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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
90/153

90、本当にヤバい奴だ!

森の中を駆けるゼウスとユキ。

ゼウスの背中には始姐。ユキの背中には歳三が乗っている。

風を切り、風に乗って走る2匹は楽しそうだ。

歳三の声が聞こえなくなった。

「歳三大丈夫か?」

後ろを振り向いて歳三を見た。

顔面蒼白な歳三にしばしばの休憩を挟む事にする。

「大丈夫か?」

「………だいじょばない………」

ですよね。そうですよね。

声が上げれない程速くて何度も崖からのダイブ。

見て歳三の手も真っ白になってるよ。

近くに洞窟のを見つけて中入りに歳三を寝かせ回復するのを待つ。

光の魔法で洞窟内を照らす。

「誰かがいたみたいだな。組まれた釜戸がある。焚き火の後………どうやらここに潜伏していたみたいだな。まぁ、利用出来る物は利用しましょう。」

パチンと指を鳴らして、写し出される映像。ガタイのいい男。ぼわっと揺らめく火の光で男の顔が見える。

「ゼウス、知ってるか?」

『俺は見たことがない顔だ』

「ユキは?」

『私も見たことが有りませんわ。もしかしたら山賊の生き残りか息子でしょうか?』

「山賊のうち漏らしなら最悪だな。」

『『すいません』』

2匹は頭を垂れた。

何としてもジェラルドを助けないと………


25年前。

まだジェラルドを拾う前の話。

始姐の森の中にいた、かなり大きい山賊が有った。

始姐族の森は街の警備隊も嫌がる程の鬱蒼とした森。それを利用してやりたい放題。

山賊のリーダーはある限りの悪どい事をやっており指名手配になってた。その中でも1つの村を焼いて女達は手下の前で村の男の前で見せつける様にレイプされ妊婦は鈍器で腹を殴り赤ちゃんが流れたら歓喜の声を上げ、消毒として真っ赤に焼けた棒を膣に突っ込んでグリグリを回し泣き叫ぶ声を酒の肴にした。

村の男達は殺されたり陰部を切り落とされてそれを無理やり食わされたりした。


それがある日、始姐を襲撃しに来た。色んな村を襲撃してきて、意気がって来たが逆に返り討ちに合い、山賊はみるかげもなく消滅した。

その時の頭の顔は今も覚えて………嫌、完璧に………忘れた。ただ「ガッツ」のある山賊の頭としか覚えてなかった。意識してなければ顔何て すぐに忘れるものだ。


◇◇◇◇


猿轡(さるぐつわ)をされ後ろに手足を縛られ目隠しをされてるジェラルド。

「あの忌々しい結界内にいた人間をつれてきた」

「良くやった。前金の残りだ」

初老の男は麻袋に入った金を渡す。

「ちゃんと金貨300枚入ってる。所で追加の仕事だ。この人間をある店に連れて行って欲しい。頼めるか?」

「簡単な仕事だな。」

「前金で金貨150枚だ。残りの150枚はオーナーに言えば分かる様にしてある」

初老の男は金払いがとてもいい。

麻袋に入られたジェラルドはガタイのいい男に担がれて馬車の中におほりこまれる。

「抜かるなよ」

「フン、あの家にいたのはこいつだけだ他に誰もいない。森に狼がいたが関係無いだろう。まぁ、来たら来たで返り討ちにしてやらぁ」

意気がるガタイのいい男は、金を受け取ると鼻歌を歌いながら馬車を走らせる。

「ミド」

「ああ、おばさんこんにちは」

ガタイのいい男の名前はミド。爽やかな小麦色に焼けた肌を持って麦わら帽子を被っている。見た目窃盗には無縁の男だがこの男には表と裏の顔がある。

表の顔は好青年で優しく人助けをする。

裏の顔は窃盗団や盗賊団に出入りする顔だ。

「これ持っていき」

麻袋に入る大きいミカンを渡す。

「こんなにもいいの?」

「いいよ。いいよ。持って行きな」

「ありがとう。おばさん(チョロイ)」

馬車を走らせる。凸凹の道を走り途中馬を休める。

馬に水と餌を与えミドはミカンにナイフを入れて厚い皮を向いて中身を食べた。

麻袋からジェラルドを出すと目隠しと猿轡(さるぐつわ)を取って水を飲ませる。

「何にも飲ませないのはいかんからな」

クククッと喉の奥で笑う。

「なんだじっと俺を見て、まだ欲しいのか?」

ミドは笑うがジェラルド飲ませる視線は離さない。

だんだんその目が怖くなり

「気色悪い目を向けるな!」

握り拳でジェラルドを殴る。手出しが出来ないのをいいのに殴る蹴るをするミド

「何か言いたげだな」

前髪を掴み引っ張り起こすとジェラルドがニヤリと笑い言った。

『覚えとけよ小僧。どこまで行ってもお前を探しだしなぶり殺してやる。お前の血が一滴でも流れてる奴は全て皆殺しだ。喜べ。地獄が口を開けて待っているぞ』

氷のように冷たく感情が一切(いっさい)入ってない声。ミドの背中をザラザラした舌が舐めたられたような地獄の口を開けてミドが食われる感覚が有った。

(食われる!!)

思わず前髪を掴んでいた手を離しジェラルドと距離を取り肩で呼吸をする。

「今なのは何だ?俺は何に手を出したんだ。子供も殺される?そんな事出来るか?」

ジェラルドを見るとまた意識を無くした感じで倒れていた。


『ジェラルドとコンタクト出来たのですか?』

「ああ、出来た。見つけた。支配の契約しといて良かった。していなくても見つけ出すけど。こいつだが知ってるか?」

ジェラルドの目を通して見た男の顔を映像として写し出す。

『知らん顔だな』

『見たこと有りませんわ』

「そうか。この男の名前はミド。聞いたことあるか?」

『『ミド?』』

2匹は首を傾けた。

ゼウスとユキは知らないようだ。

「ミド…ミド……ミドねぇ………もしかしたら山賊の生き残りではないな。あの時見つけ次第始末を命じたから。その意思を継いだバカか………はたまた新たな奴か………よし。ミドの子、妻は、生け捕りの方向でミドの両親と妻の両親は、殺してその肉を妻に食わせてやれ。きっと喜ぶぞ」

嬉しそうに言う始姐。

(ジェラルド以上に危ない奴だな。)

ゼウスほ本当に敵対しなくて良かったと心の底から思った。



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