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【完結】大天使と呪われた雛人形 〜ひな祭り、初恋は断罪される〜  作者: 久茉莉himari


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7/8

【7】宇宙の法則。 〜大天使の涙の理由〜

イレイナは赤ワインを優雅に口元に運ぶと言った。


「以前にも、同じようなことがあったでしょ?

宇宙は陰と陽の法則で出来ている。


アンジュが、私が呪いを掛けた雛人形に狙われる程の、“清らかな魂”を持つ人間ならば?

アンジュの存在は、最高の陽であるということ!


そして、最強の陽である大天使ルシアンの剣で髪を断たれると、それは最強の陽と最高の陽との衝突になる」


ロクシーが感心したように頷く。


「確かに!

でも、それって宇宙の法則に反しちゃうよね?」


イレイナが、再びホホホと笑う。


「その通り!

やっぱりあんたって頭が良いわ!ロクシー!


つまり、宇宙の法則では、陰と陽が衝突しても、法則通りなわけ。

だから、私がルシアンに剣で断罪されても、世界は何も変わらない。


でも、最強の陽と最高の陽が衝突したら?

宇宙の法則が乱れる。


だから、最強の陽が最高の陽の呪いを解くために、髪を切り、断罪した瞬間に、宇宙の理が髪の毛を戻したの。

断罪されたままの最高の陽のアンジュでは、宇宙の法則が乱れるからね。

簡単な論理よ」


ロクシーは腕を組むと、天井を見上げた。


「でもさあ……ルシアンは本気で躊躇してたよね!

あんなに泣いてたの、初めて見たし……。


最強の大天使のルシアンなら、そもそも宇宙の法則くらい知ってる筈でしょ?

髪の毛が元に戻るって知ってるなら、なんで……あっ!!」


声を上げるロクシーに、イレイナが怪しく笑う。


「そう言うこと!

ルシアンはアンジュに恋をしているから、元に戻ると分かっていても、あの美しい金の髪を“自分が”断つことに葛藤したのよ!

……良い画が撮れたわ❤️」


「でも、水晶玉、割れちゃったじゃん?」


イレイナがため息をつく。


「あのね……この法則を知ってる私が、あんたたちに中継を見せるだけの水晶玉で、録画してると思う!?


あの雛人形が、呪いの雛人形だと判明して、ルシアンがそれを断罪すると分かった瞬間に、陽と陽がぶつかって壊れることも想定済み!

だから、録画用の水晶玉が割れても、私のアンジュの映像は、その瞬間に次の録画用の水晶玉に転移されるの!


あんた、頭が良いんでしょ!?

それにね……」


またもやホホホと、勝ち誇ったように笑うイレイナ。


「あの後の……大天使の涙の抱擁も録画済み❤️」


その瞬間――

ロクシーが瞳を見開いた。


「なるほどね!

涙の抱擁……!

ルシアンは恋してるから、あんなに苦しんだ!」


そして、ロクシーが勢い良く立ち上がる。


「よっしゃー!!」


「なによ?」


つまらなそうに訊くイレイナに、ロクシーがニカッと笑った。




一方、地獄の王の間に続く寝室では――


ルチアーノがユニコーン柄のシルクのパジャマを着て、寝込んでいた。


ひな祭りから、もう五日。

それでも、ルチアーノは立ち直れなかった。


せめてもの思い出にと、

ルシアンを思い出させてくれるユニコーン柄。

アンジュを思い出させてくれる可憐な薔薇柄。

ロクシーを思い出させてくれる“ドル”柄のパジャマを仕立て、順繰りに着ているのだ。


本当は天使の柄のパジャマも作りたかったが、止めた。


自分にそんな資格は無い、と。


そして、桜柄のタンブラーに入れた富士山の天然水をずずーッと飲んでいると、スマホが鳴った。


ルチアーノの目が見開かれる。


それは――

地上専用のスマホだからだ。


このスマホに電話を掛けてくるのは、ルチアーノが地上にいる間に悪魔の部下からと、ルシアンとアンジュとロクシーとイレイナしか、いない。


ルチアーノが恐る恐るスマホの画面を見ると――


『ロクシー先生』の文字と、二人で自撮りした画像。


「……どうしよう……!」


ルチアーノが無駄に広い寝室をバタバタと走り回っていると……着信は止んだ。


ホッとしたような、寂しいような――

ルチアーノの目から涙が零れて落ちる。


すると、また、スマホが鳴った。


それでも電話を取れずにいると……突然、スマホから3Dの立体映像のロクシーが現れた。


ロクシーがギロリとルチアーノを睨む。


ルチアーノはその場で床に膝を付き、深々と頭を下げる。


ロクシーが呆れたように言った。


「あんたね……!

私の電話を無視するって、どういうこと!?

罰金に加算するよ?」


ルチアーノが弾かれたように顔を上げる。


「ばっ……罰金!?

では、俺様は……」


ロクシーがルチアーノに向かって、ビシッと指を指さす。


「そうよ。

まだ初恋成就の脚本は終わっていない!

あんたが諦めるなら、それで良い。

残金を返金するわ。


決めるのはあんた!

やるの?

止めるの?

決めなさい!」


ルチアーノが涙を溢れさせ、ぐしゃぐしゃの顔でにっこり笑うと、立ち上がり敬礼する。


「もちろん……!

ズッ友ルシアンの初恋成就……やるでありますッ!」


ロクシーがパチンとウインクする。


「よろしい!

じゃあ明日、午後一時にいつもの原宿のカフェに来て!

じゃあね!」


そして――

ロクシーの映像はふわりと消えた。




翌日。


ルチアーノは原宿のカフェの前に、お昼の12時から立っていた。


ロクシー先生に会える!

また、ルシアンの初恋成就の脚本を一緒に練れる!


だが――

自分はもう、その場にはいられない。


ルチアーノは深紅のシルクのハンカチを握りしめる。


「俺様のやったことを思えば……!

その場にいられなくて当然だ……!

それよりも、ズッ友の初恋成就を果たすんだ……!!」


そう、決心して、カフェの扉を開けると――


そこは、“KAWAII”がぎっしり詰め込まれた、もう見慣れた原宿のカフェ。


パステルカラーの壁。

きらきらと光る装飾。

甘い香りの漂うスイーツ――


まるで、おもちゃ箱をひっくり返したような、ポップでキュートな空間に、なぜか流れているジャパンの1990年代のJ-POP。


ルチアーノが目を丸くしていると――

ルチアーノの目の前にルシアンとアンジュが現れた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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