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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
93/153

93、一夜の出来事

それはたった一夜の出来事だった。


ある貴族とその親戚一同が姿を消した事。


使用人は全て殺されていて剣が落ちて有り近くには女のドレスが血まみれに脱ぎ捨てられていた。



「今日お越しのお客様。今日は見た事もなもい珍しい肉が手に入りました。皆様でいかがでしょうか?」

滅多に出ない上質の肉にお客達は「リフドカ」がたまに提供する新商品だと思い皆食べる事にする。

それが人間の肉だと知らずに(むさぼ)り喰う。

「美味しいでしょ?まだまだ有りますよ。さぁ、沢山食べて。」


油ののった肉。


適度な歯ごたえのある肉。


柔らかい肉。


ちょっと筋肉質の肉。


どれもこれも美味しいと言って「リフドカ」の滅多に出ない肉を食べる。

「リフドカ」の裏の店「カドフリ」の中では、始姐が表情を変えず事務的に人を殺していた。

何人かは、意識も受け答えもはっきりしているので復讐はどうだと話を持ちかけて次々と殺して、もちろん子供のも赤子も妊婦も男も関係無しに皆平等に死を与えた。

一人でも残しておくとこちらが不利になる可能性もある。

「他に生き残りは無いね?」

「はい」

(一応魔法で確認しとこ)

生態感知で生き残りが無いか確認する。

「駄目じゃない。一人生きてるわ。殺して来なさい。」

『その子は私の子よまだ赤子よ!』

(獣人語?)

「運が悪かったわね。」

『私は死んでもいい。あの子だけは!!』

「ごめんなさいね。あんな一族の子を宿した貴女と産まれて来た事を恨みなさい」

最後に手足となった獣人の女性に我が子を抱きながら魔法で自害させた。

(この世界に来てから人間の感情が(とぼ)しくなって来た。人を殺す事も何も感じない)

「貴女達2人は新たに生まれて来るようにしといたわ。私の手足になってくれたお礼に」

(ありがとう………)

「魂だけでお礼を言って来たか。次は、変な男に引っ掛かるなよ」

始姐は、波長迷彩の魔法で「カドフリ」を後にした。





「ありがとうございます。えーと………」

「クルミです。」

「クルミさん」

始姐によって歳三はクルミと言う短髪の青年に変化している。

ただ魔法で、外に一枚膜を張っていて見る人によって違う。

長髪だったり女性とも男性とも言う人もいる。


(よし、これで全ての肉は省けた。俺の任務も完了)

「クルミさん、俺も頂いていいのか?」

「はい。全員に食べてもらって言ってました。それではボクはこれで失礼します。この後用事も有りますので」

ペコリと頭を下げて歳三は「リフドカ」を後にした。

「リフドカ」に渡した肉は、ある貴族の肉だ。

首チョンパにされて魔法で意識を残しその貴族の目の前で自分の身体を解体していく。

皮を剥ぎ内臓と肉肉切り分けていく。内臓も使える所はは切り分けて店に出す。

スープは人間の脳ミソをミキサーにかけて()した物で中の具材は人間の舌を薄切りにした物だ。

酒には人間のの血を混ぜたもので淡いピンクになるようにして提供している。

もちろん食べれば食べるほど飲めば飲むほど中毒性は高まる。


それから何日後に新聞に大々的に載った。バーが一夜限りの美味しい肉と酒とスープを提供した。

もう一度食べたくなる「リフドカ」の肉。その謎を解きたくて調べたか結局解らなかった。


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