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【対面】美月さん

「最近付き合いだした彼との相性を見てください」


実は新名さんに鑑定してもらった後、広告マンへの未練を断ち切りたいのと、新たな出会いを期待して、抵抗はあったけれど思い切ってマッチングアプリに登録したのだ。

そうしたらトントン拍子に2つ年上の優弥と知り合い、すぐに意気投合して交際にまで発展した。


占いの結果通りになったことを新名さんに報告したくて、再び占いの館に足を踏み入れたが、残念ながら今日は出勤していなかった。


しかし、ここまで来たのに帰るのはもったいと感じ、ぼんやり本日待機している鑑定士たちの写真とプロフィールを眺める。


みなさん芸名のような名前の方ばかりで、写真も占い師ぽい衣装を着ていたり、水晶を目の前に置いていたりして、雰囲気を作り出している。


その中で「カードの不思議な力を借りて、お手伝いいたします」というフレーズと、優しそうな表情に惹かれて、吸い込まれるように美月さんのブースに入った。


そして冒頭の相談を伝えると、占い師の美月さんがタロットカードを慣れた手つきで混ぜて、整えて、切って、並べていく。


カサカサカサカサ、トントントン、

サクサクサク、パタパタパタ


ひと通り並べ終わると美月さんが言った。


「おぉー、良い感じですね。彼の中でも盛り上がってるし、相性も良さそうに見えますよ!」


望んでいた嬉しい結果が分かり、聞こうか迷っていた一番気になっていることを聞いてみる。


「結婚までいきそうですか???」


知り合ったばっかりなのに?、なんて顔もせず、そりゃ気になるよねって感じで肯定的に「みましょうね」と優しく微笑んで、再びカードを切ってく。


「あー、そうですね、彼も光さんのことを真剣に考えてるみたいだし、うーん、来年とか2人の関係は勢い付きそうにみえますよ」


ら、ら、来年!!!

想像以上に速い展開で少し面食らいつつ、


「そんなに速い感じですか!?」


などと、驚いたリアクションしつつも、めちゃくちゃ嬉しいのが隠しきれず、


「また何かあったらお願いします」


と伝え、スキップするかのごとく店を後にした。


新名さんの言った通り、優弥が私の結婚相手なんだ。

これまでの苦労は、この人と幸せになるために必要な経験だったのかもしれない。


やっと運命の人に出会えた。

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