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超絶ビギナーだけど、バスケしたい!  作者: 双鶴


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2/8

バスケでモテようって言ったの誰?

放課後、美術室。なぜかここが男子バスケ部の仮拠点。

顧問は美術教師・三浦先生。バスケ経験ゼロ。

絵の具の匂いが、青春の香りに変わっていく。


「で、なんで俺たちがバスケ部に?」


蒼空が聞いた。元将棋部。冷静で、空間認識力が異常に高い。


「みのりが女子バスケ部に入ったんだよ」


「それが理由かよ」


「いや、違う。…いや、違わない。バスケでモテたいんだ!」


瞬が爆笑した。


「それ、最高じゃん!俺もモテたい!バスケやる!」


「お前、体育のバスケで3回ボール見失ってたじゃん…」


「でも、モテたい気持ちは見失ってない!」


---


「でもさ、勝てるの?俺ら、全員ド素人だよ?」


蒼空の冷静な指摘に、理央はニヤリと笑った。


「勝てなくても、負けない方法はある」


「は?」


「確率論、統計学、心理学。全部使う。バスケを“理論”で攻略するんだ」


「お前、バスケを数学の問題集と勘違いしてない?」


「違う。バスケは“時間と空間の制約”の中で最適解を探す、動的パズルだ」


「…なんか、ちょっとカッコいいな」


---


理央はホワイトボードに向かい、マーカーを走らせた。


『理論バスケ・ver1.0』

・目的:モテる

・手段:バスケ

・障壁:運動音痴

・解決策:思考・統計・心理戦

・初期戦術:声・時間・空間の支配


「まず、バスケは5人制。試合時間は8分×4クォーター。攻撃は24秒以内にシュートしなきゃいけない」


「24秒って、短くね?」


「だからこそ、時間管理が命なんだよ。将棋と同じ。秒読みが勝負を分ける」


「なるほど…って、俺バスケじゃなくて将棋やってたんだけど」


「だから呼んだんだよ、蒼空。お前の“空間認識力”が必要なんだ」


---


「で、俺は?」


「瞬は…声がデカいから、ベンチで盛り上げ役かな」


「おい!俺もモテたいんだぞ!」


「じゃあ、フリースロー練習して。成功率が上がれば、出番あるから」


「成功率って…俺、数学赤点なんだけど」


「安心しろ。俺が計算する」


---


三浦先生が言った。


「お前ら、バスケのことは知らんが…青春の余白なら、任せろ」


瞬が叫んだ。


「先生、それカッコいい!」


蒼空が言った。


「でも、余白って…どこにあるんだ?」


理央はホワイトボードの隅を指さした。


「ここだよ。俺たちの青春は、この余白から始まる」


---


その夜、理央はホワイトボードにこう書き加えた。


『バスケでモテる戦略案:ver1.0』

・声は大きく

・ユニフォームは清潔に

・理論は熱く、プレーは冷静に

・ホワイトボードは常に更新

・“善戦”とは、記憶に残ること


青春は、まだ始まったばかりだ。

でも理央は確信していた。


「勝てなくても、モテる方法はあるはずだ」


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