表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】大天使と呪われた雛人形 〜ひな祭り、初恋は断罪される〜  作者: 久茉莉himari


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/8

【4】ひな祭り、開催。 〜十二段の視線〜

そうしてアンジュとロクシーは、ルチアーノが運転する愛車、地球に8台しかない深緑のフェラーリで、セレニス・ベイのハイブランドが立ち並ぶ中心街へと向かい、ひな祭り用のドレスや小物を買い込んだ。


アンジュには、桃の節句に相応しい薄いピンクのシフォンを重ねたドレス。


ロクシーは、ちょっと大胆な真っ白なシフォンのチューブトップに、深いスリットの入ったふんわりとしたパンツスタイル。


動きやすさも重視だ。


ルチアーノも、そんな二人を見て「俺様もお洒落をしたいでありますッ!」と言い出し、ロクシーがテカテカのピンクのネクタイと、ピンクの薔薇のコサージュを選んでやった。


世界的パティシエによるケーキの用意や、五つ星レストランのシェフによる料理も用意され、甘酒は流石に少ししか飲めないだろうと、最高峰のロゼワイン「シャトー・デスクラン」も用意された。


イレイナすら、ひな祭りの為にと、京都の最高級和菓子を差し入れしてくれることになった。


ロクシーは、イレイナはどうせジャパンの素敵なお菓子と、美麗なアンジュちゃんを撮影したいんだろうな、と気づいていたが、ありがたく頂戴することにした。


無料で、最高級。

これで受け取らない理由があるだろうか。


桃の花も空港便で日本から直輸入され、着々と準備は進んで行き――


三月三日がやって来た。




その日は、朝から快晴。


アンジュは心地よい眠りから覚めると、シャワーを浴びて簡単な普段着に着替え、メインリビングに行くと――


パソコンを目の前にしたロクシーと、水晶玉に手を翳すルチアーノがいた。


「おはよう!

二人とも、朝から仕事か?」


アンジュの鈴の音のような声に、ロクシーはにっこり笑い、ルチアーノは椅子からピョンと跳ねる。


ロクシーが笑顔で口を開く。


「うん!そうなんだ!

突然、仕事の依頼が複数入って、断ってるところ!」


アンジュがにこりと微笑む。


「流石はロクシーだ!

有能だから、世界が放っておかないのだな!

ルチアーノも仕事か?」


ルチアーノがアワアワしていると――


ドスッ……。


ルチアーノの太腿に、ロクシーの手刀が落ちる。


「……あがっ……!……そ、そう……!

俺様もっ……地獄が、なーんか燃えてて!」


アンジュが小首を傾げる。


「地獄が燃えている……?

ルチアーノは地獄に戻らなくて良いのか?」


ドスッ……。


再び落ちる、ロクシーの手刀。


「……ぐわっ……!え、えーと……!

そう!地獄の消防署って超絶優秀!

地獄の炎も消し去るくらい!

今、報告を聞いてただけ!」


すると、すかさずロクシーが言った。


「私たちはあと5分くらい遅れちゃうけど、アンジュちゃんは朝食にしたら?

もう用意出来てるし!

冷めちゃうともったいないし!」


アンジュがにっこりと笑う。


「そうだな!

冷めてしまうのは、もったいない!

では私は先に朝食にしておこう!


二人とも、待っているぞ!」


ロクシーがパチンとウィンクする。


「うん!直ぐに行くね〜!」


そうして、アンジュの姿がメインリビングから消えると――


ロクシーが研ぎ澄まされたナイフのような視線で、ジロリとルチアーノを見た。


「あんたね……。

アンジュちゃんが来るかもしれないって考えずに、ルシアンの行方を追ってたの?」


ルチアーノがブワッと冷や汗を吹き出しながら、震える声で答える。


「も、申し訳ございませんッ!

アンジュちゃんは美貌の食いしん坊!

起きたらダイニングに直行すると思っておりました!」


ロクシーが深いため息を吐くと、一拍置いて言った。


「浅はか!!

まあ、いいわ。

今のは罰金に追加しとくから。


それで?

ルシアンは地上にいないの?」


ルチアーノは、

――罰金制度が導入されている!?

と叫び出しそうになるのを、必死で堪える。


「ハイッ!

水晶玉には何の反応もありませんッ!」


ロクシーもパソコンに視線を戻すと、呟く。


「気象的な異常も、地球にも、宇宙にも、太陽フレアにも無い。

地球では、大天使が起こすような事象も報告されてない。


ルシアンは、ひな祭りに間に合わないかもね……」


ルチアーノが深紅のシルクのハンカチで目元を押さえる。


「ならば……ッ!

ルシアンが戻った時に、ひな祭りのアンジュちゃんを観せましょう!


ルシアンもそれで満足する筈……!!

リリカルッ!」


ロクシーの手刀が、今度はルチアーノの鳩尾にクリティカルヒットした。




それから、三人で朝食を済ませ、午後のひな祭りのパーティに備える。


アンジュとロクシーはドレスに着替え、アクセサリーを付けては自撮りをしたり、途中軽食を挟んだりしていたら、あっという間にパーティの時間になった。


そして、午後一時。


パーティ会場に向かうと、ルチアーノが扉の前に立っていた。


ルチアーノがくるりと右腕を胸元に添えると言った。


「アンジュちゃん、ロクシー先生、どうぞ!

ひな祭り、開催です」




ホールの中は、ロココ調で統一された空間。


巨大なシャンデリアが頭上から輝き、金と白の彩りの中、12段飾りの雛人形が壁際にそびえ立っていた。


赤い毛氈の上の、きらびやかな雛人形たち。


アンジュの青い瞳がキラキラと輝く。


「……なんと、美しい!

これが雛人形か!?」


ルチアーノが自慢げにゴホンと咳払いをする。


「そうだよ、アンジュちゃん❤️

この雅な美……正にジャパンの奇跡!


小物も“平安時代”というジャパンの歴史になぞられて作られてるのさ☆

リリカルッ❤️❤️❤️」


ロクシーが舌打ちする。


「じゃあ何で、会場をロココ調に統一したのよ!?

そこも日本らしくすれば良いだろーが!」


そんな鋭い囁きも、ルチアーノの耳には入らない。


ルチアーノは浮かれ切った声で言った。


「アンジュちゃん!ロクシー先生!

まずは乾杯しましょう!」


そして、パチンと指を鳴らす。


ウェイターが、ロゼワイン「シャトー・デスクラン」が入ったワイングラスを、さっとルチアーノの前に差し出す。


ルチアーノが満面の笑みで言う。


「さあ!

アンジュちゃん!ロクシー先生!

ひな祭りに乾杯〜!!」


アンジュも嬉しそうに、ワイングラスを掴む。


そうして、三人のグラスが重なり、カチンと軽快な音を立てた。


ロクシーも一口ワインを飲むと、笑顔でアンジュに言った。


「ひな祭り、楽しもうね!」


アンジュもワインを一口飲み、にこりと微笑む。


「うむ!」


その瞬間――


雛人形たちの目だけが、横に動いた。


そう、アンジュに向かって。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

明日も17時更新です☆


Xはこちら→ https://x.com/himari61290

自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪


〈ルシアンとアンジュ(ガブリエル)をもっと知りたいあなたに…〉


【完結】大天使と“ズッ友”になりたい地獄の王。 〜柄物スーツに一目惚れしてから、すべてが始まった件〜


https://ncode.syosetu.com/n5195lb/


【完結】大天使ガブリエル、地上に爆誕!〜神の命がふんわりすぎて、祈ろうとしたら迷子になりました〜


https://ncode.syosetu.com/n2322lc/


【完結】大天使たち、日本昔話に異世界転生する。〜初恋成就作戦を決行するポンコツ地獄の王に振り回されています〜


https://ncode.syosetu.com/n7024ld/


【完結】大天使ルシアン、最強捜査官になる〜神の沈黙と愛の証明〜


https://ncode.syosetu.com/n5966lg/


【完結】大天使と最強捜査官のクリスマス戦線 〜セレニスに集う者たち、愛か使命か〜


https://ncode.syosetu.com/n9868lk/


【完結】大天使と最強捜査官のクリスマス戦線〜聖夜の余白の物語〜


https://ncode.syosetu.com/n9097lm/


【完結】地上でいちばん可愛い正月旅行〜天使と悪魔も福来たる、温泉・TOKYO・バタフライ〜


https://ncode.syosetu.com/n5279ln/


【完結】大天使、悪魔のお見合いを阻止せよ!?〜地獄の王がお見合いを断ったら、大天使に婚約者が爆誕!〜


https://ncode.syosetu.com/n2903lp/


【完結】地上でいちばん難しいバレンタインの贈り物〜天使が天使に恋してます!?悪魔と軍師も混ざる秘密の奇跡〜


http://ncode.syosetu.com/n2458ls/


【完結】大天使の初恋を、妖精王が台無しにする物語。 〜永遠の恋人は、まだ恋人未満〜


html:// ncode.syosetu.com/n3048lu/


を読んで頂けるともっと楽しめます(^^)


こちら単体でも大丈夫です☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ