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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
81/153

81、稀人?

始姐の森で霧は滅多に出ない。

その始姐の森で濃い霧が発生した。珍しい。森の動物も活動を停止して晴れるのを待っている。

「霧が凄いな」

歳三が呟くとジェラルドが「そうですね」と声が聞こえる。大きな声が出ていないのにジェラルドは聞こえるらしい。知らんけど。

「霧が晴れるまで時間がかかるしこのままかも知れない。茶菓子を用意したお茶にしよう」

ソファーをポンポン叩いて促す。

ここに来てから暇があればお茶と茶菓子が出てくる。太らない為にも素振りや剣術はやるがいかせんお茶の時間が多い。巡回もなくなって身体を動かす時間がめっきり少なくなった。

「俺、このまま太ったらどうしよう」

まだ腹の肉はついてないが少々嫌、かなり不安になる歳三だった。もちろんお茶も茶菓子も美味しく頂いた。

だって頂かないと悲しい顔をするんだよ。ジェラルドが!!

3人でお茶をしている間に当たりの霧が晴れた。

やったね。道場に行けるね。

あー日の光が窓から入る。

綺麗だ。

「晴れたから素振りに行ってくる」

「「いってらしゃい」」

始姐とジェラルドはお茶の続けた

「始姐。気になったのですが、歳三よ言語の覚えが早いですよね?」

「そうだね。稀人には目に見える変化と目見えない変化が有るかも知れない。」

「と言うやっぱり」

「うむ。歳三の場合は言語の覚えの早さだね。大抵強化の魔法だと思っていたが」

「そうですね。半年で古代語と共通語のマスターですもの」

恐ろしい恐ろしいと呟いた。



◇◇◇◇



道場に入ると人の気配がする。

ここには俺さかいない。

おかしい。

木刀を持ってそっと道場の中を見る。


暗い。


いつも窓を全快にして光を取り込んでいるが、今日は窓を開けて無いので暗いまんまだが、気配はする。

(道場の中央か)

抜き足、差し足、忍び足で近づき木刀を打ち込む。

(手応えがない!)

後ろに跳躍して窓を開けた。

入ってくる日の光が当たりを照らす。

『お前は、斎藤・・・斎藤一か?』

ぱっちりした目で穏やかな顔をしている。そしてイケメンである。

『土方さん?』

2人は無言のまま見ていた。

『待ってくれ。状況が分からん』

この状況に新撰組の左利きの剣士の斎藤一が目の前にいる

『俺もです。天命を全うして、次目を覚ましたら真っ暗な部屋にいて動けない状態。声も出ないですし、どうしようかと思っていました。』

『とりあえず、この状況が一番分かる人がいる。そいつに会おう。ついて来てくれ』

斎藤一に言うと出口に向かい始姐のいる家に向かった。


「歳三さん。見知らぬ人を家に入れないで下さいね。」

冷たい言葉で一喝。

「見知らぬ人ではない。新撰組の斎藤一だ」

手を合わせて、頭を下げる歳三に斎藤はこんな人だったかと見る。

「どうでもいいですが。騒がしくしないで下さい。」

始姐がソファーで眠ってしまった為、最大限音を出さない様にするジェラルド。

だが、新たに来た稀人に厄災を見るの目で言葉も冷たい言葉だ。

「お茶を出します。足を洗って来て下さい。水は外にあります」

ぶっきらぼうに言うとジェラルドは部屋の奥に返った。


『何ですか?あの男は?』

足の泥を洗い流した斎藤は、タオルで拭いて部屋の中に入る。

薄暗く静かな家。いつも明るく賑やかなのにこの異常に歳三も「?」になりながらジェラルドがいるテーブルに向かう。

「粗茶です」

古代語で話すジェラルド。

日本語も話せるのに・・・

『彼は、ジェラルド。ここの主の右腕的存在だ』

斎藤は頷いた。

ジェラルドは興味がないようにお茶を置いて席を離れる。

『少しここで待っててくれ』

席を外す歳三はジェラルドが消えた場所に行く。

「ジェラルド、どういうつもりだ!あんな態度で」

「歳三は始姐が認めてます。だから僕も認めてます。だが、あれは後から来た稀人です。」

『斎藤は!!』

「稀人です。厄災を引き起こす」

ジェラルドの胸ぐらを掴んで歳三は言うが、底の見えない暗闇の瞳で歳三を見るジェラルドにゾグッとした。

こんな目をしたジェラルドは見たことがない。

いつもニコニコで・・・

「・・・悪い・・・」

「いえ。2人で話があるならしててください。僕は席を外します。」

茶菓子を渡してジェラルドはキッチンを出た。

歳三と人の様に見えてジェラルドが見ている斎藤一の姿は、黒いモヤモヤしたものしたもので話す言葉も日本語じゃ無くて聞いたことの無い機械音だった。


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