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7 外の景色


ある日の近くの森にゴブリンが2体


「あー。最近、人間がおおくねーごぶか?」


「おおいごぶ。こないだも水場のところに大きいのがいたごぶ。」


「故郷を追われ、はるばる流れ着いたこの地も安寧の地とはいかないごぶか。。」


「物騒ごぶな。」


「物騒といえば道場に行って、帰ってこないごぶが増えてるごぶよ。」


「ぶ?あそこは安全にレベル上げれる訓練ダンジョンじゃなかったごぶか?。」


「優しいふりをしゴブ溜めて、時が来たらから牙を向いたごぶな。所詮はダンジョンごぶ。卑劣ごぶ。」


「獲物を肥やして喰らうごぶな。外道ごぶ。」


「あー。ダンジョンコア壊したいごぶ。喰いたいごぶ。」


「コアむき出しごぶw。」


「配下も2体しかいないごぶw。」


「ごぶ!!なんかきたごぶ!!」


気づいた時には、ゴブ相方の頭に矢が刺さっていた。


無傷なゴブリンはすぐに森のより深いほうへと駆ける。

この判断の速さが長く生存できるゴブリンへとの明暗をわけるのだ。



弓を撃った人間の狩人は、逃げたゴブリンを追うか少しだけ悩んだ。

この近くには、いまの2体のゴブリンしかいないのは確認しているが、

追っているうちに別のはぐれが集まってくるかもしれない。


手負いにした個体ならばともかく、環境に慣れたゴブリンとの森の中での追撃戦はあまりよくない。

ここは欲を出さずに、頭部を損傷した個体へのとどめと、討伐部位の回収を優先すべきだ。


「村長がゴブリン駆除に懸賞金を出してくれるおかげで。よい小遣い稼ぎなる。」


近くの村のそばの森は、はぐれゴブリンが流れ着きやすいらしく、

昔からそこそこの数のゴブリンがいて農場や子供たちに被害が出ていた。

まったく支援をしてくれない領主のかわりに、あまり裕福でない村の村長が自ら懸賞金を出すことにした。


期待していた冒険者はこんなちっぽけな村の安いゴブリン退治に来てくれないが、

狩人をはじめ、村の動ける者たちが小遣い稼ぎに精を出したため、そこそこの成果が出ている。


「小鬼達が去り、動物達が増えれば、ここは豊かな森になる。」


まだみぬ未来を夢見ながら、絶命したゴブリンの左耳をナイフで千切りとった。

次の獲物を探すため、逃げたゴブリンを追うようにしばらく進むとただならぬ気配の洞窟を見つけた。


「この誘うような歪な気配はダンジョンか。なんてことだ、村のこんなにも近くにダンジョンがあるなんて。。」


近くの森にゴブリンが多かったのは、このダンジョンのせいかもしれない。

いずれにせよ、村の安全のために人を集めて攻略駆除すべきだ。


すぐにでも、みなに報告すべきだが、ダンジョンがあったという報告だけでは内容が薄いような気がする。

そもそも、この洞窟が本当にダンジョンかどうかもわからない。


少しだけ、ほんの少しだけ、中の様子を見てみよう。


怪しい雰囲気に誘われ狩人は一人でダンジョンに入っていくのであった。


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