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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
89/153

89、悪代官がいる

フライパンで煮込みハンバーグを作っるジェラルド。

グツグツ煮込む。

「うーん美味しそうな匂い」


ジェラルドが料理をしている時に玄関の扉が開いて誰かが入って来る。

抜き足、差し足、忍び足で………


(誰かが入って来ましたね。始姐と歳三なら帰って来た時の第一声は「お腹空いた」か「ただいま」です)

キッチンにあるナイフを手に取る。

キッチンに入って来たのはがっちりした身体の男。腰に2本の剣を腰にさしてる。

(この料理用ナイフじゃ勝ち目が有りませんね。目を狙えば何とかのるかも)

ナイフと剣じゃジェラルドに勝ち目が無い事は一目瞭然。

ジェラルドは魔導式コンロの火を止めてフライパンの柄を持って投げつけて脱出するが男が持っていた剣で出口を(ふさ)ぎつかさずジェラルドの蹴りが男の腹に入る。

だが男は何も無かったように平然としてる。

(えっ?)

ジェラルドが信じられない顔をしていると鞘ごと剣を振り下ろした。

僕の意識はここで終わった。



『ただいま』

歳三が言って家に入る。

「ただい………」

始姐も言いかけて玄関で足が止まる

『どうした、シロエ?』

振り向き声をかける歳三。

「ジェラルド!!」

始姐の大声にただらなぬ事を感じて歳三は鞘を握ると2階に行った。

始姐は空中にマスケット銃を展開してジェラルドのいた場所に向かう。

キッチンに着いた始姐は床に落ちて踏まれてぐしゃぐしゃになったハンバーグに床に刺さったナイフに荒らされたキッチン

「ジェラルド………」

「シロエこんなもんが有ったぞ」

2階に行ってた歳三が一枚の紙を持ってキッチンにいる始姐に渡した。

渡された置き手紙を見た始姐は震える声で

「………なんて………なんて………なんて汚い字だ。こいつの歪んだ性格がにじみ出てる。しかも読めん。汚すぎて」

思いがけない言葉に歳三が突っ込みを入れた。

『そこ?そこなのか?ジェラルドはいいのか?』

「大丈夫だ。ジェラルドの居場所なら分かる、それにこの置き手紙で奴の居場所もな………」

クククッと笑う。

だけど始姐からは怒りがにじみ出てる。

「近くまでゼウスに乗せてもらう」

『ゼウス………ってあのハッチャケ狼か?』

「ハッチャケ?まぁハッチャケだな?」

今までのゼウスにを思い出す。

確かに泥まみれのケガだらけでイケイケの()()………オスだけど、そういえばゼウスと喧嘩したなボコボコの返り討ちにしたけど。

その後、ポロッとゼウスと昔喧嘩したんだと何気にジェラルドの前で言ったら剣とナイフ持ってきて「皮を剥いでやる」って言ってたよ。あの時のジェラルドの目はマジだった。あれ以来ジェラルドを見るとゼウスが腰が引けてる。

「歳三、この置き手紙の複製を作る、本物は隠しとこ。」

始姐が魔法で複製を作るが作れない。

「あれ?作れない?魔法使用出来ない特殊な紙か………まぁ良く勉強してるな。」

喉の奥で笑う始姐はマジックバックに汚い字で書かれた紙を閉まった。

概算(がいさん)で被害金額出せる?歳三」

『無理だな』

「そっかじゃ金貨1億枚で手を打とう。」

『どこでその金額になった?』

「これは家の修繕費。後は別に手数料に心理的な負担にジェラルドを誘拐した時の身体的な負担にその他諸々(もろもろ)被害金額も足さないと」

(悪代官がいる)

歳三は心の中で言った。

パァァァンと手をを打って

「さて、ジェラルドを取り返しに行くか」

不敵(ふてき)な笑みを浮かべ始姐は家を出た。

家を出るとゼウスとユキとマリリンモロルーが待機してる

『ジェラルドに何か有ったみたいだな?』

「ゼウスにユキにマリリンモロルー」

ニッコリ笑うが始姐の後ろには般若(はんにゃ)の顔が現れてる。

「マリリン達も行くのか?」

『マリリン達は置いてく、俺と妻のユキが行く。途中までだが』

『それとこんなものが落ちてましたわ』

ユキが咥えて出したのは

「結界の一部に穴を開ける魔法道具かぁ………しかも一回ぽっきりだが、本当に腹が立つな」

大きな音を立てて魔道具を握り潰す。魔石に大きなヒビが入った。始姐は庭に向かって魔道具を投げドスの聞いた声で一言

「調べろ」

と言った。

魔石を取り囲む風が包み風が消えると魔石も消えていた。

「マリリンモロルーよ。森中に外敵が入ったことを伝えろ。そして皆に始末しろと伝えよ」

『『『『はっ!!』』』』

「では行け。」

(冷たい声だ。相当怒ってるな。始姐の物に手を出したのだからその家もしくは、店は滅びるしかないな。)

『始姐。発言の許可を』

「許可する」

『もしかして狙いは始姐か、そこの稀人か?』

「だろうな。魔法を使えなくする魔道具が有るだろうな、でもこちらはそんなの関係無いからなクククッ」

「俺も入るのか?」

「歳三はイケメンだから。イケメン男にいたぶって欲しい女子(おなご)ぐらいいるだろう?」

「うわっ気持ち悪っ!想像しただけで寒気が」

腕を擦る歳三を見てフフフと始姐は笑った。


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