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超絶ビギナーだけど、バスケしたい!  作者: 双鶴


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3/8

まずは、ドリブルからだな

「まずは、ドリブルからだな」


理央が言った。

美術室に集まった“超絶ビギナー”たちは、バスケ部というより理科実験班のような顔つきだった。


「ドリブルって、地面にボールぶつけるやつでしょ?俺、家庭科室でやって怒られたことある」


「それは床がフローリングだったからだろ。ここは体育館…じゃないけど、まあいい」


瞬がボールを床に叩きつける。

跳ね返ったボールが三浦先生のイーゼルに直撃。


「おおっと!それは“春の風景”だったのに…」


「先生、すみません!」


「いや、いい。これも青春の衝撃だ」


---


「じゃあ、次はパスだな。バスケって、パスが命らしい」


蒼空が言った。

将棋部出身の彼は、空間の“読み”だけは一級品。


「理央、パスの種類って何があるの?」


「チェストパス、バウンスパス、オーバーヘッドパス…あと、ノールックパスってのもある」


「ノールックって、見ないで出すやつ?」


「そう。成功率は低いけど、決まるとカッコいい」


「じゃあ俺、それ練習する!」


「瞬、お前はまず“見て出す”練習しよう」


---


「で、理央。理論バスケって、どうやって勝つの?」


蒼空が聞いた。

理央はホワイトボードを取り出した。そこにはこう書かれていた。


『理論バスケ・初期戦略案』

・相手のミスを誘う

・時間を支配する

・空間を制する

・声で圧倒する


「まず、“勝てないけど負けない”ためには、相手のミスを最大化する必要がある」


「どうやって?」


「統計的に、相手が焦るのは“残り2分”と“点差が3点以内”のとき。そこを狙う」


「そんなに細かく分析してるの?」


「俺、去年の区大会の動画を全部見た。Excelでミスの時間帯をグラフ化した」


「…お前、バスケ部じゃなくて分析部じゃね?」


---


「あと、フリースローは“誰が打つか”で成功率が変わる。瞬は今のところ成功率12%。蒼空は28%。俺は…5%」


「理央、低っ!」


「だから俺は打たない。打たない勇気も戦術だ」


「それ、ちょっとカッコいいな」


---


「で、声は?」


「声は“モテるための第一歩”だ。試合中に“ナイス!”って叫ぶだけで、印象が2割上がる」


「それ、どこの調査結果?」


「俺の妄想。でも、信じる者は救われる」


---


その日、彼らは体育館で初練習をした。

ドリブルは転倒祭り。パスは壁に直撃。シュートは天井に当たった。


でも、理央は笑っていた。


「これでいい。今は実験段階。青春は、失敗から始まるんだ」


瞬が叫んだ。


「俺、今日だけで3回モテた気がする!」


「それは錯覚だ。でも、錯覚も青春だ」


---


理論バスケ・ver1.5(第2話時点)


項目内容

実験テーマドリブル・パス・声の影響

統計応用ミス誘発タイミングの分析(残り時間・点差)

戦術進化“打たない勇気”と“声の圧”を戦術化

教育的補足統計=“感情の予測装置”として活用可能

次の課題空間支配のための“歩き方理論”の構築と、4人目勧誘の戦略設計


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