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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
49/153

49、拾って来ました。

始姐が帰って来た。

雨に打たれてずぶ濡れだ。

おかしい行く時はカッパを着ていたのに今はカッパを着てない。

僕は慌ててタオルを用意した。

「ただいま」

のんきな声がして僕は始姐に目掛けてタオルを投げつけてガシガシと髪をふく

「始姐!。ずぶ濡れだけど、走って来るなりしないの?」

「すまん。すまん。」

「カッパ、何で着てないのですか?」

「倒れた人がいたから掛けておいた。」

「倒れた人ってその人は?」

「置いてきた」

「はぁぁぁ?」

「ウソウソ魔法で連れて来たよ」


始姐曰く、釣りをしていたんだ。

大きな魚が獲れる所で、初めは木とか岩に引っかかいたけど最後に大物がかかって、攻防が続いた。


だけど足を滑らして湖に足の先から頭の天辺までドボン。


魚は逃げるし、ずぶ濡れになるし踏んだり蹴ったりで、びちょびちょになりながら釣竿をかだ付けて帰ろうとしたら足に何か引っ掛かり盛大に転けた。


「何や!」って足元を見たら人の手が。

手を辿っていくと人が倒れている。息はしてるので身体が冷えない様にカッパでくるんで魔法で浮かせて持ち帰った。

「それがあれ?」

「そう。あれ。」

中に浮くカッパに巻かれた人。

左腕が出てるので一応人間だと分かる。

ゴブリンじゃ無くて良かった。


「取り敢えずお風呂沸かしましたから直ぐに入って下さい。」

床にドスンと人を置いて始姐は風呂に入りに行った。

「どうしよう。これ」



◇◇◇◇



お風呂から出て来て頭を乾かした始姐。

カッパに巻かれた人は、服を全て洗いに出して今はパンイチで寝かせてある。

シャツがに赤くなって気になった腹部に傷が合った。

触ってまだら硬い物があったから始姐が指を突っ込んでえぐり出した後、上級ポーションかけて傷をふさいだ。


「体力はポーションでは戻らないから」

「大丈夫でしょうか?」

「大丈夫じゃない?後は彼次第かな。しっかし引き締まった身体してるね。」

「始姐。マジマジと見ないで下さい。」

男の僕だってびっくりするほどの引き締まった身体をしてる。

しかもイケメンだ。



◇◇◇◇



「今日の夜ご飯はシチューです。パンも焼いてありますので沢山食べて下さい。」

僕はシチューとパンを出して食事が始まる。

お腹が空いていたのか始姐はガツガツ食べる。

(その小さい身体にどれだけ入るんですか?まぁ、残されるよりは完食は有りがたいです。)

暖かい目で食べる始姐を見て僕も夕ご飯を食べた。

読んで頂きありがとうございます

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