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【完結】大天使と呪われた雛人形 〜ひな祭り、初恋は断罪される〜  作者: 久茉莉himari


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3/8

【3】大天使、戦場より祈る。 〜春の奇跡、地上始動〜

そして"大いなる竜"との熾烈な戦いのさなか――


炎と咆哮が渦巻く戦場で、幾度となく死線を越えながら戦う大天使たち。


高らかなラッパの音と共に、大天使ミカエルが宣告する。


「皆よ!我が双璧、大天使ガブリエルが神の命により、地上に降り立った。

大天使ガブリエルが地上にて、聖なる務めを果たしておるのだ!

我らも、聖なる務めを果たす時!

さあ!

ゆくぞ!」


ルシアンの無表情が、ほんの僅かに揺れる。


――ガブリエルさまが地上に降り立った?

"アンジュ"さまとして……!

あのお方は、地上ではいつも恩寵を封印されている……!


その刹那――

"竜"が咆哮と共に、激しい炎をルシアンに向かって吹き出した。


ルシアンは瞬時に大天使の剣でその炎を断ち切ると、駆け出す。


ゴツゴツとした岩が積み上げられている、道とは言えない道を――


ただ、アンジュの無事を祈りながら。




一方、地上では、ロクシーが珍しく頭を悩ませていた。


それはもちろん、ルチアーノの『ひな祭り・初恋成就の脚本』だ。


ルチアーノは分かっていない。


ルシアンは大天使として戦っている。


それは人間の時間では、測れない。


つまり、ルチアーノのルシアン特定専用の水晶玉が作動して、ルシアンが地上に戻ったのが分かったとしても、三月三日に間に合うか、それとも最悪一年後になるかもしれないのだ。


しかも――

片思い中の本人不在で、初恋成就。


「いや……。マジ詰んだかも……」


ロクシーがそう呟いた時だった。


ロクシーのスマホが鳴った。


相手は――

アンジュ。


即座にビデオ電話をONにするロクシー。


すると、画面の向こうから、にこりと微笑むアンジュが映る。


――眩しいっ!!

アンジュちゃん、美し過ぎるって!!

ルシアンの気持ち、分かりみしかないっ!


その心の叫びを、ごくんと飲み込み、ロクシーはにこやかな笑顔で言った。


「アンジュちゃん、久しぶり!

どうしたの?」


アンジュが小首を傾げる。


「それが……ロクシーなら分かるかと思って。

ロクシーは博識で頭も良い!

だから、助言を頼みたくて!


"春の奇跡"とは何だと思う?」


「春の奇跡……?」


思わず、アンジュの言葉を繰り返してしまうロクシー。


そして、閃く。


――さては……!!

大物カメラマンとか、世界的クライアントから「次は"春の奇跡"をテーマに」とか言われたのでは……!?

あり得る!

ああいう奴らは抽象的な言葉が大好き!


そして、アンジュちゃんは素直過ぎる、純粋過ぎる!!

……ん?

これは……!


ロクシーの目つきが変わる。

軍事モード・オン。


「じゃあさ……雰囲気だけでも掴むとか、どうかな?


日本の桃の節句って知ってる?

春のね……女の子をお祝いする儀式なの!


ひな祭りって言われてて、古式ゆかしい日本人形を、ズラッと階段みたいなのに12段も並べて飾るんだよ?


そして、桃の花を飾って、お菓子や甘酒を飲む……。

"春の奇跡"みたいじゃない?」


アンジュの青い瞳が、キラキラと輝く。


「なんと!素晴らしい!

ロクシーはそのひな祭りに出席するのか!?」


ロクシーがウンウンと頷きながら、微笑む。


「それがさあ……ルチアーノがね、その動画を見て感動しちゃって、ひな祭りをやりたいってうるさくて困ってたんだ!


私とルチアーノでひな祭りとか……意味無いし!

でもアンジュちゃんと一緒なら、絶対楽しい!


一緒にひな祭りパーティに出てくれる?」


アンジュが真っ白な頬を薔薇色にして答える。


「素晴らしい!

私もロクシーと一緒に、ひな祭りパーティとやらに出席したいぞ!」




そうして、ロクシーがアンジュのハリウッドの自宅に迎えに行く約束をして、ビデオ通話を切ると、ロクシーはルチアーノに電話を掛けた。


ワンコールで出る、やかましい声がスマホの向こうから響く。


「ハイッ!!

地獄の王こと、香水の魔術師、ルチアーノでありますッ!」


ロクシーが舌打ちする。


「あんたの自己紹介なんて今更いらない!


それより……アンジュちゃんをひな祭りに誘って、もうOKもらってあるから!」


ルチアーノが感嘆の声を上げる。


「なんと!

ロクシー先生の仕事の速さ……不肖俺様、感激でありますッ!ラブ❤️」


ロクシーはマッカランのロックを一口飲むと言った。


「ハイハイ。


感激でも、逆立ちでも好きにしていいけど、あんた雛人形のセット、もう一つ用意して。


それで、アーチーボルトの別荘の公演ホールに飾る手筈を整えといて」


すると、ルチアーノが慌てた声を出した。


「えぇーーー!?

俺様の寝室にある、奇跡のリリカル雛人形じゃないんですかぁ!?」


「あのね……」


ロクシーの、衛星観測された地表の最低温度マイナス98℃の声。


「おじさんの寝室で、真夜中にカタカタ動く雛人形で、22歳のアンジュちゃんと24歳の私が、ひな祭りすると思う!?


新しい雛人形を用意しろ!


じゃなきゃ……あんたとの、この会話込みの手数料を差し引いて、全額返す!

そして、契約は終わり!


良い!?」


ルチアーノが即座に答える。


「新しい雛人形、了解でありますッ!!」




そして、ひな祭りには少し早いが、ロクシーとアンジュはアーチーボルトの別荘に向かった。


ルチアーノはもちろん二人を出迎える為に、先回りして別荘に着いていた。


アンジュの姿を見ると、ルチアーノが飛び上がって喜ぶ。


「アンジュちゃーん❤️

お久しぶり!

今日も美しい〜!」


アンジュがにこりと微笑む。


「ルチアーノよ。

ひな祭りパーティに呼んでくれて、礼を言うぞ!」


「いえいえ❤️

これで俺様の念願の初恋成就……じゃなくて!

ひな祭りも出来るし♪」


「うむ!」と笑顔で頷くアンジュをよそに――

ロクシーが鋭い目をして言った。


「ルチアーノさあ……新作の雛人形……あるんだよね?」


ルチアーノが、ふわっふわっふわっと髪の毛をかき上げ、答える。


「俺様……そう俺様が、ひな祭りの雛人形のロマンを壊すとでも……?


モチのロンであります❤️

新しい雛人形は用意済み!リリカル万歳〜❤️❤️❤️」


そうして、玄関先で特大クラッカーと薔薇の花びらを散らしているルチアーノを無視して、ロクシーはアンジュを連れて、別荘の中へと入って行った。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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