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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
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87、マリリンモンローじゃなくてマリリンモロルー

「マリリンとモンローは元気か?」

『モンローじゃない。モロとルーだ』

始姐を背中に乗せて森の中を駆けるゼウス。

『妻のユキも子供達の名前を気に入ってる。でも始めに決めた名前がマリリンモンローとはな』


クククッと喉の奥で笑う。


『ユキがモンローは嫌だ!と言ってモロとルーにしたんだ。』

「そうだったな。あの時のユキは怖かったな」

漫画で言えばユキの後ろにゴゴゴッと音が出てくるほどだ。

『俺何て少しの間、口も聞いてくれなかった。しまいには『貴方は始姐に任せっきり!』と怒られた。まぁ任せっきりのは違いないがな。ハハハッ』

走る速さは変わらないのに後ろから2匹の狼が着いてくる。

力が有り余っていてじゃれ合うように走る。

始姐は後ろを見てゼウスに聞く

「あの2匹はマリとモロか?」

『そうだ。若いからな。俺の脚にも着いてくる。子供の成長は早い』

クククッと穏やかな目だかまだまだ負けないぞと脚力で大地を駆ける。


「ヒィィィ!!」

遠くで誰かの叫び声が聞こえる。

叫び声はだんだん近付いてくる。

あの声は………

「歳三だな。 ゼウス開けた場所で止まってくれるか?」

『わかった。少し近道するぞ』

ゼウスは歳三の叫び声を聞きながら開けた丘に向かって走る。

山の頂上に行き突き出た岩から飛び降りる。お腹がヒュッとする。

「まるでジェットコースターだな!」

『じぇっとこうすたーとはなんだ?』

「速さを楽しむ遊具だよ。ゼウスより安全に配慮したのは無いけど」

『俺より速いのか?』

「どうだろう?全く乗らないから分からない」

始姐に心許せる友はいない。

だから一人でいる。心の中に土足で踏み込む奴がいる。踏み荒らされた心は二度と元には戻らない。始姐もそうだ。


『着いたぞ』

ゼウスから降りて地べたに寝転がる始姐。

「あー、楽しかった。」

心拍は早鐘を打つように聞こえる。

「マリとモロだね」

寝転がる始姐に鼻を着ける2匹の狼

『僕たちの名付け親だね』

『とてもいい名前をもらったよ。でも4匹そろうとマリリンモンローにならのは良かったけどママが嫌って、だからモロとルーになった。マリリンモロルーだね』

それなりに気に入ってるみたいだ。

良かった。良かった。


後2匹も遅れて来たよ。


ありゃ、背中に乗ってる歳三は魂が抜けたみたいになってる。


確かに山の頂上にある岩からのダイブはスリル満点だったけど、そんなになることかな?

だって歳三は馬に乗っていたし昔。

マリリンモロルーの動きが速くてしがみついとかないと振り落とされる状況だっつのかな?

青い顔だ。草原で大の字で横になってた目を回している 。

でも息はしてる

良かった。良かった。生きてる。

歳三が目を覚ますまでの間私は仕事しよう。

「マリリンモロルー、歳三をよろしく」

ゼウスの背中に飛び乗りゼウスとゼウスの子供達マリリンモロルーに言う。

「いってきます」


ゴロゴロした岩の間を抜けて森の中を走る。川を飛び越え湖の縁を走り山の中腹にある岩にはたどり着く。

『ここだな。ここなら奴が見える』

「そうだね。」

ニヤッと笑い手に魔法で作った弓矢を構える。

ギリギリと弦を限界まで引っ張り手を離すと真っ赤な矢が飛んで行く。

一本から二本。二本から三本どんどん矢が増えていく。百本、二百本………。

矢は黒い霧の塊を目指してどんどん増えて当たる。

魔法の矢は黒い霧の塊に当たり力付くで片付ける。

「ふぅ。これでは後は、弓矢を空に向けて放つ!」

パァァァンといい音をして上空に上がった1本の魔法の矢が30000本以上の矢が結界の内側の森、山、川、湖、始姐の家、道場、東屋に降り注ぐ。

光の粒として

『これで稀人のなりそこないと奴らが落とした穢れも消える』

「そうだな。さて歳三の所に戻ろう」

私とゼウスは歳三の共に戻った。


「おっ戻ってきたか?先程、空からキレイな本当にキレイな光の粒が落ちて来たんだ」

「『そうか』」

「なんだよ。あんまり乗り気してないな。本当にキレイだったんだぞ」

「すごくいい物が見れて良かったな」

「ああ」

「所で私お腹空いちゃった昼御飯にしよう、歳三。」

「そうだな、ご飯にしよう。」

マジックバックから取り出した重箱の弁当を敷物の上に置いてご飯を食べる。

「こんなに多いのか………」

(食べれるか?)

「いただきます。」

もっもっもっもっと食べる始姐。重箱の中のご飯とおかずが消えていくって

(すげー、シロエは大食いか)

「あー食べた。食べた。もう入らん」

(嘘だろ!もう食べたのか?ってかまだら入ったら怖いよ。)

食べた後はゼウスに寄りかかり始姐の昼寝の時間だ。

「ウプッ。食べすぎた。シロエはよく入るな。」

食べすぎた歳三はマリリンモロルーに囲まれながらお腹をさすり瞼が落ちて来た。


風が頬を撫でる。

袴が揺れる。

どれくらい眠っていたんだろう俺は?あんなに悶々としてた気分が爽快になってる。

ジェラルドが行った通りにシロエに着いて来て良かった。

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