兵として雇われましたが!! 先日!! 声の大きさを理由に解雇されました!! しかし先日!! 声の大きさを理由に!! 王様かr」


 剣の勇者「うむ!! 君は元気がいい!!」


 剣の勇者「それでは次の勇者!!」


 6人目の勇者「はい! 僕は『新卒の勇者』です! 御社が第一志望です!」


 ――6人目 新卒の勇者――


 剣の面接官「そうか! 第一志望なのは良いことだ! それでは君の戦歴を聞かせてもらえるか?」

 

 新卒の勇者「はい! 魔物と闘った経験はありませんが、今までずっと畑仕事を手伝ってきたので体力には自信があります! 御社が第一志望です!」


 剣の面接官「うむ! 君も元気がいい!」


 剣の面接官「それでは、次の方!」


 7人目の勇者「はい、私は『数合わせの勇者』です」


 ――7人目 数合わせの勇者――


 剣の勇者「そうか! 数合わせの勇者か! ……数合わせ?」


 数合わせの勇者「はい……。さっき、たまたまお城の前を通りがかったら王様から、『勇者やってみない?』と強引に誘われて」


 剣の勇者「……そうか! それではここから君の勇者としての人生が始まるわけだな!」


 数合わせの勇者「いえ、私はあまり興味はないです」


 剣の勇者「そうか!」



 剣の勇者「ひとまずこれで、ここにいる7人の自己紹介は終わったな!」


 剣の勇者「側近の方! ちなみに遅れている8人目の勇者の名はご存じだろうか!」


 王の側近「はい、8人目の勇者様の名は『忘却の勇者』でございます」


 剣の勇者「……そうか!(忘れてるんだろうなあ)」


 他6人の勇者「(忘れてるんだろうなあ)」


 王の側近「(忘れてるんだろうなあ)」


 剣の勇者「……うむ!」


『勇者が足りない!!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ