73、銃を納めてくれ!
迷宮から出て来たシロエ達は、冒険者ギルドに行った。
角ウサギの買い取りである。
「肉肉~♪」
「肉が好きなのか?」
「いえ。僕は魚好きです。」
そう僕が答えるとトシは「嫌。違うよ。ジェラルドじゃないよ」と顔をした。
「「・・・」」
無言の2人に乗り合い馬車が来る。
中はガラガラで僕達は一番後ろに座った。
「どうでした。迷宮は?」
「いろんなモンスターがいるんだな。俺一人じゃ勝てないな。」
「そうですね。僕も一人じゃ勝てません。」
そう言って僕はシロエを見た。
自由すぎる。干し肉を食べてる。
お腹空いたか、口寂しいかどっちかだな。
「シロエいいのか?」
「運転のおじさんに許可取った。okだって」
あ、買収しましたね。
冒険者ギルドについて僕たちはギルドに入る。いち早く気づいたリリィが顔を赤くしてる。
買い取りのカウンターにいるおじさんに角ウサギの肉と毛皮だけど戻して後は買い取りでお願いする。暇していたからすぐにやってくれるって、よかったです。
角ウサギ50匹をアイテムボックスから出した。
「多いな。1時間待ってくれ」
そう言われ僕たちは、ギルドにあるテーブルに行き、そこで話をする。
「大変なんだか、チーム名を決めて無いの誰かいい案ある?」
トシが手を上げて一言。
「そもそも局長は誰?」
その言葉にギルド内にいる3人以外の受付嬢も他の冒険者もが笑った。
そうなのだ。リーダーなら話が分かるが局長とは何だと。
『なんか文句有るのか?』
ムスッとしてトシが言うと一番大笑いしていた受付のアホが出て来てトシの前に立って言う。
「共通語喋れ。」
シロエと僕は我関知せずを貫く。
「悲しいな。権力には勝てないか?。お前の仲間は、お前を見放したぞ。そうだ俺があれこれ教えてやる。お代は、腰にぶら下げてる武器だ。今日見た時に気になっていたんだ、俺にくれれば、融通聴かしてやるよ」
我関知せずを貫いていたシロエのマグカップがペキッとヒビが入った。
(消しますか?)
僕がアイコンタクトをとろうとしてもシロエひ目をつぶったまま。
(この時が一番怖いんだ)
コトリとテーブルの上に置いて瞳をあけたらトシの前にいるアホの襟首をもつと思いっきりらテーブルに叩きつけて、マスケット銃の銃口を口の中に入れた。
「さっきかさ聞いていたがお前は本当に五月蝿い。聞いていてヘドが出る。
トシの武器をよこせだ?融通してやる?お前何様だよ。」
僕は立ち上がったまま動けない。動けない。今動いたら殺される。
誰も彼も皆平等に死が口を開けて待っている。
「待って・・・!!」
リリィが言葉を発した同時にもう一つのマスケット銃が空中に現れる引き金を引いてリリィの頬を掠めた。
腰を抜かすリリィ。
「ほれをこほしたらたたしゃすまはない(訳、俺を殺したらただじゃすまない)」
フンとシロエは鼻で笑い言葉を続けた。
「お前だろ。トシの武器が欲しくて20人のならず者の冒険者を私達に送ったのは。まぁ、皆返り討ちにしてやったからな。後はモヒカン男もボコボコにしてやった。うまくいけば助かるが、そうでないと死んでるね。」
カチカチと引き金を引く音がこだます。
「お前が殺したんだ」
囁く様にシロエは言う。
誰も動けない。
2階からギルドマスターのベレンが降りてきてこの異様な光景に目を見張る。
「何があった?」
空中に現れるマスケット銃にベレンは咄嗟に棚に隠れた。もし何もしなかったら眉間に風穴が通っていただろう。
「ラキィ何があった。」
「受付の人が冒険者の武器を欲しがって、返り討ちにあっています。」
まぁ、間違っては、いない。
「シロエ、銃を納めてくれ!」
『何故?』
(古代語?えーっと・・・メリッサ!)
古代語マニアのメリッサに言う。
「メリッサ!シロエはなんて言った?!」
「は、はいぃぃ。シロエさんは『何故?』と言いました。」
棚に隠れる受付嬢達。
「シロエ。共通語でお願いする。その男はちゃんと適切に処分する、上にも掛け合う。銃を納めてくれ」
アホな男の口から銃口を外しベレンの方を見るシロエ。
起き上がったアホを振り返り様に銃身で殴った。殴られたアホは、気持ち良く伸びてシロエは何も感じない瞳でアホの肩に銃口を当てて引き金を引いた。
躊躇いもなく。
「もし、約束と違うならお前もこうなる」
シロエは静かに言ってトシとジェラルドと一緒に違う席に座り直して、議題チーム名とリーダーを決める話を始めた。




