43、シロエ静かに怒る
シロエさんとジェラルドさんが帰って来た。
シロエさんはニコニコ笑顔でジェラルドさんは疲れた顔をしている。
私はカウンターから身を乗り出した。
「シロエさんにジェラルドさん無事に帰って来たんですね。」
突然の事にシロエもジェラルドは何事と顔をしてる。
「ラキィ、落ち着いて。」
「そうね。リリィ」
「何が有りましたか?」
ジェラルドさんがリリィに聞くと空気を読まないあの男が
「なんだ。こいつら。まだ、ガキじゃないか。こいつらがポーション作りをしている奴らか」
(アホが!!)
「貴方、誰ですか?」
ジェラルドが怒気を混ぜて言うが、本人は全く通用せず。
「怒った?こんなことで怒るなんてちいせーな。アハハハ」
シロエがジェラルドの服の裾を引っ張り一言。
「ジェラルド、バカを相手にしちゃ駄目だよ。あの人は親に何も教えてもらえなかった可哀想な人なんだよ。」
「なっ何だと!俺は偉いんだぞ!」
「ハイハイ。そうですか。・・・えーっとラキィ?さん」
朝対応してくれたラキィを呼んで、ニッコリ笑いシロエは言葉を続けた。
「殺していいですか?この男」
突然の言葉にリリィ、ラキィ、メリッサは唖然としている。
いち早く正気になったのはリリィだった
「えっ?殺して?」
「ハイ」
「駄目です。駄目。」
「何故ですか?。」
「何故って」
「あっ分かりました。死体の処理ですね。大丈夫です。迷宮に入れれば肉、内臓、骨全てが迷宮が食べてくれるよ。しかももし彼の家が私達に報復してくるなら家ごと潰して・・・やれるけど、どうする・・・お前は」
ゾクッと男は顔は青くする。
目の前の小さな女の子シロエは自分の命を軽々しく言う。殺すとか死体の処理とかも考えてしかも家の事も
「おっ俺に何かあれば!!」
「安心して、それ込みで潰すから・・・この男の事と家、家族、親戚、こいつの血が一滴でも入ってるのは皆殺しにしよう。女も生まれたての赤子も子供もここにいる皆も同じ、冒険者も受付の人もみーんな同じ死をあげる。」
(始姐何気に怒ってますね。この男の態度が半年前から僕たちに上から目線で言っていたからお灸を据えようと・・・イヤイヤイヤ、違う。あれは違う。本気だ。本気で潰そうとしてる。)
「シロエさん・・・」
見て、シロエさん。受付嬢もアホな男も冒険者の皆さんも青い顔してフリーズしてるよ。
「始・・・シロエさん」
「ん?」
「ん?。じゃ無いです。マジでやる気ですか?」
「・・・」
その間が怖いです。
「何やってんだ!!」
ギルドマスターが2階から降りて大きい声がギルドホールに響く。
「ギルドマスター」
ギルドマスターのベレンの声でギルドホールの呪縛が解ける。
◇◇◇◇
「メリッサから聞いた。不快な思いをさせてすまなかった。」
ベレンが頭を下げる。
シロエとジェラルドとベレンはギルドマスターの部屋で話をしてる。
「あの男は、上層部に親戚がいてこちらもうまく断れないんだ。」
「家ごと潰せば困らないよ。」
マジで言ってますシロエさん。
「そうも言うが・・・」
「迷宮があるじゃないか」
「そうだな」
その後冒険者ギルドで1日体験でギルド職員が、迷宮に入り大変さを身に染みて解らせたと言う。




