45、帰って来た
ダンジョンコアを直して僕と始姐は森に帰って来た。
「はぁぁぁ。やっぱり自分とこの森が一番。最高にいい~。」
始姐は両手を広げて深呼吸をしてる。
「始姐。今日は角ウサギの肉で料理を作ります。何が食べたくないですか?」
何が食べたいと言うと大抵、「何でもいいよ。」と答えてしまう始姐。
だから聞くのだ。「何が食べたくないか」を・・・
「不味い物」
ハイ。不味い物は、始姐の料理です。
レウスが恐怖を覚えて逃げ出してしまうほどの料理です。
僕も何度死にかけたか・・・ハハハ。
ついつい遠い目をしてしまいました。
「ソテーにしますね」
「うん。」
アイテムボックスから取り出した肉をもらい僕は家の中に入る。
一人残った始姐は、倉庫から氷を取り出すとナイフで叩き砕けた氷をヤカンの中に入れ倉庫から出てテーブルの上に置く。
薪をストーブの中に入れて木の皮に魔法で小さな火種を作ると薪の間に入れ扉を閉める。
火が大きくなったらヤカンをセットして氷が溶けるのを待つ。
待ってる間にテーブルにマグカップにクッキーを置いて椅子に座って水になってお湯になる音を耳を澄まして聞いていた。
ボコッボコッと音がしたら沸騰した合図。
ヤカンの蓋を取って紅茶の葉を入れて鍋引きの上に置いた。
マグカップに紅茶を注いでズズッと飲む。
「あちー」
氷魔法で氷を作りマグカップにドボンと入れもう一度飲む。
「うーん。旨い。」
クッキーをバリンと音を立てて食べる。
うん。湿気てない。
「こう何にも無いのが一番。ただ火を見たり夕日を見たりが一番。何もしないのが、本当にいい。
冒険者登録もしたし、冒険者ギルドにも行った。・・・あの男の血族調べとくかな?。それとも上を潰した方が早いかな?」
背もたれに身体を預けて瞼を閉じてボーッとしている
◇◇◇◇
「さて、今日はソテーを作る。これが始姐家の味だ」
僕はソテーを作る為にね食材を取り出す。
「魔導式コンロ買っといて良かった」
ニンニクを薄切りにして、肉は筋切りして塩コショウを振り小麦粉をまぶしておく。
ニンニクを油で炒め狐色になったら取り出して肉を投入。
醤油、酒、味醂、砂糖でソースを作り、フライパンにかけ回しながらソースを投入。
フライパンを揺すりながら肉をひっくり返しながらソースを絡める。
お皿にのせれば角ウサギのソテーの出来上がり。
「ふふん♪」
キャベツを茹でてお湯を切り白ごまをあえる。
「始姐はお茶してるかも、多分絶対にしてるな。魔導式コンロの使い方は僕しか使わないし、始姐は原始的な作り方だもん。あの味で」
(何をどうすればあれほどの味になるのやら)
◇◇◇◇
「ん?」
パチンと音を立ててストーブの薪が崩れた。
「今日は荒れそうだな。雲の動きが早い。用心しといた方がいいかも。」
魔法でストーブの火を消してヤカンを持って家の中に入った。
「あっ始姐。ご飯ができました」
ぐぅぅぅ
ジェラルドの声が響くと始姐のお腹が盛大になった。
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