9 新入り
新鮮な腐った死体が仲間になった。
「よろしく新入り。俺が先輩の俺様だ。」
「ヴぁー」
「ごぶ。」
「ヴぁぁー」
「貴様には配属記念に、この弓と矢筒をやろう。矢は自分で補充しろ。」
「ヴぁ」
「また、会話のできない配下モンスターなのじゃ。さみしいのじゃ。」
「ごぶ。。」(かたじけない)
「のじゃ!、ゴブリンらしき侵入者がくるのじゃ。」
「新たな仲間の実力を試すチャンスだ。腕がなるぜ。」
結果は上々だった。
元狩人でゾンビアーチャーの新入りが最前線で足止めすることによって、
迷宮に侵入してきたゴブリンを、俺が石で簡単に仕留めることができたのだ。
「ごぶ」
「よいのじゃ。ゾンビはそこそこ丈夫で回復コストも安いのじゃ。よい買い物だったのじゃ。」
「ヴぁぁー」
「新入りの立ち回りが安定したら、俺様は投石に戻ってもよいかもしれないな。」
「当たらぬ石の捨て投げ損とはこのことじゃ。」
「ごぶっ」
俺たちが投射感の向上のため、矢のない弓でエア射撃ごっこをしていると、
可憐な美少女ダンジョンコアがおかしな事を言い出した。
「奴め、帰ってきよったか。」
「ごぶ!」
ダンジョンの入口から懐かしい風が吹いたような気がした。
そして現れたのは、2体のゴブリンを引き連れたホブゴブリンである。
復讐心が男を兵にする。
「肩入れは、リベンジマッチにお呼びじゃないぜ。」
「ヴぁぁぁぁー!!」