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超絶ビギナーだけど、バスケしたい!  作者: 双鶴


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8/8

バスケでモテよう、は本気だった

体育館の床に、夕陽が長く伸びていた。

理央はホワイトボードを片づけながら、ふと立ち止まった。


「俺たち、結局勝てなかったな」


瞬が言った。

蒼空は笑った。


「でも、ちゃんとやった。空気は変えたし、なんか…残ったよな」


蓮がノートにさらっと書いた。


“善戦って、覚えててもらえること”


藤堂は何も言わなかった。

みのりは、女子バスケ部の練習を終えて、体育館の隅に立っていた。


「理央、次の大会も出るの?」


「うん。今度は、勝ちたい。ちゃんと、全部使って」


「じゃあ、私も応援する。“ナイス!”って」


理央はちょっと照れて言った。


「それ、俺のセリフなんだけど」


---


帰り道。5人は並んで歩いていた。

誰も何も言わなかったけど、なんとなく、笑ってた。


瞬が言った。


「青春って、叫ぶことだな」


蒼空がつぶやいた。


「時間って、意外と伸びたり縮んだりするんだな」


蓮はノートに書いた。


“言葉にできないことほど、あとで思い出す”


藤堂は、みのりの背中をちょっとだけ長く見ていた。


---


理央は、ホワイトボードの最後の余白に、そっと書いた。


『理論バスケ・ver5.0』

・“好き”は、たぶん最強

・“ナイス!”は心で言う

・青春は、あとで思い出してニヤけるやつ

・三角関係は、ちょっとめんどいけど悪くない

・告白は、タイミングじゃなくて、たぶん“空気”だ


そして、こう締めくくった。


『バスケでみのりを振り向かせたい』――それは、本気だった。


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