【対面】優雅さん
「結婚しても大丈夫でしょうか?」
仕事中の昼休憩、会社の近くの占いB&Bに立ち寄っていた。
美月さんに鑑定してもらってから2週間も経たないうちに、上司から転勤の内示を受け、それを優弥に話したところ、
「結婚の予定があるから難しいって断ったら?」
と、遠回しに、いや直接的にプロポーズをされたのだ。
内心「きたきたきた!!!」って感じると同時に、毎日の仕事は現実で、本当にこのまま結婚に踏み出して良いのか不安になって、近くのB&Bに立ち寄ったのだ。
目の前にいる占い師の優雅さんは、私たちの生年月日から何やら計算をして、分厚い本を巡って、少し考えてから笑顔で言った。
「少し亭主関白なところがある彼だけど、でも、光さんに柔軟性があるし、わりと合わせるところがあるから、ピッタリの組み合わせですよ」
あぁ、また相性が良いって言われた。
占い師2人が言うんなら大丈夫なのかな?
と、安心しつつも、実は気がかりなことがあった。
「実は彼、前の奥さんとの間に15歳の娘が一人いて、一緒に住んでるんです。でも、中学卒業と同時に元嫁と暮らす予定なので出ていくんですけど、大丈夫でしょうか?」
年齢的に子供はいても不思議じゃないよねぇ、みたいな感じで、今度はタロットではなさそうなカードを使ってみてくれる。
「光さんと娘さんは縁が薄いようにみえますよ。まぁ、とは言っても父と娘だし、その二人の縁が切れることはないから、年に数回会うくらいで、その時だけ合わせておけば良いんじゃないかな」
優雅さんの言葉を聞き、ホッとした。
予定通り三月に出ていくんだ。
もし、「やっぱりお父さんと暮らしたい」なんて言い出したらどうしようとヒヤヒヤしていた。
そんな私の本心なんか読まれることはなく優雅さんは続ける。
「娘さんが歳をとってから、お父さん良い人と一緒になってよかったねって言われるような2人だから、大丈夫ですよ」
それを聞いて、娘さんが喜んでくれるような夫婦になりたいと何か小さな目標みたいなものができた気がして嬉しかった。
そして、上司にどのタイミングで連絡しようかとモヤモヤしながら足早に会社に戻った。