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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
39/153

39、迷宮ですよ?

「ここが第8迷宮ですか?」

ジェラルドが大きな扉の前でポカーンと口を開けて見上げてる。

「そう、ここが第8迷宮。ジェラルド入るよ。」

扉を開けて見えるのは真っ暗の世界。僕たちは中に入った。


シロエと手を繋いで歩く。

何も無い空間から風が頬を撫でて僕は目を開けた。

「何か凄いですね」

僕の目の前に広がる草原に木々がある。

「私達が行くところは迷宮の最深部、ダンジョンコアが有るところ」

シロエは魔法で銃を作り出した。

「火縄銃ですか?」

「違う。マスケット銃だよ。改良に改良を重ねた改良型だけど。殺傷能力が格段に上がったよ。」

ニッコリ笑って草むらに向かって銃身を向け引き金を引く。

「音もそれなりに出ますね。」

「銃だからね」

銃を消して草むらにザクザクと入る。

「おお。角ウサギが取れた。」

ウサギの耳を持ってニカっと笑うシロエ。

アイテムボックスに入れて創造魔法で肉と皮と内臓に分ける。

「良く分かりましたね。角ウサギがいる事を」

「音と気配だよ。慣れればジェラルドも分かるよ。」

草原の中を歩く。

シロエは剣を腰に刺して歩く。

「ところで、マスケット銃の音でモンスターが逃げましたね」

「あれは牽制?うーん強い奴がいるぞっと知らせている。」

「あの一発で?」

信じられないと顔をするジェラルドを尻目にシロエは遠足気分で歩く。

「あー、こっちにわき水があるんだ」

まるで何度も来ている様に歩くシロエにジェラルドは慌てて後ろについて歩く。

この葉っぱはやけどに、あちらの葉っぱは毒草。

こちらの葉っぱは切り傷にきくと言う。

「この魔方陣に乗って」

草に覆われて魔方陣が有るのかすら分からない。

「このってどこのですか?」

キョロキョロと探す僕にシロエは言う。

「私の隣に来て」

僕はシロエの隣に立った。

「さー行こう。最深部へ」

まだ一回ですよね?!

「えっ?!ちょっと!!しっ、始姐?!」

大洪水の様に光の線が何重にも重なる。

「ここでは、シロエだよ。」

「ああっ、そうでした。すみません。シロエさん。で、この光景は?」

「ダンジョンに伝えた。最深部に行くって」

「いつ?いつですか?」

「ダンジョンに入った時」

「あなたは・・・」

(何者ですか?)

「ジェラルドもう少しで着くよ。それに何者かはもうすぐ分かるよ。」

「・・・」

「ジェラルド、今を楽しめ。」

ニッコリ笑うシロエ。



◇◇◇◇




チンっと音がして扉が開く。

細い通路を歩き一つの扉の前に立つ。

扉を開けて奥に見える何かの物体。近づき見るとそこには赤黒く光る球。

見てるだけで気持ち悪くなる。

「赤黒く光るのは異常が有るからだよ。」

「異常?」

「迷宮もオーバーワークだと異常を起こす。昔は定期的に入れたけど最近は冒険者ギルドが管轄になってるから・・・面倒臭いなんだよね。」

(めっ、迷宮がオーバーワーク?何ですかそれ?人じゃあ有りませんよ。迷宮ですよ?!)




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