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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
75/153

75、初依頼

翌日、僕たちは冒険者ギルドに行った。ギルドにに入ると騒音がピタリと静まり、他の冒険者はトシ、ジェラルド、シロエの動きに注意する。

3人は何事も無い様に受付に向かい声をかける。受付嬢達は、喉の奥で悲鳴を上げた。それもそのはずだ。言葉一つで魔法銃で撃たれるかも知れない。そんな恐怖と向かい合わせだ。

2階に通された3人は、一通りベレンの話を聞く。

デニスの処分。

表舞台に立たず裏方に回る。(役に立たないけど)

上層部の報告ではデニスの親戚には、「デニスは意気がって冒険者の忠告も聞かず迷宮に入り肩の負傷した」と報告をした。

それがトヨハシの冒険者ギルドのギルドマスターの答えだった。

「魔法銃の事はここのギルドと当日いた冒険者だけの話とした。こちらも余り騒がしくしたくない。お前さん達も騒がしいのは嫌いだろ?」

ベレンは言う。

「騒がしくするなら出来ない様にすればいいだけです。」

ジェラルドが冷めた目をして言い退ける。

「そうだな。」

トシも頷く。

シロエは表情変えずに聞いていた。

2人とも好戦的だ。ベレンは心の中で思った。とんでもない奴らにデニスは喧嘩を売った。その代償は大きいと・・・。

「シロエはどうだろうか?」

「肩じゃなく頭を狙っておけば良かった。」

(こいつも好戦的だー!!黙っていたのはこの事考えていたんだな!)

リリィがお茶を出しに2階のギルドマスターの部屋に入る。

「失礼します。お茶です。」

3人の前にお茶を置いてそそくさ出ていった。

「裏方じゃなくあの男も冒険者になればいいではないか?」

「シロエ?」

「あの肩の傷じゃ剣も持てないだろう、冒険者の苦労も分かるし権力だけでは駄目なのが嫌でも分かるだろう。あいつを入れてくれるギルドがあればの話だがな」

フフフと笑うシロエにトシもジェラルドもあの男は誰も相手にしないだろうと思っていた。

「冒険者?もっと詳しく言ってもらえるか。」

「簡単に言うと、この世から居なくなって欲しいだけ」

囁く様にシロエは言った。



◇◇◇◇



「これはどうだ?ゴブリンが住み着いたらしい一人5匹倒して証の左耳を持ってくるってのは?」

「場所は?」

「乗り合い馬車が通る所だね。そう遠くはないよ。」

「じゃこれにするか」

トシが壁に貼ってある紙をちぎり受付に持って行く。

「これを頼む」

「はいぃぃ。かしこまりました」

ラキィはビクビクして依頼を受託した。

「今回はどうやる?あれ(マスケット銃)か?」

「剣術だよ」

「僕も」

話ながらギルドを出ていく。

近くの乗り合い馬車に乗るがどうも人が多い。

「か、替わろうか?」

「いいよ。特等席に行くから。」

「特等席?」

トシが聞きジェラルドが答える。

「屋根の事ですよ」

「ああ、なるほど」

トシ、ジェラルド、シロエが馬車の幌に乗り操縦者に合図を送り発進する。

ガラガラ回る車輪に凸凹の道のりでお目当ての場所について3人は降りた。

「ここから歩いていくとゴブリンがいるみたい。」

討伐依頼の紙を3人で見て歩く。

途中に少数のゴブリンが現れるトシが刀で斬って行きシロエとジェラルドが証として左耳を斬って行く。

「おい、シロエ。あれは何だ?」

茂みに隠れていたトシがシロエを呼ぶ。

茂みから見たのはゴブリンの集落だった。

「ありゃ、集落を作っている」

「では、叩きますか?」

剣に手を掛けて言うジェラルドにシロエはニヤリと笑い狩りじゃと言った。

トシの流れるような剣術にジェラルドの力強い剣にシロエの忍び寄る剣でものの30分で集落は全滅。

「左耳を斬って行くわ」

剣を振り血を飛ばすシロエとジェラルドとトシ。

短剣に変えて耳を斬って行く。

「なぁ、この死体どうする?」

「そうですね。どうしましょうか?」

「穴開けて燃やすか?」

誰も後始末の事を考えてなかった。その後シロエの魔法で始末した。

「それじゃ耳も取ったから帰るか?集落の事も話さないといけないし」

「そうだな。一人5匹だったけど3人で100匹は斬ったな」

「そうですね。」

来た道を戻る3人人ちょうど来た馬車に乗ってギルドに帰った。


ギルドでゴブリンの耳を見せて集落分の討伐の事を話していつもより倍の金貨を貰い3人で分けた。


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